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自宅で教室を開くには? 開講のステップ、教室レイアウト例を解説します

暮らし・住まい

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教室運営は、通勤せずに自宅で仕事ができるため、家事や子育てなどに忙しい女性には効率良く時間を使えるというメリットがあります。将来の収入不安を解消できるだけでなく、ながきにわたってイキイキとした生活を送れるという楽しみも付加されます。自分の働くイメージが持てた方は、ぜひ一度具体的に考えてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修

矢口ミカ

複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。趣味は整理収納と料理。

コロナによる景気低迷が続くなか、自分の特技を生かして収入を得ようとする方が増えています。内閣官房による「フリーランス実態調査」では、フリーランスという働き方を選択した理由として「自分の仕事のスタイルで働きたいため」と回答した人が6割近くいるという結果も出ています。(※1)
このようなことから、ただお金だけが目的ではなく、"人生における生きがいのひとつ"として自宅で教室を開く方も少なくありません。

今回は自宅で教室を開くポイントを詳しく解説します。自分の特技を生かして自宅で教室を開くことを検討している方はぜひ、本記事を参考にしてくださいね。

自宅で教室を開くまでのステップ

フラワーアレンジメント、ヨガ、料理など、自分の趣味や特技を活かして起業する傾向は女性に多いようです。
ここでは、新たに教室を開く際に必要な手順をご紹介します。

1.コンセプトと開講までのスケジュールを考える

教室を開くことを決意したならば、まずは教室の「コンセプト」から考えましょう。たとえば料理教室を開くといっても、世の中にはたくさんの料理教室が存在します。あまたあるなかから選んでもらうには近隣の料理教室とはひと味違ったコンセプトで勝負しましょう。そのためには、ターゲット層が求めているサービスがどのようなものなのかを把握し、「他にはないメリット」や「付加価値」を考える必要があります。たとえば30代女性が対象の場合、「小さな子どもも連れていける」「簡単につくれるけれど手をかけたように見える料理が学べる」などが喜ばれるかもしれません。
コンセプトが決まったら、開講までの日程を具体的に設定します。

2.開講資金の準備

次は受講者からいただく月謝などの料金を設定します。教室運営を維持できる赤字にならない金額にする必要がありますが、相場がどのくらいなのか検討がつかない場合には周辺の同業種の相場を調べ、そこをベースに考えるとよいでしょう。

料金設定の後は開講資金を検討していきます。初期投資にお金をかけすぎないようにするのが無難です。また、教室運営には予想外の費用が発生することもありますから、運転資金とは別にこうした備えを用意しておくことをおすすめします。

3.開講に必要な申請を済ませる

教室の運営で得た収入は事業所得として確定申告する必要があります。事前に個人事業主としての開業届を税務署に届け出るようにしましょう。
また、手作りの料理やお菓子、パンなどを販売したり、ケータリングサービスを行ったりする場合は保健所の許可が必要です。保健所の許可を得るには設備に関する要件を備えていなくてはなりません。キッチンのリフォームが必要なケースもありますので事前に確認しておきましょう。

4.設備を整える

教室運営をする際に必要な設備を調達します。料理教室の場合は調理器具や食器類、清潔で安全に作業できるスペースなどが必要ですし、英会話教室の場合は、ホワイトボードやテーブル、イス、コピー機などの設備が考えられます。
また、自宅兼教室とする場合は、生活感が出ないよう注意したいものです。教室の雰囲気は、そのまま受講者の期待につながります。

5.受講者を募集する

教室を開講する手筈を整えたら、いよいよ受講者の募集です。地域の情報誌などへ広告を出すのも良いですが、近年ではインスタグラムやツイッターなど、不特定多数の人に無料で情報を発信・拡散できるSNSの活用もおすすめです。知人を介した口コミを使ったり、近隣周辺にチラシを配布したりするのも効果があります。

「自宅教室」のリフォーム事例

自宅を教室にすれば賃貸料が発生しないため、少ない資金で仕事を始められます。
ここでは、女性が開きやすい教室のリフォーム事例をご紹介していきましょう。

1.料理教室

料理好きが高じて自宅で料理教室を開く方も多いようです。おしゃれで機能的なキッチンならば、受講者は通いながら雰囲気も一緒に楽しめます。

キッチンとダイニングが一緒の間取りの場合は「アイランド型」がおすすめです。中央の調理台を受講生が囲んで作業できるようにすると、複数の受講生が相手でも教えやすくなります。また、シンクとガスコンロを別にしておくと、作業中の動線が重ならないというメリットがあります。

2.英会話教室

英会話教室をはじめ、座学スタイルの教室を開く場合には、プライベートエリアとの動線が重ならない間取りにするとよいでしょう。
以下は、玄関のすぐ左横の部屋の仕切りを取り払い、玄関とつなげる形で教室を配置しています。受講生がプライベートスペースに入らない間取りのため、プライバシーに配慮できるほか、新型コロナをはじめとする感染症を予防するという点でも優れています。

3.ピアノ教室

ピアノ教室をはじめ、楽器演奏やボイストレーニングといった教室を開く場合には、プライベートエリアとの区別のほかにも「防音対策」が必要です。1日中レッスンをしていても近隣に迷惑をかけない防音性能を備えるため、教室として使用する部屋には防音工事を行います。周囲を気にせずレッスンに打ち込めるよう、天井や床、壁、ドアなどの開口部に防音性能の高い建築材を設置します。

自宅で教室を開く際の注意点

自宅で教室を開くうえで、いくつか気をつけたいポイントがあります。

1.教える内容に合わせてリフォームをする

教える内容によっては教室の間取りや設計を考慮しなければなりません。音楽教室の場合、防音設備を必要とするのは先述のとおりです。また、料理教室は、教室で使うたくさんの食材や食器を収納できるパントリーがあると便利ですし、英会話など座学スタイルの教室は、受講者用の机やイスをしまうスペース、教材の用意や伝票作業を行うための事務スペースも検討したいところです。

2.教室とプライベートのエリアをきちんと分ける

開講中であっても、家族が心置きなくくつろいだり食事したりできるようプライバシーが保たれる間取りを計画します。また、教室は不特定多数の人が出入りするため、防犯面にも気をつけなければなりません。きちんとエリア分けされていることで、生徒さんにとっても利用しやすい環境となります。
教室として使用する部屋は、玄関から近い位置がおすすめです。トイレや洗面所は家族と兼用にするのかどうかも検討しておきましょう。

3.リフォーム資金は無理のない予算にする

自宅で教室を開くにあたり、全体の費用のうちリフォームにどの程度割くことができるのかは、しっかり検討したいところです。ちなみに、ピアノ教室を開業する場合には、以下のような費用がかかるとされています。

▼ピアノ教室の開業資金(例)

費目

金額の目安

リフォーム費用(防音工事など)

200万円

グランドピアノ購入費

100~200万円

搬入費用

5万円

宣伝費

15万円

最初は無理のない予算を立て、優先順位の高いことからできる範囲でリフォームを始めましょう。
料理教室でキッチンを刷新する場合、予算が100万円未満であれば、間取りはそのままに新しいシステムキッチンに取り換えることができます。余った予算で大きなダイニングテーブルを購入し、受講者とできあがった料理を囲むのもよいでしょう。
予算が200万円あるのなら、間取りを見直すのもよいかもしれません。たとえば、キッチンが独立した一角にある場合は、間仕切りを取り払いダイニングなどと一体化させることも検討できます。広く開放的な空間で楽しくお料理する姿が浮かんできそうですね。
200万円以上の予算をかけられる場合は、キッチンの間取りを大きく変更することができます。

4.教室運営に必要なランニングコストを把握する

教室の運営には、光熱費や広告費、消耗品費など必要経費が発生します。毎月どのくらいのランニングコストがかかるのをきちんと把握しましょう。当座の資金繰り表を作成し、シミュレーションしてみることもおすすめです。

5.マンションで教室利用する場合は事前に許可を取る

マンションの一室を教室にする場合には、賃貸・分譲問わず管理組合などに確認を取り、許可を得ておきましょう。分譲の場合は管理規約や使用細則に違反していなければ、基本、教室として利用できますが、子どもが大勢来るような教室の場合には、近隣住民からクレームが入ることも考えられます。トラブルを避けるためにもぜひとも押さえておきたいところです。

まとめ

今回は、自宅で教室を開く際に気をつけたい点やリフォームについて詳しく解説しました。

教室運営は、通勤せずに自宅で仕事ができるため、家事や子育てなどに忙しい女性には効率良く時間を使えるのがメリットです。また、将来の収入不安を解消できるだけでなく、ながきにわたってイキイキとした生活を送れるという楽しみも付加されます。

自分ならではの特技や趣味を生かす形で社会との接点を持ちたいという方にとって、自宅で教室を開くことは"天職"となるかもしれません。
この記事をお読みになって「ワクワクした」「自分の働くイメージが持てた」いう方は、ぜひ一度具体的に考えてみてはいかがでしょうか。

※ 内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果 令和2年5月|P3 フリーランスという働き方を選択した理由」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/sankou.pdf