リフォームスケジュール、打ち合わせから完成までの期間は?

公開日: 更新日:

快適な住まいを手に入れるためのリフォームですが、どの程度スケジュールが必要なのかをイメージすることは難しいものです。「打ち合わせから工事までの期間」「工事期間」を把握することで、ゆとりを持ったリフォームが可能です。

本記事では、リフォームの基本スケジュールと気をつけるべきポイントを紹介します。

リフォーム全体の流れを確認しましょう

住友林業のリフォーム「戸建リフォームの流れ」を参照し、筆者作図

リフォームの期間は規模やリフォーム箇所によって大きく異なります。便座交換をはじめとする設備の交換は、1日で終了することもありますし、家全体の工事となると3カ月以上かかることもあるでしょう。とはいえ、基本的には同じような流れになるはずです。

ステップ1 計画・会社選び

まずは現在の住宅が抱える問題を洗い出し、どのようなリフォームをしたいのか、家族でまとめていきましょう。使いづらさ(収納の少なさ、動線の悪さなど)、間取りや設備変更の有無、将来的な家族設計、予算などをあらかじめ決めることで、リフォーム会社への要望が明確になります。
大規模なリフォームの場合、現在の荷物を一度トランクルームに預けたり、仮住まいに住んだりする必要があります。リフォーム工事費用とは別途お金がかかることを想定しておくとよいでしょう。また、国や地方自治体のウェブサイトには、リフォーム減税や補助金に関する情報が掲載されています。当てはまるかどうか調べておきましょう。
希望のリフォーム内容がある程度固まったら、いくつかのリフォーム会社に連絡をします。会社によって得意分野は異なります。これまでのリフォーム履歴や、完了希望時期、雨漏り等の不具合も正確に伝えましょう。理想のお部屋の写真や、入れたい設備が決まっている場合は、写真や資料を元に説明すると分かりやすくなります。

ステップ2 見積もり比較・プランニング

見積もりは現地調査のうえ、作成してもらうのが一般的です。現地調査では、水道・電気などのライフラインや通信環境、リフォーム後も使い続けたい設えがあれば伝えておきましょう。
可能であれば、2〜3社から見積もりをとることをお勧めします。プロといえども見積もりに抜けがあることもあります。片方の見積もりに記載があるのに、もう片方に記載がないといった点を二重チェックができるとともに、会社ごとの単価を確認できます。
相見積もりは、より安く施工してくれる会社を見極めるだけではなく、希望のリフォームを実現してくれるかどうかを見るためにも大切です。「○○工事一式」で済まされる見積書を見かけることがありますが、具体的な内容についてきちんと説明してもらいましょう。各項目についてていねいに説明してくれる工務店は信頼できるはずです。
見積もりに納得ができたら契約を行い、詳細な打ち合わせを行います。当初の見積もり内容から変更がある場合、変更点は必ず文書にして、担当者と共有しておきましょう。よくあるのが、水まわりのグレード変更や壁紙の型番変更に関わる発注ミスです。スケジュールにも影響してくるため注意しましょう。

ステップ3 工事〜完成・引き渡し

工事が始まったら、「解体を終えたとき」「スケジュールの中盤」といった節目で立ち会い、現状を確認します。契約したプランと間違いがないか、納品されている設備は合っているか、スケジュール通りに進んでいるかなどを確認しましょう。
完了検査終了後、引き渡しとなります。新しい設備の説明書や保証書などを受け取り、説明を受けます。荷物を移動していた場合は再度搬入すれば、新しい住まいでの暮らしを始められます。
会社にもよりますが、定期的にアフターメンテナンスを行われることが多いでしょう。1年点検や2年点検などスパンはさまざまですが、長く使い続けるためにぜひ日程を設けることをおすすめします。工務店から提案がない場合は、こちらからお願いすることも可能です。

リフォームスケジュールを立てる際のポイント

続いて、スケジュールを立てる時の"落とし穴"についてポイントを説明します。スケジュールの思わぬ遅れが生じやすい部分を理解していれば、あらかじめ備えておくことができるかもしれません。

プラン決め

もっとも時間がかかるのが「プラン決め」と聞くと、驚くのではないでしょうか。家族全員の意見をまとめることはもちろん、どんなインテリアが好きか、どういう間取りにしたら課題が解決されるのかなど考えることが多いことが、その理由です。困った時は、実現したい内容をすべて書き出し、優先順に番号を振ってみましょう。それをもとにプラン決めや予算調整をすれば、リフォームの目的を見失いません。たとえば、(1)リラックスできる家 (2)断熱効果アップ (3)収納力向上......と優先順位をつけると、断熱工事>収納スペース増設となり、リフォームの内容が明確になるでしょう。
リフォーム会社からもいろいろな提案がありますが、最終的に判断するのは施主である自分自身です。あらかじめ書き出しておくことをおすすめします。

リフォームより新築のほうが、手間がかかることも

リフォーム工事は、既存の建物に傷をつけないよう気を遣いながらの作業となります。新築時であれば、木材や工具の置き場も確保でき、現場主導で工事を進めることができますが、リフォームではそうもいきません。資材置き場が確保できなければ、細切れの工事を行うことになるため、時間がかかります。また、ゼロから組み立てるより、一度解体し、片付けをしたあとに施工し直すほうが時間のかかることもあります。「リフォームだからあっという間に終わる」と油断していると、思わぬスケジュール超過に遭遇する場合があることを覚えておきましょう。

工事にかかる期間の目安を把握

リフォーム工事期間は規模や設備内容により異なります。トイレやユニットバスの交換、その他設備の取り付けなどは2日〜1週間程度で終わることが多いようですが、在来工法で浴室を改修したり、キッチンをオリジナルで制作したりするとなると、数カ月かかることもあるでしょう。
なお、間取り変更や外壁改修などの大規模な工事の場合は1〜6カ月程度見込んでおいたほうが良いでしょう。夏休み期間中にどうしても終わらせたいといった要望がある場合は、何回かに分けてリフォームを行ってくれる業者さんもあるようです。まずは相談してみましょう。

リフォーム終了後にもやることがある

大規模なリフォーム工事の場合、完了検査のあとに清掃、荷物の移動などがあります。引っ越しとまではいきませんが、通常の生活を整える時間が必要になることを忘れないようにしましょう。イベントや大切な用事を前後に入れておくと、スケジュールが遅れた場合に融通がきかなくなります。予定を詰め込みすぎないようにしましょう。

マンションリフォームを計画通りに進めるための注意点

スケジュール通りにリフォームを進めるには、周囲への配慮が欠かせません。特にマンションリフォームの場合は、他の住人が使う共用部を職人さんが出入りするため、事前の周知が不可欠です。 ここでは、最低限しておくべき事前準備をまとめました。万が一、工事中にトラブルが起きると、その後の住環境に影響が出てくることも考えられます。職人さんに気持ちよく仕事をしていただくためにも、ご自身のコミュニティのルールを再度確認しましょう。

管理組合への届出

マンションごとに管理組合の定めるルールは異なりますが、リフォームを開始する日の何週間〜何カ月か前に書面で報告し承認を得る、という流れが一般的です。管理人常駐の場合は直接提出できますが、特にいない場合は郵送やメールなどで提出を行います。
この提出が期限までになされないと、工事車両を止められない、資材の搬入が行えないという事態となり、スケジュールが最初からずれることになります。職人さんも他の仕事を調整して施工に来ているので、このようなことがないように気をつけましょう。

工事可能箇所の確認

スケジュールと合わせて、室内のどこを改修するのか図面や仕様書の提出が必要な場合があります。また、マンションによっては遮音や遮熱効果を保つため、床材の等級が定められていたり、玄関扉の交換ができなかったりします。「せっかく計画したプランが実現できない」なんてことがないよう、詳細の打ち合わせが始まる前に管理規約を確認しておきましょう。
「専有部なので他の住人にバレることはない」と思う人もいるかもしれませんが、火災や地震などの災害に巻き込まれた場合、規約違反の内装であったとわかれば、罰せられるリスクがあります。

工事可能日程の確認

マンションの場合、毎月の定期清掃や点検があり、頻繁に共用部を業者が出入りします。リフォーム期間中は、資材搬入や機材の一時置きがじゃまになることがあるでしょう。工事スケジュールが出たら、改めて管理組合に提出しましょう。
工事の日程調整が必要な場合は、施主が間に立ってやりとりをすることになります。マンションにもよりますが、共用部に工事を行っている部屋の工事スケジュールを貼り出せるところもあります。ほかの住人の方が工事をしていることを理解できるため、おすすめです。

近所へのあいさつまわり

これはマンションに限らずですが、工事が始まる前に近所へのあいさつまわりを済ませておきましょう。リフォーム会社が行うため不要、と言われることもありますが、各コミュニティの慣習にしたがいましょう。数カ月単位の工事になると、音や交通の点で必ず迷惑をかけるはずです。
このとき、想定される工事内容と期間は事前に伝えておくと親切です。また、騒音や粉塵に敏感なご近所さんがいる場合は、事前に現場監督に伝えておくことでスムーズな対応につながることもあります。

ゆとりある計画で安心のリフォームを

理想のリフォームで新しい住まいを手に入れるには、入念な事前準備とゆとりあるスケジュールが欠かせません。まずは現在の住まいに対する課題点を洗い出し、リストアップしていきましょう。リフォームでどんな暮らしを手に入れたいのか、具体的にイメージすることが一番大切です。
トラブルが起きた時も、スケジュールにゆとりがあれば取り返すことができます。納得のいくリフォームを、ぜひ実現してください。