長く住める住宅作り

はじめてのモデルハウス見学 後悔しない家づくりのために知っておきたいこと

暮らし・住まい

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モデルハウス見学ではさまざまな点を実際に見て、触れて、感じることができ、イメージをつかむという点で大いに役立ちます。気に入ったモデルハウスやメーカーが見つかったら、その後にメーカーで行っている展示会などに参加するのも良いでしょう。

この記事の監修

工藤アラタ

専門学校を卒業後、建築士として住宅やビル、工場、各種施設などの設計業務に携わる。
現在は飲食業の傍ら、フリーで建築図面作成やライター業を兼務。
建築以外に、旅行やアウトドアなどの趣味を通しての記事なども執筆。

モデルハウスは原寸大の"住宅サンプル"です。外観や内観はもちろん、構造や耐震性能といった内部にも最新の技術が使われており、目で見るだけでなく、設備や技術に実際に触れることもできます。

住宅を新築するにあたって、設計図や展開図など、さまざまな角度から家を見られる図面はたくさんあるものの、「建築後のイメージがいまいちわかない......」という不安は、プランニングの段階で多く起こる問題です。

モデルハウス見学では、住宅の外観や内装、またメインの動線や設備の使い勝手に加え、建具の位置や階段の幅、内装材など、さまざまな点を実際に見て、触れて、感じることができます。たとえ、モデルハウスそのままの購入を検討していなくとも、家を建てる予定があるのなら、イメージをつかむという点で大いに役立ちます。

この記事では、モデルハウスに足を運んだときに必ずチェックしておきたいポイントや、モデルハウスを購入することに対するメリット・デメリットを解説します。

モデルハウス見学前の準備

モデルハウスに足を運ぶ、というのは1日がかりのイベントです。せっかくの時間を使うのですから、ある程度の準備は済ませておきたいものです。ここでは、見学前に決めておきたいポイントを紹介します。

大体の予算を決めておく

建築費用は規模(広さや階数)、構造(木造かRC造かなど)により大幅に変わります。希望する住宅の相場が分からなくても、予算の上限などおおまかな額だけでも決めておくとスムーズです。住宅ローンなど支払い方法の目安も立てておくと良いでしょう。

構造(木造、S造、鉄筋コンクリート造)

木造住宅の耐震性能も向上しており、現在も木造が一般的であるため、モデルハウスの住宅もほとんどが木造住宅です。もしも、鉄骨造や鉄筋コンクリート造を希望する場合は、それらのモデルハウスがあるかどうかを確認しましょう。

現在の住まいや生活の問題点をあげておく

「どんな家がいいか」を考えるときに、「いま、どんなことに困っているか」を考えると分かりやすくなります。これまでの生活で不便と感じていたことが経験となり、住宅選びに役立ってくれます。
現在の住まいの問題がクリアできるかどうかをモデルハウスでもチェックしてみましょう。

家族全員の要望を書き出す

住まいは家族全員が利用する大切な財産です。お子さんを含め、家族の希望にも耳を傾け、全員が描く理想の住まいへの共通認識を持つことが大切です。住宅の候補がいくつもあって迷ったときにために、絶対条件や要望の優先順位も決めておくと良いでしょう。

カメラ(スマホでOK)、メモ、コンベックスメジャーを持って出かける

気になる個所や各部屋を撮影しておくと、帰ってからも間取りを振り返って検討しやすいのでオススメです。ただし、撮影しても良いかどうかは必ず最初に確認しましょう。
また、引っ越しや、家具・家電の購入の参考のために、開口幅や洗濯パンのサイズなどを採寸できる道具やメモを持参すると便利です。

見学のチェックポイント

モデルハウスに到着したら、事前にチェックしたポイントを押さえつつ、下記に紹介する項目についてもしっかり確認するとよいでしょう。

断熱、省エネ性能

現在の住宅は、エコ化・省エネ化が進んでおり、断熱材の施工は一般的な仕様となっています。各居室はもちろん、浴室や玄関、廊下なども断熱施工してあるのか、断熱窓が使われているのかなど、しっかり確認しましょう。

耐震性能(耐震、制震、免震)

住宅における地震対策は、「耐震」「制震」「免震」の3種類があります。それぞれ地震に対する強さや費用が違いますが、現在では「耐震」が主流です。制震や免震は特殊な装置や技術を必要とするもので、施工できる業者やメーカーが限られます。

広さや間取り

住宅展示場にあるモデルハウスは、かなりグレードの高い仕様で作られています。そのため、家族の人数や生活水準に合わないと感じることもあるかもしれません。とはいえ、必要のない居室や広すぎるリビングなどは、不要な建築コストをかけるばかりか、光熱費の無駄遣い、掃除などメンテナンスの手間にもつながります。
モデルハウスを参考に、自分や家族にとって、それだけの広さや間取りが「必要か」「必要でないか」も厳しい目線でチェックしましょう。

設備の機能やユニットバスのサイズ

モデルハウスは、キッチンやユニットバスにもグレードが高い設備が使われています。水まわり設備は、省エネや危険回避、断熱性に加え、自動洗浄など最新の機能が付いており、省エネにつながるものがほとんどです。初期費用が高くてもランニングコストを抑えることができますが、オプション次第で価格に大幅な差が出ます。使用頻度や家族の人数などに合わせて、適正なサイズかどうかなどをチェックしましょう。

外壁や屋根材の耐久年数とメンテナンス

外壁や屋根材は耐久年数が20~30年です。これらは面積も広いため、清掃メンテナンスや補修費用も高額になりがちです。現在では汚れにくく手入れの必要が少ない外装材も多いため、メンテナンスフリーの外装材か使われているようなら、ぜひチェックしたいところです。

生活動線や生活習慣に合っているかをシミュレーションしてみる

モデルハウスの間取りが家族の生活に合っているかどうかは、実際に朝起きてから就寝するまでのルーティーンをモデルハウスで再現してみることがおすすめです。特に夫婦共働き世帯では、家事にかかる時間も限られているでしょうから、家事動線は生活の質に大きく影響します。

設備や仕様が追加料金のかかるオプションでないかどうかを確認

モデルハウスではグレードの高い設備や仕上げで施工されていることも多く、標準装備のものもあれば、追加オプションになってしまうものも設置されています。
モデルハウスと同じ仕様にするためにはかなりの追加料金がかかるだけでなく、見た目を美しく保つためのメンテナンス費用もかかるため、どこまでが標準仕様なのかを必ずメーカーの担当者に確認しましょう。

夜の見学会にも参加して照明の雰囲気をつかむ

照明の雰囲気をつかむには夜間の見学が最適です。
モデルハウスでは、土日の展示イベントに参加できない人や休みがなかなか取れない人でも見学できるように、会社終わりの時間からでも気軽に見学できるようスケジューリングされた展示もあります。こうした時間帯の見学会を利用すると、昼間ではつかみにくい夜の時間帯の生活をイメージしやすくなるでしょう。

メーカーの対応や担当者の人柄

注文住宅と比べてプランニングや打ち合わせが少ないモデルハウス契約であっても、金額の大きな買い物であることに変わりはありません。要望や不満を伝えやすく、信頼できる担当者がいるかどうかはとても大切です。

モデルハウス購入のメリット・デメリット

モデルハウス購入のメリット

モデルハウス購入の最大のメリットは、「グレードの高い住宅を格安で購入できる」ことです。デメリットが附随すること、申込者の数によっては競争率が激しくなり必ず購入できるとは限らないという点もありますが、同等の仕様を注文住宅として建てた場合と比べるとかなり格安と言えます。
設計から施工までを行う新築工事の場合、契約までにかなりの月日を費やすことが必須となりますが、それらの時間や労力も省くことも魅力の一つといえるでしょう。

このほかのメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 間取りの打ち合わせの手間を省ける
  • 完成後に「イメージと違った」となることがない
  • 入居までが早い

モデルハウス購入のデメリット

最大のデメリットは、新築ではなく「中古住宅扱いになる」という点です。そのため、築後1年以内の新築住宅に適用される「住宅瑕疵担保責任保険」が適応されないことや、付属家電・家具の保証期間が一定期間経過している点などに注意しましょう。

このほかのデメリットとして考えられることは、下記のとおりです。

  • 内覧による汚れや劣化がある
  • 人気の物件も多いため、抽選販売になるケースがある
  • 間取りを自由に設定できない
  • 不要なスペース、必要以上の床面積や設備がある場合が考えられる
  • (分譲モデルハウスの場合)敷地や立地が限られる

モデルハウス購入の注意点

実際、モデルハウスを購入するとなった場合、どのような点に気を付ければよいのでしょう。ここでは、いくつかの項目を挙げてみたいと思います。

バス・トイレなどの設備が使用されている場合がある

一部のモデルハウスでは宿泊体験をともなう展示をしていることもあり、そうした場合には、浴室やトイレが体験者によって使用されている場合があります。ほとんどのモデルハウスの場合、使用不可となっていますが、念のため未使用かどうか確認しましょう。

壁や床のキズや、建具の不具合などのチェック

展示や見学会を実施する間に、内装材のキズや汚れ、建具の不具合などが発生する場合があります。ほとんどの場合が入居前のクリーニングなどで修繕されますが、契約前に付いたと思われるキズや汚れであっても、契約前に申告しなければ、修繕費用の負担でトラブルになるおそれがあります。

設計図、確認申請書などで構造や仕様を説明してもらい確認する

住宅を一から建築する場合は、地鎮祭から上棟式、耐震工事や内装工事など、各工程のたび施主立ち合いのもと、現場で説明や確認を行いますが、すでに建築済みのモデルハウスでは、工事過程での立ち合いができないため、建物内部を確認することができません。そのため、建物の様子を把握するには、設計図や確認申請書が主となります。
耐震工事の詳細や断熱材の有無が図面で確認できるのか、具体的にどのような施工がされているのか、その内容を担当者にしっかり説明してもらいましょう。

展示期間中に不特定多数の見学者が室内を撮影している

モデルハウスでは多くのお客さんが住宅内を歩き、触れてまわっていますが、これらはハウスクリーニングで新築同然にキレイにすることができます。一方、見学したお客さんの多くは住宅内を撮影していることが多く、これらのデータを回収することは不可能です。
物件の間取りは一般的に広く公開されるものですが、住宅の出入り口や建具の構造、セキュリティシステムなど、物件情報だけでは本来知り得ない情報を、ある程度の人が知っているということも念のため頭に入れておきましょう。

まとめ

モデルハウス見学は、家族そろって参加することがおすすめです。家族全員で行きやすい近場の会場や、子ども向けのイベントを行っている土日の見学に参加してみましょう。

まずは、さまざまなメーカーのモデルハウスが揃う総合住宅展示場に行ってみると、各メーカーの住宅の特色を比較しやすくなります。ハウスメーカーでは、耐震装置や建材など、さまざまな部材において独自技術を持っており、こうした技術力も比較材料になります。
総合展示場で気に入ったモデルハウスやメーカーが見つかったら、その後にメーカーで行っている展示会などに参加するのも良いでしょう。

総合展示場は基本的には自由に出入りできるものですが、現在では予約制となっている会場も多くあります。事前に会場の利用方法をウェブサイトなどで確認しておきましょう。