オシャレな部屋をつくりたい! インテリアの決め方合わせ方を建築士が詳しく解説
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帝国データバンクの調査(※)によると、2020年度の国内の家具・インテリア販売市場(事業者売上高ベース)は前年度より約6.1%増の約1兆5000億円と過去最高を更新しました。
これは、多くの人が家での快適性を求め、インテリアのアップデートを試みている結果だといえます。
そのようななか、おしゃれな部屋の写真を見て「なぜ自分の家はこうならないのか」と溜息をつくこともあるでしょう。部屋のインテリアを考えるときにはテーマを決めて色や物選びをすることが大切です。
本記事では、インテリアのテーマを決める方法やテーマに沿ったリフォーム事例をご紹介します。自分の好みと向き合うことで、ポイントを押さえておしゃれな部屋づくりを楽しみましょう。
インテリアテーマの決め方とは
インテリアのテーマを決める際に「コンセプトボード」を作るという手法が用いられます。建築やインテリアデザインの分野で、デザイナー自身が作ることもあれば、クライアント自身の好みを知るため、ご本人に作ってもらうこともあります。
コンセプトボードを作ろう
コンセプトボードとは、自分の好きなテイストの写真や画像を集め、整理し、まとめたもののことです。お部屋作りをするうえで指針になり、自分がどんな部屋で暮らしたいか、どのような雰囲気が好きなのかを洗い出す作業になります。作成にあたっては、パソコンでもよいですし、印刷した画像をスケッチブックに貼ってまとめるでも構いません。
コンセプトボードを作るメリットは、自分の中の「いいな」を具現化できる点です。たとえば、いいなと思ったお部屋、洋服、景色などまったく異なるジャンルの写真を並べてみて、自分は「落ち葉のような色合い」が好きだということがわかったとします。さらに落ち葉のような色合いのものを集めてみると、その中でも少し違うイメージが出てきます。なぜ同じ色でも異なる印象なのか、と突き詰めていくことで、自分が求めるお部屋に似合う色や素材が絞り込まれていくという流れです。
コンセプトボードの作り方
さっそくコンセプトボードを作ってみましょう。ひとりで取り組むのも良いですし、家族で意見を出し合いながら作成するのもおすすめです。1回ですべてやりきれなくとも、何度も見直して少しずつ、ワクワクするコンセプトボードに近づけていきましょう。
1.気になるキーワードを書き出す
まずは下記のように、気になるキーワードを書き出します。
- 柔らかい
- 暖かい
- フレッシュ
- パワフル
- ミニマム
- 静か
- プリミティブ
- オーガニック
- 伝統
- スタイリッシュ
- シック
- ラグジュアリー
- 可憐
- 淡い
- スポーティー
- インダストリアル
これらの中から、自分にしっくりくるキーワードを選びます。あまり多すぎても絞りきれないので、多くても3つ程度に留めておくとよいでしょう。なお、上記のキーワードはあくまでも例です。自分が気になるキーワードなら問題ありません。
2.キーワードに沿って画像をたくさん集めてみる
選んだキーワードに沿って、画像を集めていきます。画像は雑誌の切り抜きでも良いですし、PinterestやGoogle画像検索を使うのも便利なのでおすすめです。
写真を選ぶときは、「色」「形」「触り心地」「雰囲気」に着目するといいでしょう。最終的にインテリアに落とし込むための作業なので、この4点にポイントをおくと後でまとめやすくなります。
どんな画像を選べばよいのかわからないという方は、自然・建築・ファッション・絵画・旅行・料理など、特定の分野の中から気になるものをピックアップするのもおすすめです。のちほどまとめる作業があるので、このタイミングではあまり細かく考えず、とにかくいいなと思った写真を集めます。街中を散歩するなかで、こころが動く景色やディスプレイを撮影するのもよいでしょう。
3.選んだ写真をキーワードごとにまとめる
集めた写真をキーワードごとにまとめましょう。ご家族で取り組んでいる場合は、同じキーワードの中でもいいなと思う写真が異なることもあるかもしれません。その場合はお互いが良いと思う写真のみ残すか、お部屋によってテイストを変えると思って残すのも良いでしょう。
4.集めた写真から素材・形・色を抽出する
集めた画像から素材や形、色を抽出し、共通するポイントを洗い出しましょう。自分がいいなと思うテイストがわかってきます。インテリアを考えるときは、ここで見出した素材・形のものを選ぶと自然とまとまりが出てくることでしょう。
テーマカラーを決めよう
自分の好みの素材・形を理解したら、お部屋全体の色合いを決めましょう。お部屋のカラーのトーンが揃うと、さまざまな素材や形を並べたとしてもまとまって見えます。コンセプトボードで好みの色合いがわかった方は、さらに深掘りしてテーマカラーを決めてみてください。
BMA配色とは
参考)筆者作成
BMA配色とは、B:ベースカラー、M:メインカラー、A:アクセントカラーのことです。配色で1番大きい色をベースカラー、次に大きい面積を占めるカラーをメインカラー、最後にアクセントカラーを決めて色合いを調整すると、まとまりのあるお部屋が生まれます。
ベースカラーは壁や天井など1番大きな面積を占めるため、飽きがこず季節を問わず楽しめる色を選ぶと良いでしょう。最近は、ベージュやライトグレー、アイボリーの人気が高い傾向にあります。
メインカラーはインテリアの主役になる色です。建具や家具などに使われ、同じベースカラーのお部屋でもメインカラーの濃さによって印象がかなり変わります。茶色や黒、白など建具の色に合わせることが多いでしょう。
アクセントカラーは季節によって変えたり、好みを反映したりしやすい部分です。お部屋のテーマになる色なので、一見派手すぎる色でも面積が小さいため挑戦しやすいでしょう。
テーマカラーを決めるコツ
コンセプトボードで見つけた好みの色の彩度に注目しましょう。彩度とは色のあざやかさの尺度です。色味が明瞭でくっきりとしている色は彩度が高く、くすんで見える場合は彩度が低い色だといえます。
ファッションやインテリアでも人気なアースカラーは、彩度が低いカラーリングのことが多くなっています。反対に、カラフルなお菓子のようにポップで目をひく色は彩度が高いことが多くなっています。
彩度が高い色を広い面積に配置すると、他の色が負けてしまい、まとまりのない部屋になることも考えられます。取り入れたい色の彩度が高い場合はアクセントカラーとして取り入れるのがおすすめです。十分存在感を発揮してくれるでしょう。また、元々の家の壁や建具の色に注目し、それを活かすようにカラーリングを決めていくのもよいでしょう。すべてを変更するのは大変ですし、建具の色をメインカラーにし、それに合わせた家具の色にするだけで、お部屋全体にまとまりが出てきます。
オシャレなお部屋紹介【テーマ別】
住友林業のリフォームを経て生まれ変わったお部屋事例を紹介します。まったく異なるテイストですが、それぞれまとまりのあるインテリアで統一されています。さまざまなキーワードで分類してみましたので、コンセプトボード作成の役に立てば幸いです。
北欧×シンプル×ブルー
引用)住友林業ホームテック「リフォーム事例」
淡い木目調の床に、くすみブルーの壁紙が爽やかなお部屋です。ブルーの壁はアクセントクロスとして一部のみに利用し、他は真っ白な壁を採用しています。棚、デスク、ソファの脚にいたるまで、床と同系色の木目調にしているのがわかります。シンプルですが、存在感のある照明や観葉植物が空間引き締めています。
伝統×温もり×モダン
引用)住友林業ホームテック「リフォーム事例」
深いダークブラウンがあたたかみのある和モダンな空間を作り出しています。木造の和室の造りを生かしたリフォームのため、大きく設けられた仕切り戸や欄間はそのままに、天井を抜くことで開放感を演出しています。和のテイストを守りながら、間接照明や特徴的なペンダントライトを設けることで一気にモダンな雰囲気にできるのもポイントです。扉にはガラスや障子紙を貼っていないため、額縁のような効果もあるでしょう。和室の雰囲気を変えたいという方には参考になる事例です。
エレガント×ラグジュアリー×フレンチ
引用)住友林業ホームテック「リフォーム事例」
家全体をクリーンな白でまとめつつ、お部屋によってポップな色やタイルで遊び心を取り入れた空間です。とても優雅な時間が過ごせそうなゆったりしたお部屋のレイアウトも魅力でしょう。キッチンの腰壁のミントグリーンやホール部分のモザイクタイルの床がアクセントです。
全体が白いため、床や壁、建具も白いため置く家具やファブリックの色でさまざまな表情を楽しめるのもポイント。ホールの赤いカーテンも見事にまとまっています。
シック×ムーディー×自然
引用)住友林業ホームテック「リフォーム事例」
ダークグレーのオープンキッチンが印象的なお部屋です。ダウンライトが多く仕込まれていて全体的に大人の雰囲気が漂う落ち着いた空間となっています。アイボリーとライトブラウンでお部屋全体がまとまっているため、緑やダークグレーが良いアクセントになっています。オープンキッチンを検討している方はぜに参考にしていただきたい事例でしょう。
キッチンとリビングがひと続きのレイアウトの場合、トータルでコーディネートする必要があるため、どんなキッチンにするかを先に考え始めるのもおすすめです。
インテリアのテーマを決めてお部屋作りを楽しもう
本記事ではコンセプトボードを使用してテーマを決める方法と、具体的な事例を解説しました。
お部屋で過ごす時間は1日の疲れを癒し、明日への活力を養う大切なひとときです。自分が1番リラックスできる空間を整えましょう。
テーマカラーのルールに沿って色を決めるだけでもまとまりのあるお部屋が叶います。自分の好きなテイストを見つけ、お部屋づくりをぜひ楽しんでください。
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