旧家の雰囲気を残したバリアフリーの家|大胆な間取り変更で居住性をUP

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京都府京都市にお住まいのY様は、現在築80年の日本家屋で暮らしている三世代のご家族です。高齢のお母様と同居するために、大がかりなリフォームを行いました。

今回は「旧家の雰囲気を残したバリアフリーの家」のリフォームに成功した事例として、ご紹介をさせていただきます。ぜひ参考にしてください。

1.リフォームのきっかけ

ここではY様が築80年のご自宅を、リフォームすることになったきっかけについてご紹介します。

(1)同居するにあたって現代風の間取りに変えたい

Y様はお母様が高齢になったため、京都にある実家に戻られ同居をされています。しかし、家の中は日当たりが悪いため昼間でも暗く、すきま風が通る寒い家でした。

また、築80年という旧家であるため間取りが古く、実際にお母様の面倒を見ながら住むにあたっては住み心地が悪かったそうです。現代風の生活をするには間取りの変更が必要となり、今回大がかりなリフォームを実行しています。

(2)高齢のお母様のためにバリアフリー化が必要に

Y様宅は昔風の家であるため土間があり、家のあちこちに段差がありました。生活動線も良くなかったので無駄な動きが多くあり、年配の方が住むには危険を感じていたとのことです。

今回のリフォームでは家の中にある段差をなくし、ご高齢のお母様が安全に生活できるようになりました。

2.リフォームでのこだわりポイント

Y様がリフォームする際に、特にこだわりたいポイントであげられたのは以下の3点です。

  • 柱と梁を残してほしい
  • 箱階段を使う
  • 部屋が明るくなる間取りに変更

順を追ってご紹介しましょう。

(1)柱と梁を残してほしい

Y様は昔の家の面影を残すために、柱と梁を残すことを希望されていました。
これらの部材は今では手に入れられないものであり、Y家の歴史を感じさせる貴重な古材です。今回のリフォームでは既存の柱や梁を再利用しており、旧家の雰囲気を醸し出しています。

下の写真はリフォーム後のキッチンの写真です。既存の梁を出すことによって天井が高くなり、開放感のある空間になりました。どっしりとした木の質感を感じられ、温かみのあるキッチンとなっています。

(2)箱階段を使う

箱階段を残すこともこだわったポイントのひとつです。
箱階段とは、木製の箱を段々に積み上げた形式の階段で、側面に引き出しを付けてタンスとして使えるものもあります。Y様宅の箱階段(下の写真)も側面に引き出しが付いているタイプでした。
Y家の大黒柱的なシンボルであり、大切に受け継がれてきた伝統ある階段です。

箱階段のbefore(ビフォー)

今回のリフォームで生まれ変わった箱階段が下の写真です。
間取り変更をするために家の中心に移動しました。階段全体をきれいに塗り替えて、引き出しも収納として有効活用できます。手すりも付いたので2階に行くときも安心です。

箱階段のafter(アフター)

(3)部屋が明るくなる間取りに変更

以前の家は日当たりが悪く、とにかく部屋の中が暗いのが悩みでした。
リビングは玄関の後ろにあり真っ暗だったそうです。しかも、家全体が暗い雰囲気だったせいかネズミやイタチがたくさん住んでいました。

今回のリフォームでは階段や玄関の位置を移動して、家の中全体に光が差し込む間取りに変更しました。気密性も高めたので、以前より格段に暖かい家になっています。

3.【部位別】リフォームの内容

ここでは築80年のご自宅が、どのように快適な住宅に仕上がったのかについてご紹介します。

(1)古民家らしい風情のある外観

以前の家の外観が下の写真です。
京都にある町家風の落ち着いた外観ですが、経年による劣化で外壁が汚れていました。

外観のbefore(ビフォー)

リフォーム後の家の外観は下の写真です。
外壁は真っ白に吹き付け塗装をして、美しく仕上げました。瓦は葺き替えて新しく仕上げ、玄関の入り口には焼杉板を貼り替えて古民家風の情緒を生み出しています。
旧家の威厳を残しながら瀟洒な雰囲気の家へと生まれ変わっています。

外観のafter(アフター)

(2)隅々まで明るくなった2階リビング

下の写真はリフォーム前の2階リビングです。
昼間でも日当たりが悪く、屋根裏然とした雰囲気のため、以前は利用する気がなかったとのことです。

2階リビングのbefore(ビフォー)

リフォーム後の2階リビングの写真は以下の通りです。
壁を撤去して2つの部屋をつなげたことにより、東と南から明るい光が入るようになりました。日差しが白い壁や勾配天井に反射して、十分な明るさを確保しています。夜には天井に埋め込んだダウンライトの光がやさしく部屋の中を照らし、ゆっくりくつろげるスペースとなっています。

2階リビングのafter(アフター)

(3)以前の面影を残した二間続きの和室

旧家らしい趣のある二間続きの和室です。
和室に関しては、以前の面影をそのまま残すことを希望されていました。
トイレと広縁を減築したので、東から明るい光が入りこんでいます。

和室の壁は聚楽壁(じゅらくかべ)に塗り替えて、伝統的な日本家屋をイメージしました。お客様をお通しする部屋として格式の高い雰囲気を演出しています。

(4)バリアフリー優先のシステムバス

ご高齢のお母様が安全に利用できるバスルームにすることも重要な課題のひとつでした。
下の写真はリフォーム前のバスルームです。
タイル貼りで冬場は冷え込み、お風呂に入るのが億劫になりがちでした。大きい窓も寒気が入る大きな原因となっています。浴槽などの設備も経年劣化が進み、使いやすい状況とはいえませんでした。

バスルームのbefore(ビフォー)

リフォーム後の写真は以下の通りです。
最新式の設備を備えたきれいなバスルームに生まれ変わりました。
機能的なシステムバスを導入し、床は滑りにくいため年配の方でも安心してお使いいただけます。手すりも2ヶ所設置しました。冷たさを感じにくい床なので、寒い時期でもお風呂に入るのが辛くありません。広々とした浴槽で、ゆったりとバスタイムを楽しめます。

バスルームのafter(アフター)

(5)広々とした空間が広がる玄関

以前は納戸と和室に挟まれ、圧迫感のある狭い玄関でした。
今回のリフォームでは玄関ホールのスペースを広く取り、開放感のある空間を演出しています。

縦格子で天井が高く見える効果があり、程よい目隠しとなっているため奥が丸見えになりません。突き当りにある勝手口からは日差しが入り込み、明るさも得られています。
段差も低いので、年配の方でも上がり降りがしやすい玄関です。

4.リフォーム後の暮らしの変化

Y様にリフォーム後の暮らしの変化について尋ねてみましたところ、以下のようなご回答をいただきましたのでご紹介します。

  • 居心地よく住めるようになった
  • 動線が良くなり使いやすくなった

以前は暗く、すきま風が通る寒い家のため、居心地の良さを感じることはありませんでした。しかし、リフォームをしたことにより明るさや暖かさを確保できたため、住みやすく快適な家へと進化しています。

大胆な間取り変更を実行して生活動線も格段に良くなり、特にバスルームなど水回りが使いやすくなりました。お母様は新しい家を気に入り、以前より優しくなられたそうです。

5.住友林業のリフォームについて

Y様が当社にリフォームをご依頼されたきっかけなどについてお伺いいたしました。

(1)住友林業ホームテックを選んだ理由

リフォームを決意されたY様はインターネットで検索し、3社から資料を取り寄せました。
その中に当社も含まれており、「木の家」の実例集を参考にしていただいております。
Y様宅は古い木造住宅なので、木の専門会社なら信頼ができると思われたそうです。最終的に、木の家の実績が豊富な当社を選んでいただきました。

(2)住友林業ホームテックの対応

リフォーム工事に際しての当社の対応についてお伺いをしたところ、以下のようなご回答をいただきました。

  • 信頼できたので心配なく工事を進められた
  • 相談するときちんと回答してくれるので安心できた

Y様は当社の技術を信頼してくださり、工事に関して心配な点はなかったそうです。
また、Y様からご相談をいただいた時は、担当営業がなるべく早めにきちんと対応させていただきました。お客様のご協力もあり、工事をスムーズに進められたことをありがたく思います。

6.まとめ

今回は築80年の旧家を、昔の面影を残しながら快適に暮らせるバリアフリー住宅へと生まれ変わらせた、京都府のY様のリフォーム事例についてご紹介させていただきました。

伝統ある箱階段を住まいのシンボルとして、日本情緒あふれる格調高い住まいへと生まれ変わっています。部屋の中に明るさやバリアフリーを取り入れており、安全かつ快適に生活できるようになりました。これからも家族みんなで助け合いながら、仲良く暮らしてください。