外観は「住まいの顔」 おしゃれなエクステリアにリフォームしよう

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見上げないと見えない建物より、ふと視線を向けると目に映る植栽や門まわりの印象をよく覚えている場合があります。「あの家の花壇で季節を感じる」「あの家の門から玄関までのアプローチが素敵」のように、エクステリアは住まいの印象を大きく左右する存在です。
こうした見た目も重要ですが、屋外空間には限られた広さの中にも多くの機能があり、住まい手や街の人にとって安全に関わる場でもあります。
見た目、収容量、安全性、実用性など、エクステリアをリフォームすることで暮らしは大きく変わります。

暮らしを便利にするエクステリアリフォーム

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「エクステリアリフォームで便利になるの?」と、不思議に思われるかもしれませんが、実は私たちの暮らしを便利に快適にしてくれるアイテムが多くあります。
たとえば、門まわりです。「ドアホン」はいまや、多くの機能をもつアイテムのひとつです。モニター付きのインターホンが広く普及し、来訪者の顔を確認できるようになったことは多くの方がご存知でしょう。近年では留守中の来訪者を録画できる機能や、外出先でもスマートフォンに映像と音声が届き来訪者に対応できるものもあります。来訪者と通話するための子機も複数設置でき、2階や庭などこれまではインターホンの呼び鈴が聞こえなかったような場所でも対応することができるようになりました。
また、屋内機から玄関ドアや門扉などの電気錠を解錠することができる機能もあります。門扉を電気錠にすることで防犯性をより高めることができるようになりました。玄関ドアを自動解錠すれば、玄関先まで出向かずに来訪者を迎え入れることができますので、足腰が弱く移動に不便がある人には心強く安心の機能でもあります。

外構のアイテムで私たちの生活にもっとも大きな変化をもたらしたのは、「宅配ボックス」かもしれません。不在時でも安全に荷物を受け取ることができる宅配ボックスは、受け取り手の負担とともに配送業者の負担軽減にも大きく貢献しています。配送業者の方と何度もすれ違いになってしまったときの申し訳なさを解消できる点は嬉しいところです。

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日光浴を目的に登場した「サンルーム」新たに設けることも、おすすめのリフォームのひとつです。大きなガラス面を多数持つこの部屋は、現在は住宅に後付けできる商品が多くのエクステリアメーカーから発売されています。
サンルームは、そもそもの目的である日光浴を楽しめるほかに、洗濯物を干すのに優れた場所であることも注目されています。屋内なので花粉やPM2.5、雨天や強風、泥はねなどの心配がありません。工事のほとんどが屋外作業なので、普段の生活に支障が出ないことも魅力です。

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景色が変わるエクステリアリフォーム

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エクステリアは毎日眺める景色を形作っています。住まい手が部屋から眺めることはもちろん、街の風景も作り出しています。大きな面積をリフォームすると、住まいの印象は大きく変わります。

たとえば、駐車場は使い勝手の都合上、必ず住まいの正面に設置されています。車一台分でも大きな面積を占めているため、住まいの印象に大きな影響を及ぼします。
この駐車場ですが、コンクリート敷や砂利敷の場合、芝で緑化するのもおすすめです。無機質なコンクリートが緑に変わって明るい印象になるだけでなく、夏場の強烈な日射による表面や周囲の温度の上昇を抑えることもできます。その効果はとても大きく、日なたのアスファルト面等と比べて、緑化した面の温度は10℃以上低いことが確認されています。(※1)

緑化によって表面温度の上昇を抑えるモデル 筆者作成

ただし、芝を敷くだけでは車の重みに耐えられず芝が傷んでしまいますので、タイヤが乗る部分だけコンクリートや枕木を敷いたり、駐車場用の支持材を設けたりしましょう。

小さな部分からコツコツと景色を変えることも効果的です。せっかく庭のお手入れを熱心にしたり、エクステリアにこだわったりしても、ちょっとしたところに生活感が出てしまい景観が思うようにならないことあるでしょう。
屋外に必ず置かれていて生活感の出やすいものといえば、室外機やガスメーター、物置などが挙げられます。室外機やガスメーターは、その機能を妨げることなくシンプルな箱や囲いで覆うことができる商品が出始めています。物置もシンプルなものからカントリー風まで、さまざまなデザインがあり、単なる機能から見栄えも良く選ぶのが楽しくなる存在へと変わってきました。
室外機やガスメーターは小さいわりに、景観の印象に大きな影響を与えます。逆に言うと、小さいところでもコツコツとていねいに整えていけば、景観はぐっと印象が変わるのです。手をつけやすい場所から少しずつ理想の風景に近づけていくのも良いのかもしれません。

安全に暮らすためのリフォーム

建築当初は問題なく使うことができていた物や場所でも、子どもの誕生や、ご自身の高齢化、または高齢になった両親との同居を機に、安全に気を配る必要が出てきます。
たとえば屋外のちょっとした段差。どんなに平坦な場所にある住宅でも、雨や土などの侵入防止を理由に、道路面からある程度高い場所に建てられています。そのため、玄関先にたどり着くまでに数段の段差が設けられます。こうした段差をスロープに変えることも、安全のためのリフォームのひとつです。

門扉や玄関ドアを開き戸から引戸に交換することも、同様です。開き戸は自分の側に引いて開ける時には後ろに下がる必要があります。足元がおぼつかない場合には、こうした移動が不安になることでしょう。その点、引戸はその場に居ながら開閉ができるので、不安や負担は少なくなります。

エクステリアは建物の外にあるものです。敷地の中に収まっているものもあれば、塀や生垣など道路や隣地に接しているものもあります。こうしたものは、住まい手の安全に関わることはもちろんですが、街の人々の安全や安心にも責任が出てきます。

そのひとつであるブロック塀は、多くの住宅で古くから設置されている身近な存在ですが、残念なことに大きな地震が起きるたびに倒れる事故が発生しています。
建築基準法では、昭和25年(1950年)の施行当初からブロック塀に関する規定が定められていますが、相次ぐ大きな地震を教訓に、高さや基礎の深さといった基準の厳格化が法改正により求められています。当時の基準にしたがって設置されている塀は、すぐの建て直しや取壊しの必要はないものの、建て替えや増改築を行う際には現在の基準に適合させる必要があります。建て替えを行わなくても、現在の安全基準がどの程度なのかを知っておくことは、家族や街の安全にとって大切なことです。

まとめ

エクステリアをリフォームすると、暮らしが便利に変わったり屋外空間をより身近に感じられたりと、生活に変化が出てきます。防犯面や安全面など安心につながる効果も多くあるでしょう。
屋外空間から住まいを見直し、愛する我が家をますます居心地の良い場所にしてみてはいかがでしょうか。