自宅の防犯 鍵や窓ガラスを選ぶポイントとコロナ下ならではの注意点

暮らし・住まい

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侵入者は、解錠や窓破りなどに時間がかかりすぎ、周囲から怪しまれることを嫌います。鍵や窓ガラスの安全性能を見直しましょう。また、近隣とのあいさつを欠かさない住環境づくりに努めることも、防犯対策の心強い手立てになりそうです。

この記事の監修

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後、TBS報道局で社会部記者、経済部記者、CSニュース番組のプロデューサーなどを務める。ライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に幅広い視座からのオピニオンを関連企業に寄稿。
趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。
Twitter:@M6Sayaka

自宅のあちこちに取り付ける鍵や窓ガラスは、防犯上もっとも重要な部品のひとつです。
特に侵入窃盗、いわゆる「空き巣」などの被害は戸建て住宅で多くなっており、注意が必要です。

では、どのような鍵や窓ガラスなどを選べば良いのでしょうか。

ここでは住宅防犯基礎知識と、防犯性能の高い鍵や窓ガラスの選び方についてご紹介します。

侵入窃盗の発生場所は「一戸建て」が最多

警察庁によると、侵入窃盗のうち4割以上が「一戸建て住宅」で起こっていることが分かっています。

警察庁ウェブサイト「住まいる110番」より転載

また、こっそりとモノを盗む窃盗ではなく、最初から脅す目的、あるいは窃盗のつもりが住人に見つかってしまい、ひらき直るなどの形で「強盗」に化してしまうケースも少なくありません。
警察庁のまとめでは、「一戸建て住宅」での侵入強盗発生場所は、全体の2割を占めています。

警察庁ウェブサイト「住まいる110番」より転載

防犯性能の分かれ目は「5分」、どんな部品を選ぶのがベスト?

財産だけでなく身の安全のためにも、自宅の防犯体制は高くする必要があります。では、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

住宅に侵入しようとする窃盗犯や強盗犯が「犯行をあきらめるタイミング」というのがあります。

侵入者は、解錠や窓破りなどに時間がかかりすぎ、周囲から怪しまれることを嫌います。その目安は「5分」と言われています。

実際、都市防災研究センターの調べでは、「侵入に5分以上かかると諦める」と回答した元泥棒が7割に達しています。つまり、外部からの無理矢理の解錠やガラス破りに5分耐えられる性能の部品を使えば、7割の泥棒からの被害を防げるということです。

警察庁ウェブサイト「住まいる110番」の情報を基に作図

そこで、警察庁などでは、この「5分」耐えられることを防犯性能の基準としています。条件を満たし、試験に合格したドアや鍵、ガラス、サッシなどについては「防犯性能の高い建物部品」として全国防犯協会連合会のホームページ上で公表されています(※)。

また、知っておきたいのは下記の「CPマーク」です。「防犯性能の高い建物部品」と認められた製品には、こちらのマークがついています。部品選びの参考にしましょう。

警察庁ウェブサイト「住まいる110番」より転載

鍵・窓ガラスの防犯の基本

防犯性能の高い建物部品には多くの種類があります

ドアと錠前

ドアと錠は同じ構造をしていてもすべての部品が「CPマーク」を取得しているとは限りませんし、メーカーによって防犯性向上の対策方法は異なりますが、警察庁のウェブサイトでは、下記のような例が挙げられています。

警察庁ウェブサイト「住まいる110番」の情報を基に作図

サムターン回しとは、ドアに穴を開け、外から棒などの道具を使って内側のつまみ(サムターン)を回転させる手口です。玄関ポストの隙間や、ドアについているのぞき窓がねらわれます。
このサムターン回しを容易に行えないような構造のもの、ピッキングに強い複雑な構造の錠であれば防犯性が比較的高いとされています。

錠の内部(シリンダー)の様子は外から見て確認できるものではありませんが、シリンダーの種類によって、防犯性能の高さが異なります。自宅のドアや勝手口の鍵や鍵穴の形状を見て確認し、防犯性能が心もとないと感じるようであれば取り替えを検討しましょう。

日本ロック工業会ウェブサイト「ピッキング・空き巣対策で気をつけたいポイント」の情報を基に作図

また、勝手口の錠前の注意として、「ドアノブの中にカギが入っている円筒錠」は、防犯性能に不安があります。補助錠を取り付ける、または交換するといった対策を行うことを検討したいところです。

ガラス・サッシの対策

警察庁のウェブサイトでは、CPマークを取得している防犯ガラスの構造を、下記のように紹介しています。

警察庁ウェブサイト「住まいる110番」の情報を基に作図

こうしたガラスには特殊中間膜(特殊フィルム)が入っているのが特徴です。特殊中間膜が、外部からの衝撃による破壊を難しくする役割を果たしています。

また、窓サッシにも一工夫があると安心です。サッシについている鍵(クレセント錠)は、バールなどで力を加えてしまえば外れてしまいます。そのため、サッシのレールに取り付けられる、下記のような補助錠を窓の上下につけておくとよいでしょう。これは、窓をこじ開けにくくすることで侵入に時間をかけさせ、犯行を諦めることにつなげる工夫です。

コロナ下で注意したい鍵のトラブル

さて、防犯性能の高い建物部品を使うことは重要ですが、室内でも閉じ込めが発生しないよういま一度気を付けたい場所があります。

先日、筆者にはこのようなことがありました。 遠方の出先から自宅あてに荷物を送ったところ、自宅の鍵をその中に入れっぱなしだったことに帰宅してから気づきました。すぐに業者さんに対応してもらいましたが、そのとき、コロナ下で自宅にいる人数や時間がこれまでよりも長くなった結果、"家の中で使っている鍵"の解錠依頼が非常に増えている、という話を聞きました。なかでも多いのはトイレだそうです。家族に配慮して久々に鍵を掛けたら、そのまま閉じ込められてしまったというケースです。
なぜこのようなことが起きてしまうかというと、鍵をしばらく使っていなかったためにシリンダーが錆び付いてしまい、鍵をかけた拍子に内部の細かいバネが折れ、鍵が回らなくなる、ということでした。特に築20年前後の住宅は注意が必要とのことです。

安心して暮らせる自宅作りのために

ここまで、鍵や窓ガラスの安全性能についてご紹介してきました。
これらの対策を行えば、窃盗から大切な財産を100%守れる......とは言い切れないものの、何においても備えは大切です。ご自宅の中をいま一度チェックしてみましょう。

なお、都市防犯研究センターによると、侵入者が犯行を諦めるもうひとつの大きな要素に、「近所の人に声をかけられた」というのがあります。

警察庁ウェブサイト「住まいる110番」の情報を基に作図

侵入者は近所づきあいが良かったり、連帯感があったりする住宅街を嫌っている様子がうかがえます。その効果はてきめんのようです。

普段、隣近所の付き合いがあまりないという人も、コロナ下で自宅時間の多いこの時期を機会に、近所にどのような人が住んでいるのか顔だけでも知っておくとよいのではないでしょうか。
近隣とのあいさつを欠かさない住環境づくりに努めることも、防犯対策の心強い手立てになりそうです。

※「令和2年度平均年収と学歴調査

※ 全国防犯協会連合会ウェブサイト「防犯性能の高い建物部品