従来、家の隅に設置されることが多かった階段、今ではインテリアとして注目されています。リビングに設置されることが増え、家族のコミュニケーションのきっかけになるなど、見た目も役割も時代とともに変わってきているのです。
ただし、階段の位置変更する場合、建築基準法の準拠の必要性や広範な改修規模や工事内容になるため、住宅のプロに相談しましょう。最近のトレンドも含めて、階段リフォームについてご紹介します。
階段リフォームの目的
階段は毎日家族が行き来する部位だからこそ、リフォームにあたっては利便性や安全性、快適性を考慮したあり方を検討してください。
安全面の向上
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安全な階段にリフォームするポイントは6つ!
- 勾配を緩やかにする
- 幅を広く取る
- 滑りにくい加工や素材を選ぶ
- 手摺りを設置する
- 足元部分に間接照明を設置する
- 採光窓を設ける
利便性・快適性の向上
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利便性・快適性をアップする方法
- 階段横の書棚など「見せる収納」を設置
- 階段下の空間を収納やワークスペースなどに有効活用
- スケルトン階段にして、デザイン性豊かなインテリアの一部に
- 木など部材や種類にこだわり、建物のデザインにマッチしたものに変更
- 昇降時の足音を緩和する音の吸収性を高めるマットなどを貼り付ける
階段リフォームのトレンド
階段リフォームは、ライフスタイルの変化や階段自体の老朽化に合わせて行われることが多いのですが、例えばリビング内に設置してインテリアとして見せる階段にする、踊り場を広く設けて読書スペースを設置するなど、住まいのイメージを一新させるリフォームも人気です。
階段のスタイルはさまざまです。床や壁、内装と素材を合わせることで、明るさや暖かさ、広さを感じられますし、視認性の向上にも貢献します。
見せる階段スタイリッシュなスケルトン階段が人気
家族との距離感を程よく保つためにリビングに階段を設置する事例が増えています。その際、スケルトンタイプの階段を採用するケースが多く、その理由として開放感があり、見た目がスタイリッシュ、さらに壁がないところにも設置できる点などが挙げられます。


デッドスペースの有効活用階段下に収納などを設置
階段下に収納を設けたり、最近ではワーキングスペースとしてアレンジするなど、とかく昔の家屋ではデッドスペースになりがちな階段下のスペースを、リフォームで有効活用できます。さらに、階段下の床位置を下げることで、より大きな収納スペースを確保する工事も当社であれば可能です。


新たな居住空間階段にくつろぎ空間を創出
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階段を新たにつくることで、中2階などのそれまでになかった新たな居住スペースを設けることができます。そのほかにも階段横の壁一面を書棚にしたり、子どもが遊べる踊り場スペースをつくったり、階段から始めるリフォームを検討してはいかがでしょうか。
階段リフォームのポイント
注意点事前に知っておきたい階段の法定基準
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階段には建築基準法で決められた基準があります。この基準を遵守したうえでリフォームしなければいけません。そこで、階段の勾配を変えたい、サイズを変えたいと思われている場合は、事前に階段各部の名前と基準のサイズを知っておくと便利です。
一般的には「蹴上げ18~20cm」「踏み面20~22cm」が昇り降りしやすい階段といわれています。不明点は当社に確認してください。
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建築基準法での基準
- 階段横幅 75cm以上
- 蹴上げ(けあげ:一段の高さのこと)23cm以下
- 踏み面(ふみづら:一段の奥行き) 15cm以上
ヒント階段リフォームを考えるタイミング
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階段のリフォームは、複数階を施工するリフォームになるため、大規模かつ予算の大きなリフォームとなります。そのため、すべり止め用の床材などを貼り付けるといった階段の構造に手を加えない小規模な工事を除き、手摺りの取り付けだけでも、壁面内の構造によっては耐久性を検討し、補強のために板材や壁材を入れる必要が出てきます。
そのため、階段リフォームは、大規模リフォームとともに考えるのが効率的です。
二世帯住宅への改築、バリアフリー化、間取り変更を伴うリフォームを計画するタイミングに合わせて階段のリフォームもご検討ください。
ヒント最適な階段リフォームを実現するために
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階段リフォームで注意する点には次のようなポイントがあります。
- 建築基準法をクリアしているか
- 暖かさが確保され、昇降時に不満はないか
- 明るさが確保され、昇降時に不便はないか
- 転倒防止の対策は講じられているか
また、家族の年齢や身体の状態を考慮して蹴上げや踏み面のサイズを決定することも大切な検討事項です。設置位置、形状やサイズの決定には普段の生活動線と照らし合わせることが重要です。
なお、バリアフリーに伴う階段のリフォームには、税金の控除や補助金・助成金が使えることがあります。
詳しくはリフォームのプロである、リフォームエンジニアがご提案させていただきます。
住友林業のリフォームなら階段と床や壁との調和を考えたご提案
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豊富な素材や部材を選べる住友林業のリフォームであれば、階段と床や壁、内装とのバランスを考え、シートフロア用、突き板フロア用など床材にもマッチした最適なリフォームをご提案できます。明るく広く見せる演出や騒音を抑えるなど、ご要望に合わせてライフスタイルを快適に変える、最適な床材をご紹介します。
住友林業のリフォームなら間取り変更からトータルにご提案
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住友林業のリフォームであれば、住まいの一部だけ、例えば階段の床材だけのリフォームはもちろん、階段の位置変更といった建物タイプや間取り、構造の変更を伴う大規模なリフォームまで、幅広くお受けできます。
まずは普段のライフスタイルとご希望を丁寧にヒアリングさせていただき、個々の部屋や階だけでなく、住まいをひとつの空間として安全・最適に変えるリフォームをご提案します。お気軽にお声がけください。
階段リフォームで利用できる減税・補助金制度
階段リフォームでバリアフリー化する場合、減税制度や補助金を活用できる場合があります。適用できる制度についてはお気軽にお問い合わせください。
バリアフリーリフォームの減税制度
所得税の控除① 投資型減税 現金またはローンを利用する場合 |
最大控除額 20万円 |
控除対象となる工事費限度額:200万円(控除率:10%) 期間:2021年12月31日まで(予定) |
所得税の控除② ローン型減税 返済期間5年以上のローンを利用する場合 |
最大控除額 62.5万円 |
控除対象となる工事費限度額:バリアフリー工事:250万円(控除率2%)、バリアフリー以外の工事:750万円(控除率1%) 期間:2021年12月31日まで(予定) |
固定資産税の控除 | 最大控除額 家屋の 固定資産税額の1/3 |
限度:100㎡相当分まで 期間:2022年3月31日まで(予定) |
※それぞれに要件・条件があります。
バリアフリーリフォームの補助金制度
介護保険制度の補助金 | 介護保険の適用を受けている方がいる場合、手すりの設置や段差の解消などの工事費について最高20万円を限度に、費用の9割(支給額18万円)までを支給。 |
各自治体の補助金 | 自治体によっては、介護保険制度の上限額を超える工事や、介護保険の対象外の工事についての補助金制度があります。 |
※それぞれに要件・条件があります。
上記の他に、他の部位のリフォームと組み合わせることで、省エネリフォームの減税制度や補助金制度などを利用できる場合があります。適用できる制度については、お気軽にご相談ください。
階段リフォームした方の感想
実際に階段リフォームをご依頼いただいた方から、こんな声をいただいています。
リフォームのきっかけ
老朽化に伴って住まいの各所に痛みが目立つようになり、大規模リフォームを決意。
「階段下に空間があったが壁で塞いでおり、存在に気づいていなかった。リフォームでその空間を活用し、愛犬の居場所や空気清浄器、ワインセラーの置き場所ができたので、家が広く使えるようになった。また、階段をアールのあるタイプに変更したことで、もともとリビングだった階段下に、ダイニングを設置することができ、リビングダイニングとして広く使えるようになった」
リフォームのきっかけ
高齢の母のために、住まい全体のリフォームに合わせてバリアフリー化を実施。
「高齢の母は脚が悪く、ホームエレベーターを設置するのに合わせて、階段も緩やかなものに架け替えた。とても昇降しやすくなった」
リフォームのきっかけ
賃貸マンションから実家に引っ越し、両親と同居。そのタイミングで、実家を二世帯住宅にリフォーム。
「階段をリビングに架け替えました。以前の位置では、子どもが玄関からすぐに階段を上がって自室に行ってしまい、誰が帰ってきたかわからない。リビングに階段を設けることで、帰ってきたらみんなが『ただいま』ってリビングに入れるように変わりました」
階段リフォーム事例
リフォームで、階段が家族がくつろげる場所に
ロフトへの固定階段は、既存鉄骨梁を避けながら施工。限られたスペースを活かしながら、安全性はもちろん、昇り降りのしやすさを実現しています。階段の壁には本棚を、下部には猫ちゃん用のスペースも設けました。階段がリビングの一部のため、お嬢様が階段に座って本を読んだり、ウクレレを弾いたりとくつろぐための場所にもなっています。


階段の見せる化で、広い居住空間を創出
階段横の壁を取り払い、階段をリビングの中に入れることで、広い空間を確保。階段の昇り口に元の床柱を再利用することで、以前の面影を残しています。
