木質感あふれる無垢床の室内空間を提案するマンションリフォーム技術
天井高の確保と遮音性能を両立するオリジナル「超低床ソリッド S 工法」を開発
2014年3月24日
住友林業ホームテック株式会社
住友林業株式会社(社長:市川 晃 本社:東京都千代田区 以下、住友林業)のリフォーム専門会社である住友林業ホームテック株式会社(社長:髙桐 邦彦 本社:東京都千代田区住友林業(株)100%出資、以下、住友林業ホームテック)は、淡路技建株式会社(社長:梯 輝大 本社:茨城県牛久市、以下、淡路技建、住友林業筑波研究所、住友林業クレスト株式会社(社長:吉岡 義寛 本社:愛知県名古屋市)の各社との共同開発により、マンションリフォームにおいて無垢床を使用する可能性を広げる乾式遮音二重床工法*「超低床ソリッド S工法」(特許申請中)を新たに開発しましたので、お知らせいたします。
各社の役割分担としては、住友林業ホームテックが企画及び現場情報の提供、方針策定、淡路技建が部材開発、遮音性能検証、住友林業筑波研究所が工法の立案、各種性能試験、遮音性能検証等、住友林業クレストが無垢フロアのノウハウ提供等を担当いたしました。
本工法により、床仕上げの高さを低くおさえることで天井高を確保しつつ、さらに独自技術により遮音性能の向上を図り、マンションリフォームにおいても木質感あふれる無垢床の室内空間をつくることが可能となります。
*「乾式遮音二重床工法」
「乾式遮音二重床工法」とは、マンションの上階から発せられる床衝撃音を低減する効果を期待して作られた床構造で、コンクリート床スラブの上に、高さ調節が可能な防振アジャスター(防振支持脚)及び専用の遮音対策用システム根太(際根太)により床パネルを支持する床下地構造です。この床下地で床衝撃音の低減性能を持つことや、床下に空間ができることで配管・配線の自由度が高まること、バリアフリーにも対応しやすい等の理由により、集合住宅を中心に 1990 年頃から普及しています。
■「超低床ソリッド S 工法」開発の背景
住友林業ホームテックでは、住友林業グループが調達・製造する高品質な建材を使用し、「マンションの中にも木の家を」®をテーマに、マンションリフォームにおいても木の良さを最大限に活かす「ぬくもりある空間」提案に注力しています。また、昨今、リフォームを検討されるお客様の無垢床へのニーズの増加を背景に、無垢床リフォームの提案手法として、本工法を開発しました。
マンションでは床の遮音性能が求められるため、無垢床を採用する場合、住友林業ホームテックでは、床スラブの上に防振アジャスターを置き、床パネルを支えることで衝撃を緩和させる乾式遮音二重床工法を従来から採用してまいりましたが、課題もあったことから無垢床リフォームの可能性を広げる工法開発に取り組んでまいりました。
課題として検討してきた点は、従来の乾式遮音二重床工法は一定の床高さ(目安90mm~120mm 程度)が必要になるため、既存の床が直貼り工法のマンションでは、床が高くなる分、天井高が低くなること、またドアやバルコニー出入り口等各所の納まりが難しくなるという点、床仕上がりの高さを低く試みると「乾式遮音二重床工法」であっても遮音性の低下がみられる点等です。
■「超低床ソリッド S 工法」特長
「超低床ソリッド S 工法」は、「直貼り工法」*により床施工されているマンションにおいて、リフォーム時 に無垢床の室内空間を提案するために開発した工法で、床仕上げ高を極限まで低くすること(75 ㎜)で、天井高を確保し、広々とした室内空間とすることが可能となるとともに、推定L等級LL45(ΔLL(Ⅱ)-3)相当となります。
この推定L等級LL45 とは、一般的にマンション管理規約で規定される遮音性能です。
*「直貼り工法」
「直貼り工法」とは、裏面に遮音性能のある特殊な緩衝材のついたフローリングをコンクリート床スラブの上に直接施工する方法です。緩衝材がつかない無垢床は遮音性能が確保できないことからこの工法では施工できないため、リフォーム時には「乾式遮音二重床工法」への切り替えが必要となります。
① | 「浮床フェルト」敷設により遮音性能の向上をはかる。 厚さ 4 ㎜の「浮床フェルト」をコンクリートスラブの上に敷設することで、遮音性能の向上をはかり、遮音性能は、従来の乾式遮音二重床工法の床高さH=120 ㎜の施工時と同じ推定L等級LL45 相当(ΔLL(Ⅱ)-3)となる。 *推定L等級とは、JIS(日本工業規格)にもとづく方法により、実験室で測定したデータから実際の現場での遮音性能を推定したもの。上階の床で生じる音が下の階でどの程度に聞こえるかという基準として決められている遮音等級をL値または L 等級といい、音の伝わりにくさを表す。この L 値は数字が小さいほど、遮音性能がよいことを示す。 |
② | 床仕上げ高を低くおさえることで、天井高を確保することが可能。 |
③ | 床面の適度な硬さから、歩行感がよく疲れにくい。 床面の硬さを示す数値(かたさ物理量 0.65~0.77)は、日本建築学会が推奨値案として提案する 0.2 以上 1.3以下の範囲に入っていることから、「歩行時に感じる硬さが適値である」といえ、「歩行感が良く疲れにくい」と判断をしています。 |
④ | 転倒時の危険度が低い。 日本工業規格(JIS規格)で規定されている測定方法(人間の頭部をモデル化した装置(ヘッドモデル)を落下させ、床に衝突したときの加速度を衝撃度(G)として測定する方法)において、53.7-63.6Gを測定。この数字は、たとえば転倒衝突が避けられない柔道場の床の評価指標として規定されている 65G を下回っていることから、床材の衝撃吸収性が高く、転倒時の危険度低減につながり「安全性が高い」と判断しています。 |
<乾式遮音二重床工法(従来型)と超低床ソリッド S 工法の違い>
■乾式遮音二重床工法(従来型) | ■超低床ソリッド S 工法 |
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乾式遮音二重床工法(超低床ソリッド S工法) 特許申請中
以上
<本件に関するお問い合せは、下記にお願いいたします。>
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 大西・佐藤
TEL:03-3214-2270
<お客様お問合せ先>
住友林業ホームテック株式会社 営業推進部
TEL:03-5217-5113