リフォームに「ユニバーサルデザイン」を取り入れよう!安全・快適な住まいづくりのポイントとは

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ユニバーサルデザインは、施設や住宅だけでなく、日用品などさまざまな分野で取り入れられているものです。
小さな子どもや高齢者などの体格や体力の差、また国籍や言語などの違い、そして男女やLGBTQAといったセクシャルの違いや認知など、日常ではさまざまな人に、さまざまな不便や障害が発生しています。こうした不便や障害を取り除くことがユニバーサルデザインの基本です。家庭に小さなお子さんがいたり、親世帯との同居などをきっかけにリフォームされたりする場合は、住宅の安全性や使いやすさを、より重視したいと考えるのは自然なことでしょう。
住友林業ホームテックのアンケートでも、リフォームのきっかけでもっとも多かった理由として「住みづらさ・使い勝手を改善したい」が挙がっています。ユニバーサルデザインを取り入れれば、家族みんなが使いやすい住宅を実現することができるでしょう。
今回は、ユニバーサルデザインのリフォームについてご紹介します。

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインでは、すべての製品は以下の基準に沿ってつくられることが原則となっています。

1.誰にでも公平に利用できること

2.使う上で自由度が高いこと

3.使い方が簡単ですぐわかること

4.必要な情報がすぐに理解できること

5.うっかりミスや危険につながらないデザインであること

6.無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること

7.アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること

これは「ユニバーサルデザイン7原則」(※)と言われているもので、「誰にでも安全に利用することが可能なデザイン」を中心にとらえています。また、「安全」とは、ケガにつながるような危険の除去だけでなく、経済、体力、文化、性別、環境などによる差別が発生しないことも含まれています。

住宅のユニバーサルデザイン化のポイント

住宅のユニバーサルデザイン化では、バリアフリー設備の導入が基本です。バリアフリーは、危険を除去するために作られたデザインであるため、一般的な設備よりも幅広い人に対応できる設備です。車いすの通行もスムーズに行える、850mm~1,000mmの有効開口幅を常に考慮して設計されてします。
ここでは、住宅の機能ごとに解説します。

トイレ

(引用)おすすめリフォーム設備 トイレ小物・手洗いカウンター 住友林業のリフォーム

トイレは幅広い人に対応できる「洋式便器」とし、「手すり」も必要です。ただし、手すりを設置した分だけ身体を動かせるスペースが狭くなってしまうため、トイレでの動作に支障がなく、からだもぶつかることのない広さの確保が大切です。
なお、「二連のペーパーホルダー」は、ペーパーの補充の頻度を減らしてくれるだけでなく、使いやすさにも大きく役立ってくれるものです。身体に不自由がある場合や身体の大きさによって、使いやすいペーパーの位置には個人差があります。わずかな距離の違いが、使いやすさや自由度を高めてくれるでしょう。また、天板付きのペーパーホルダーは、手をついて立ち上がりを補助するものとしても使用できます。重さに耐えられるよう、手すりと同様に下地補強をしておきましょう。
加えて、夜間のトイレ利用の際、経路上の安全が確保されるようフットライトなどの設置を行うと、安全性がより高まります。センサー付きの照明にすれば、スイッチを押す手間を省くだけでなく、消し忘れ防止にも役立ってくれるためおすすめです。

浴室

浴室は安全性や断熱性の高さから、「ユニットバス」への取り換えが基本です。タイル式の浴室は、滑りやすく冷えやすい素材であることや、万が一の転倒で致命的なケガにつながる危険性が高く、介助者や小さなお子さんの安全にも影響します。ユニットバスでは、手すりの設置や段差のないフラット床にすることもできるため、浴室での多くの問題点をまとめて解決できるでしょう。
また、「浴室暖房」も大切です。家庭内の高齢者の事故では「溺水」が非常に多く、この原因が「ヒートショック」と言われています。これは冬場に暖かい部屋から冷えた浴室へ移動することで、からだが寒暖差に対応できず心臓発作を引き起こしてしまうものです。身体の機能が衰えている高齢者に多く起こりやすいものですが、若い世代にもヒートショックの危険性は潜んでいます。ヒートショックを防ぐためには、浴室を前もってあたたかくしておくことが大切です。なお、脱衣場が寒くてもヒートショックにつながるため、脱衣場の室温にも十分注意が必要です。

階段、廊下、玄関

(引用)リフォーム事例 住友林業のリフォーム

階段では転倒や踏み外しの事故が起こりやすいため、「手すり」を設置しましょう。手すりの末端は、服の袖口などが引っ掛かって転倒につながることがあるため、壁側か床側に折り曲げて処理します。
なお、高齢者の場合、転倒や転落が命にかかわる重大な事故となってしまいます。玄関やキッチン、浴室、居室など生活に必要なスペースは同一階に配置し、階段を使わずにすむ間取りとすると、移動時の事故を防止できます。

キッチン

(引用)リフォーム事例 住友林業のリフォーム

調理を安全にスムーズに行うためには、広いスペースがあることが大切です。そのためには、使い終わったものをすぐに片付けられて、汚れたところはすぐにキレイにできるような作業効率を得ることが重要です。その点、フルフラットカウンターのキッチンは、カウンター上に段差がないため、汚れにくく拭き掃除がしやすい形状です。
火の使用に不安がある場合は、「IHコンロ」にリフォームすると良いでしょう。ガスコンロにも消し忘れを防止する安全装置が付いていますが、視力の低下などの理由で、火の使用そのものが危険となるケースもあります。フラットな状態に調理器具を置くため、重い鍋の移動なども安全にスムーズに行えます。
このほか、家事の手間や負担を軽減してくれる「食器洗浄機」、蛇口を回す、ひねるといった作業自体のない「ハンズフリー水栓」など、便利な設備はさまざまにあります。ハンズフリー水栓は、握力の低い人や麻痺がある人にも使いやすく、洗面所などにも適しています。センサーで感知し自動で水を出してくれるもので、出しっ放し防止や、ペットによるいたずら防止にも役立つでしょう。

ユニバーサルデザインのポイントと注意点

ユニバーサルデザインを取り入れるうえで重要なポイントは「誰にでもすぐ使えること」です。たとえば一部の電車やバスでは、車イスの人が乗車するために、その都度、係員がスロープを設置するというバリアフリーがあります。
しかし、これは「誰にでも公平に利用できる」ことや「使ううえで自由度が高い」ことには当てはまらないため、ユニバーサルデザインとはいえません。
「バリアフリーであっても、それが必ずしもユニバーサルデザインであるとは限らない」という理由は、ユニバーサルデザインとバリアフリーの定義が少し違うところにあります。
バリアフリーは、高齢者や障害者など、身体の機能が不自由な人が安全に使えることを目指していますが、ユニバーサルデザインは、「障害者や高齢者を区別しないこと」を目指しています。つまり、「すべての人が同じように使える」ことが重要なポイントなのです。

まとめ

(引用)リフォーム事例 住友林業のリフォーム

余裕のある空間設計などバリアフリーリフォームを行うことは、ユニバーサルデザインの住宅につながっていきますが、ユニバーサルデザインにはバリアフリーと比べてさらに広い範囲の使いやすさが求められており、「必要以上にバリアフリー設備を増やしてかえってジャマにならないか」「家族の介助を前提としていないか」といった点にも気を配る必要があります。
住宅にユニバーサルデザインを取り入れる場合は、「誰にでも使いやすい」を意識して計画すると、より柔軟で幅広い安全や使いやすさを実現できるでしょう。

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