家庭での食中毒防止のために リフォームで実現できる清潔なキッチンを考えよう

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キッチンは、住まいの中でも雑菌が繁殖しやすい場所です。食材や水、油などは、雑菌が増える環境を知らず知らずのうちに作ってしまうからです。

今回の記事では、家庭に潜む食中毒の危険性と、リフォームで実現したいキッチンの衛生管理について一緒に見ていきましょう。

住まいの思わぬ場所で雑菌が繁殖している

住まいの中で雑菌が繁殖しやすい場所はどこなのでしょうか。あらためて考えてみると、まず思い浮かぶのはトイレや浴室、洗面所です。しかし、実際の家庭を調査した結果、トイレの床よりもキッチンの排水口の方が、雑菌が多く存在しています。蛇口周辺の雑菌も多く、この事実には驚く人も多いのではないでしょうか。

花王グループ「日本の住環境における菌の実態調査」の情報を基に作図

また、意外な雑菌の存在場所としては、冷蔵庫の野菜室があげられます。野菜に付着した土由来の雑菌が野菜室で繁殖していることが考えられます。

キッチンでは、「食材を触った手で包丁やまな板などの調理器具を使う」「生ものを触った手で食器を取り出す」のように、気づかないうちに雑菌を広げてしまう要素がそろっています。加えて、ニオイやヌメリ、そして汚染の原因となる雑菌は、「温度」「水分」そして、「栄養源」の3つの条件がそろうと爆発的に増えることがわかっています。キッチンの雑菌をそのまま放置しておくと、食中毒への危険も大きくなってしまうでしょう。

食中毒の原因となる菌やウイルス

政府広報オンライン「食中毒予防の原則と6つのポイント」の情報を基に筆者作成

上記円グラフのとおり、家庭で食中毒が発生する割合は全体の1割程度とされています。しかし、家庭での食中毒は「症状が軽い」「集団発生しにくい」ことから、実際にはもっと発生している割合が高いと考えられています。(※1)

ちなみに、食中毒の原因となる細菌やウイルスには、以下のような種類と特徴があります。キッチンで扱う食材には、食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着していることがわかります。

農林水産省「食中毒の原因と種類」、政府広報オンライン「食中毒予防の原則と6つのポイント」の情報を基に筆者作図

家庭での食中毒予防のポイント

リフォームでは、キッチンでの食中毒を予防するポイントをどのように押さえておけばよいのでしょうか。政府広報オンラインの情報を基に、以下の3点を念頭においた対策をしてみましょう。(※1)

1.家庭での食材保存のポイント
  • 買物から帰宅したら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管する
  • 冷蔵庫にものを詰めすぎない
  • 肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う
2.キッチンでの調理中のポイント
  • 調理の前に手指をていねいに洗う
  • 食材を流水でしっかり洗う
  • 生肉や魚などは、生で食べるサラダなどに触れないようにする
  • 生肉や魚、卵を触ったら手を洗う
  • 肉や魚は中心部分までしっかり加熱する
  • 調理台をこまめに除菌して清潔に保つ
3.キッチンでの調理後のポイント
  • 包丁や食器、まな板、ふきん、スポンジなどは、使った後すぐにしっかり洗う
  • 高温洗浄を行い雑菌の繁殖は抑止する

キッチンをリフォームして衛生的な環境づくり

毎日の調理のたびにキッチンの衛生面に注意することはとても重要です。しかし、キッチンの衛生管理は、継続が難しいもの。もっと楽にできる方法はないのでしょうか。

おすすめしたいのが、キッチンのリフォームです。キッチンはていねいに使っていても、長年の汚れや傷でどうしても手入れに時間がかかるものです。しかし、最新のシステムキッチンには、おしゃれなデザインや便利な機能だけではなく、衛生管理や除菌しやすい工夫がたくさん詰まっています。
ここでは、進化し続けるキッチンの機能について紹介します。

汚れにくく、傷がつきにくい表面加工

引用)住友林業のリフォーム「年々進化し続けるシステムキッチン・台所の機能

最近のシステムキッチンは、調理台やシンクの材質に汚れを拭き取りやすく、傷がつきにくいものが採用されています。

ゴミがたまりにくいシンク

引用)住友林業のリフォーム「年々進化し続けるシステムキッチン・台所の機能

広さと深さのあるシンクでは、大きなお鍋も水はねを気にせず簡単に洗えます。また、シンク内の水流を利用した、ゴミが自然とゴミ受けに流れる仕組みの設備は掃除がしやすく、とても便利です。

手入れしやすいコンロ

引用)住友林業のリフォーム「年々進化し続けるシステムキッチン・台所の機能

油汚れが気になるコンロは、継ぎ目がなく手入れしやすいトップを採用した設備があります。継ぎ目がなくなったことで、すき間に汚れがたまる心配がありません。五徳もシンプルなデザインにすることで、お手入れが簡単になっています。

除菌効果がある水

引用)住友林業のリフォーム「年々進化し続けるシステムキッチン・台所の機能

最新の設備のなかには、水を電気分解することで除菌成分(次亜塩素酸)を含む水の流せるものがあります。洗剤や薬剤を使用しない新しい除菌の考え方です。野菜に付いている雑菌もこれで洗い流せば簡単に除菌できます。

除菌効果を高めた食器洗い洗浄機

引用)住友林業のリフォーム「年々進化し続けるシステムキッチン・台所の機能

高温洗浄で汚れを浮かして落とす食器洗い洗浄機を取り入れると、食器や調理器具が自動で除菌、乾燥されます。さらに、雑菌が繁殖しやすいスポンジを使用する回数も大きく減らせるでしょう。

衛生的な自動水栓

引用)住友林業のリフォーム「年々進化し続けるシステムキッチン・台所の機能

吐水口に内蔵されたセンサーが手の位置をキャッチして、吐水と止水を自動で行えます。水栓まわりも雑菌が繁殖しやすい場所ですが、こうした水道栓ならヌメリや汚れが減って衛生管理に最適です。

キッチンをリフォームするときには、このような最新設備の導入が検討できます。毎日の料理が楽しくなるだけでなく、食中毒の危険から家族を守ってくれるおすすめの機能が充実しています。

まとめ

住まいの中でも、直接口に入る料理を作るキッチンは、特に清潔に保っておきたい場所です。しかし、調理するたびにキッチンを衛生に保ち続けることは大変なことです。

食中毒の知識とキッチンでの正しい除菌法を知ったうえで、衛生管理しやすいキッチンへとリフォームしてはいかがでしょうか。ストレスなく清潔なキッチンを楽に維持して、おいしくて安全な料理を楽しんでください。

※政府広報オンライン「食中毒予防の原則と6つのポイント