百年のいえ倶楽部だよりでは、先祖代々住み継がれてきた
旧家を後世に残し次世代に繋ぐサポートになるよう、
最新ニュースや旧家の動向、住まいや暮らしに役立つ
情報などをご提供してまいります。
住友林業ホームテックでは、BS朝日で放送されている『百年名家築100年の家を訪ねる旅』の番組提供を行っています。
『百年名家』は、長い歴史を持つ全国の名家を巡り、暮らしの中で人々が受け継いできたさまざまな工夫や古き良き日本の文化、伝統的家屋の保存にかける人々の思いに触れ、未来へつなぐ「暮らしのヒント」を探す番組です。

今回、住友林業ホームテックでリフォームされた旧家オーナーが番組に登場するということで、番組撮影に同行してきました。
今回の舞台は、千葉県北西部に位置する市川市。古代から下総の国府が置かれるなど歴史豊かな市川は、江戸時代には塩づくりで栄えました。また交通の要衝としても発展し、江戸から成田山へ向かう人々の通り道として行徳街道が賑わいました。今回はその街道沿いにある建物をたずねる旅。案内人として、市川市の文化財に詳しい文化財建造物修復技術者の日塔和彦先生が同行します。
撮影隊が訪れたのは、明治15年に建てられた築約130年の田中様邸。2012年に、外観と骨組みを残し、建物の耐久性と室内の利便性を高めるリフォームを住友林業ホームテックで行ったお宅です。
まず玄関先で、出演者の皆さんとお母様の田中愛子さん、娘さんの利江さんで談笑。この家を建てた愛子さんの祖父が行政事務の責任者・戸長を務めていた関係で、住まいを戸長役場としても使われていたというお話から始まりました。

田中利江さん(左)と愛子さん(右)

出演者の牧瀬里穂さん(右)と日塔和彦先生
興味深げに外観を見る出演者の皆さん。街道に面した広い間口に設えられた格子戸など、建具の多くは建築当時のもの。木がしっかりしているので、愛子さんはできるだけそれらを残されました。
昔ながらのくぐり戸を抜けると現れたのは、130年の歴史がしみ込んだ三和土の土間空間。
当初、利江さんは現代風に改修したいと希望されていましたが、母親の愛子さんは戸長役場としての歴史を残したいと考えていました。
そこで、住友林業ホームテックの担当者も交えて6年にわたって家族会議を続けた結果、土間や板の間、奥座敷など1階部分をほぼ建築当時のままに残し、室内の快適性を高めるリフォームを行いました。
居間の天井を高くして開放感を高めたり、以前は炭で暖をとっていたという部屋は床暖房のフローリング仕上げにしたりなど、昔のつくりを残しながら耐久性と利便性を上げるため、各所に手間と高度な技術を活用。100年以上経過しても状態が良好であった大黒柱を中心とした骨組みは生かしつつ、床下に防湿コンクリートを打つなどの工事を施しました。
「古い部材を残すことで、家族の歴史も守られました」と話す愛子さん。その歴史の一つを発見。利江さんたちが子どもの頃、身長を図った柱の傷です。「これは取っておいた方がいいですねえ」と進行役の牧瀬さん。

昔、身長を測った柱の傷を発見。高い位置に田中家の長男が「目標」と書いた跡を見つけて、みんなで大笑い。
終始和やかな雰囲気の中、最後に、以前の姿のままに修繕した板の間で田中さん親子のお話を伺いました。不自由を感じていなかったので、リフォームする気がなかったという愛子さんは、自分の代でこの家は終わりだろうと思っておられました。しかし、その後の家族会議での紆余曲折を経て、利江さんは「子どもに、昔のまま残っているものは見せて、なにか先祖のことや建築当時の明治時代のことなどを身近に感じてもらえたらという気持ちに変わっていきました」と当時を振り返ります。6年間たくさん話し合った時間が、ご家族のなによりの財産となりました。以前から田中家をご存知の日塔先生も、事前に聞いていたリフォームの話と、リフォーム後の様子がずいぶん違っていて、ほぼ元のままだったので驚かれたそうです。
撮影は和やかなムードの中、無事終了。旧家撮影を数多くこなすスタッフの、家や建具を大切に扱う姿も印象的でした。

昔ながらの上げ戸。いまでも毎日使われているそうです。

撮影中の様子。床はあたたかい床暖房。

ツタが這うシックな「いちかわ西洋館倶楽部」
今回の番組タイトルは、「神輿と塩の町家ロマン~宮大工の心が繋ぐ 千葉・市川~」。この他にも市川の名家を訪ねています。
まず番組冒頭では、昭和4年に建てられた「旧浅子神輿店」を訪問。500年以上にわたって神輿や神仏具の製作を家業にしてきた同店は、瓦や屋根、室内の天井や建具の装飾に、神輿屋ならではのこだわりが感じられます。
次に向かったのは、明治時代末から大正初期に建てられた国の登録有形文化財「加藤家住宅」。お庭は回遊式庭園となっており、当時流行した溶岩を多用したつくりが印象的でした。
その後、冒頭でご紹介した田中家を撮影。その後に訪れたのは、昭和2年に建てられた国の登録有形文化財「いちかわ西洋館倶楽部」。昭和初期には皇族の方が宿舎としてお使いになられたという洋館の現当主は、建物を維持するために、1995年に隣にイベントホールを新設。現在では、コンサートや美術展示など、年間50回以上のイベントを開催しているそうです。
歴史ある市川の名家を訪ねるこの旅の模様は、BS朝日で2014年3月23日に放送されました。
再放送が決まりましたら、また当メールマガジンでご案内いたします。
2014年6月に、奈良県五條市の登録有形文化財「藤岡家住宅」にて、百年のいえ倶楽部会員の皆様の交流会を実施いたします。
藤岡家住宅は、俳人・藤岡玉骨の生家。江戸時代から続いた庄屋で、1832年に建てられた母屋を中心とした10棟が、約1,660平方メートルの敷地に残っています。長年空き家状態だったものを現在の当主が修復し、2008年から一般公開されています。
壁や梁、壁などの造りはとても見事なもので、藤岡家の繁栄がうかがえます。特に、控えの間、貴賓の間、茶室は、洗練されたデザインの桟や欄間、建具などが美しく、日本の伝統的な意匠とわびさびを今に伝える、貴重な資料です。
交流会の当日は、藤岡家住宅の歴史や意匠にふれながら、百年のいえ倶楽部の会員の皆様でご昼食を囲み、交流をお楽しみいただきます。
詳しい日程や内容については、百年のいえ倶楽部の会員の皆様に、ご案内状をお送りいたします。
お申し込みをお待ちいたします。

登録有形文化財「藤岡家住宅」
奈良県五條市近内町526

樹齢250年の「長兵衛梅」。藤岡玉骨の「玉骨」は、
梅と「太平記」に由来。

無駄のない美しい和の空間。日本人の美意識に圧倒されます。

施設内には喫茶室や旧家リフォームを紹介する常設展示室も開設。


国内有数の家具メーカー厳選の逸品を展示し、さまざまなスタイルの素敵なインテリアを特別価格にてご提供するインテリアフェアを全国各地で開催します。
旧家のたたずまいにふさわしい、重厚感や趣のある家具を見つけるチャンスです。
住友林業グループのお客様だけが参加いただける完全予約制の特別なイベントです。
ぜひ、ご予約のうえ、ご来場ください。
【横浜】
- 日程 :
- 2014年6月21日(土)、22日(日)
- 会場 :
- パシフィコ横浜
【仙台】
- 日程 :
- 2014年6月28日(土)、29日(日)
- 会場 :
- サンフェスタ(仙台卸商センター)
【福岡】
- 日程 :
- 2014年7月5日(土)、6日(日)
- 会場 :
- 福岡国際会議場
【大阪】
- 日程 :
- 2014年7月5日(土)、6日(日)
- 会場 :
- OMM(大阪マーチャンダイズ・マート)
【福島】
- 日程 :
- 2014年7月5日(土)、6日(日)
- 会場 :
- ビックパレットふくしま
【岡山】
- 日程 :
- 2014年7月12日(土)、13日(日)
- 会場 :
- コンベックス岡山
【群馬】
- 日程 :
- 2014年7月12日(土)、13日(日)
- 会場 :
- グリーンドーム前橋
【広島】
- 日程 :
- 2014年7月19日(土)、20日(日)
- 会場 :
- 広島産業会館
【名古屋】
- 日程 :
- 2014年7月19日(土)、20日(日)
- 会場 :
- 吹上ホール(名古屋市中小企業振興会館)
【宇都宮】
- 日程 :
- 2014年7月19日(土)、20日(日)
- 会場 :
- マロニエプラザ

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