築120年の由緒ある旧家|古民家の趣を残しながら快適に住める家を実現

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茨城県常総市にお住まいのT様ご夫婦は、築120年の旧家にお母様と3人で暮らされています。代々、医者の家系であるT様宅は武家屋敷風の重厚感ある構えの住宅ですが、築年数が古いため、さまざまな問題も抱えていました。

今回は、思い出深い歴史ある旧家の再生リフォームに成功した事例としてご紹介させていただきます。

1.リフォームのきっかけ

ここではT様が築120年の由緒ある旧家であるご自宅を、リフォームすることになったきっかけについてご紹介します。

(1)お父様が他界されお母様と住むことに

T様ご夫婦はお父様が他界されたのをきっかけに、ご実家である築120年の古民家に移り住むことになりました。建て替えも検討されていましたが、「貴重な古民家を壊すのはもったいない」と周囲の意見が多いこともあり、リフォームを選ぶことになったのです。

(2)寒くて暗い古民家を快適に住めるようにしたい

ご実家は曾祖父様が建てられた本格的な和風住宅です。
しかし、築120年ということで老朽化が進み、間取りも昔ながらの「田の字型」でプライバシーが守れない造りでした。

したがって、

  1. 間取りを現代風に変更しプライバシーを守る
  2. 暖かく快適に暮らせる仕様
  3. ゆったりとくつろげる空間

の3点を実現し、ストレスフリーで暮らせる住宅にリフォームすることになりました。

2.リフォームでのこだわりポイント

T様がリフォームする際に、特にこだわりたいポイントであげられたのは以下の3点です。

  • 元の間取りを活かしながら快適に住める家にしたい
  • 本格的な和室はそのままの姿で残す
  • 貴重な古材を新しい空間で再利用する

順を追ってご紹介しましょう。

(1)元の間取りを活かしながら快適に住める家にしたい

「古き良き住まいの歴史を残す」というのが今回のリフォームの重要なテーマです。
元の住宅の趣も残しながら、暖かく使いやすい現代風の快適な家に変えるというのがご要望でした。古いものは磨きをかけて極力残し、新しい住宅にも取り入れるということを大切にしています。

(2)本格的な和室はそのままの姿で残す

T様宅の奥座敷は格調高い本格的な和室です。
使用されている古材は貴重なものであり、今では手に入れることはできません。T様はこの和室をそのまま残すために新築ではなくリフォームを選んでいます。

(3)貴重な古材を新しい空間で再利用する

T様宅は見事な造りの欄間やしっかりした梁など、希少価値の高い古材でつくられています。このように歴史を感じさせる貴重な古材を、インテリアの一部として新しい空間で再利用しました。旧家らしい重厚感あふれる雰囲気を演出しています。

3.【部位別】リフォームの内容

ここでは築120年のご自宅が、どのように快適な住宅に仕上がったのかについてご紹介します。

(1)歴史を感じさせる重厚な佇まい

武家屋敷風の堂々とした佇まいが歴史を感じさせる外観です。
式台の右側にある玄関は扉を新調し、塗り替えた白の漆喰の外壁に格子デザインの引き戸が美しく調和しています。

玄関の鍵はリモコン操作が可能な電子錠を使用し、セキュリティ面も高めました。石張りだった腰壁はすべてはがし、濃い色の下見板に張り替えて統一感を出しています。

(2)上り下りがラクになった玄関

以前は三和土(たたき)からの段差があり、上り下りに苦労する玄関でした。
今回のリフォームでは床を低くし三和土に式台を付けて高さを改善したので、玄関での上り下りがラクになっています。

古い建具を再利用した腰壁に合わせて玄関ホールの色を統一し、旧家らしい落ち着いた雰囲気に仕上げました。三和土の右手には壁を立て、壁裏にはコート掛けを設置しているので玄関はいつもスッキリとした空間です。ホールにある桐ダンスは曾祖母様がお嫁入りの際に持参された思い出の品で、削り直した後、調度品として玄関ホールに置いています。

(3)天井の梁が味わいある雰囲気のDK

ダイニングキッチンは天井を抜いて梁を出し、古民家ならではの味わい深い雰囲気を醸し出しています。照明も梁をくり抜いた部分に埋め込んで、カフェのようなオシャレな空間になりました。

白い天然石タイル調の床とワインレッドのシステムキッチンは、奥様たってのご希望です。ダイニングの外にはウッドデッキがあるので洗濯物を干したり、買い物をした荷物をキッチンに運び入れたりする際に重宝しているとのことです。

(4)旧家の趣が漂う格調高い和室

まるで高級旅館の奥座敷のような格調高い和室です。
以前の家で残したい部分として最優先されていました。
見事な細工の欄間は撤去した別邸の扉のものを再利用したもので、磨きをかけて補修しています。

垂れ壁は大工さんが意匠を凝らし、サッシは細かい格子入りのデザインで室内の雰囲気に合わせたことにより重厚な趣となっています。

(5)上質な木の雰囲気が感じられる洗面所

洗面台は住友林業オリジナルのものを採用し、設備メーカーの洗面台にはない「木の雰囲気」を喜んでいただいております。ミラーが大きい点も気に入って頂けました。

一見、木製に見えるカウンターですが、樹脂製のため水にぬれても劣化することはありません。ルーバー窓を設置したので風通しもよくなり、廊下からの光を取り入れて室内を明るくしています。奥にはトレーニングルームもつくり、ご夫婦で日々、汗を流されています。

4.リフォーム後の暮らしの変化

T様にリフォーム後の暮らしの変化について尋ねてみましたところ、以下のようなご回答をいただきましたのでご紹介します。

  • 掃除がしやすくなった
  • 家事動線が便利になった
  • 天井を抜いたので開放感を感じられる

T様宅は広々とした住まいなので、日常的な掃除をする箇所も一般的な住宅より多いといえます。しかし、床の段差を少なくしルンバを使えるようになったため、掃除に手間がかからないようになりました。

キッチン、バスルーム、トイレなどの水回りを集約したので家事動線が便利になり、効率良く家事ができるのがメリットです。料理をしながら洗濯も同時進行でこなせます。

LDKは天井を抜いて梁をむき出しにしたデザインで、高さがあるので開放感を感じながらゆっくりくつろげます。

5.住友林業のリフォームについて

T様が当社にリフォームをご依頼されたきっかけなどについてお伺いいたしました。

(1)住友林業ホームテックを選んだ理由

T様が住友林業ホームテックを選んだ理由は、当社が「古民家」に専門性があるということです。当社は本社に古民家チームがあり、T様宅のリフォームに関しては筑波研究所とともにベストの補修方法や古材と新材をどのように使うかを検討していきました。

他のハウスメーカーにもご相談をされていましたが、設備の仕様が安っぽく感じるなどT様のイメージとの相違点が多かったようです。結果的に古民家リフォームの実績が豊富な当社をお選びいただきました。

(2)住友林業ホームテックの対応

リフォーム工事に際しての当社の対応についてお伺いをしたところ、以下のようなご回答をいただきました。

  • 要望を出すと迅速に対応してくれた
  • 担当者が熱心に建物内部を調査してくれた
  • 納期に間に合うようにスタッフ全員が頑張ってくれた

当社のモットーはお客様に対して迅速に対応することです。ご要望がある際は、すぐに担当が現場に駆け付けます。当社の担当者が天井裏の梁を確認するため、ほこりまみれになりながら貴重な古材である梁を発見しました。そのことをT様はいまだに忘れられないとおっしゃってくださり、当社としても非常にうれしく思います。

T様のご都合で納期を早めた際には、スタッフ全員で努力をして間に合わせたことを高く評価していただいております。

6.まとめ

今回は築120年の古民家を、風格ある趣を残しながら快適に暮らせる住まいへと生まれ変わらせた、茨城県のT様の事例についてご紹介しました。

曾祖父様が建築された由緒ある古民家には、新しい住宅には真似できない「古き良き時代の歴史ある美しさ」が備わっています。
さらに格調高く生まれ変わった住宅で幸せそうに暮らしているT様ご家族の姿を見て、ご先祖様たちは安心していらっしゃることでしょう。