築101年の旧家を全面改築 コミュニティスペースに大改造

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貴方のご両親がもしお亡くなりになったら、その住まいをどうするのかを考えたことはありますか?
思い出がたくさん詰まった住まいを解体するのは忍びない、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そのような時に役立つ選択肢として、リフォームやリノベーションが挙げられます。
思い出も守りつつ、家族のこれからに役立つ住まいができたら素敵ですよね。
そこで今回は、築101年の旧家をリノベーションし、先進性と歴史ある佇まいが共存する住まいを手に入れたお客様の事例をご紹介します。

1.リフォームのきっかけ

ここではS様がリフォームを決断された理由をご紹介をします。

(1)二度と手に入らない、歴史ある住まい

S様のお父様がご逝去されてから約1年ほど、ずっと空き家となっていた旧家。
風を通すなどの対策はしていたものの、人の手が入らない住まいは徐々に朽ちていきました。
「両親が大切にしていた歴史ある住まいを守りたいという気持ちがありました。新しいものはいつでも手に入りますが、古いものは壊してしまうと二度と手に入りませんから。」とS様は振り返ります。
築101年の旧家を何らかの形で遺したいと思うようになりました。

(2)S様ご家族の将来のために

「旧家と同じ敷地に自分の家を建てたので、すぐに移り住むことは検討していませんでした。でも子供が家庭を持った時に今の家を子供に譲り、自分たちは旧家に移り住むという選択肢もあるかもしれないと思ったんです。」とS様。
ご家族のこれからを考え、リフォームを検討するようになったそうです。

(3)イベントでの活用も検討

S様は農業をされており、以前から農業体験などのイベントも行っていました。
イベントでは旧家の土間を中心に利用していたので、「みんなが集える場所として旧家を整えたい」という想いがあったとのことです。

上記のような理由から、S様は大胆なリノベーションを決断されたのでした。

2.リフォームでのこだわりポイント

S様は今回のリフォームで
「100年後も安心して暮らせる住まい」
「先進性と歴史ある佇まいの共存」
「イベントスペースとしての有用性」
を希望されました。
ここでは、S様が特にこだわったポイントについてご紹介をします。

(1)次世代に継ぐ「100年後も安心して暮らせる家」造りを

100年後も安心して暮らせる住まいを造るうえで最も重要なのは、耐震性と耐久性です。
そこで耐震補強を徹底的に行いました。土間に隠れていた土台や柱は基礎を新設し、通気対策を施しています。堂々とした大屋根も葺き替えました。
柱や梁の古材と新しく用いる建材との調和に気を配り、趣をそのまま再現できるように工夫した点もポイントです。
昔ながらの造りで屋根が高く、冬場の厳しい寒さが課題だった吹き抜けの空間は、循環換気システムを設置し暖かさも確保できるよう設計しています。

(2)古き良き日本の文化を後世に

天井をなくし見事な梁に磨きをかけた、伝統と新式が共存する空間が完成しました。
畳を張り替え、傷んだ壁を修復し、新旧の材が美しく調和する和室です。
この和室は簡易宿泊施設としても利用でき、伝統的な日本家屋で就床するという贅沢な体験をお客様に提供しています。

「子供たちに日本の伝統的なものに触れる機会を作ってあげたかったんです。それが実現できてとても嬉しく思っています。こんな太い簗は見たことがないと感心する方も多くいらっしゃるんですよ。」とS様。

レコードや柱時計など、ご両親が使っていたものをそのまま利用したので、「昔を思い出す」「田舎の家に似ていて懐かしい」などのご感想を沢山いただくそうです。

日本家屋の伝統的な建築を踏襲した、素晴らしい空間に生まれ変わらせることができました。

(3)農業と人を繋ぐあたたかなコミュニティースペース

土間空間を活かし、以前のリビングや和室のスペースも取り込んでつくったコミュニティスペースを造りました。
こちらも天井を取り払い梁を現した趣ある空間で、訪れたお客様がお茶を楽しむことができます。
旧家の良さがつまった空間でいただくお茶とあって、美味しさも倍増しそうです。

3.【部位別】リフォームの内容

ここでは更に細かく、S様のご自宅のこだわりポイントをご紹介します。

(1)伝統的な日本家屋とマッチするキッチン

カフェの調理スペースとしても自宅のキッチンとしても機能する空間に仕立てました。
コミュニティスペースからキッチンが見えるため、昭和初期をイメージした可愛らしくも懐かしい雰囲気のキッチンを造作しています。
アクセントとして、タイルをモザイク風に付けた点もポイントです。

(2)意匠を尽くした五右衛門風呂

外の景色を眺めながらバスタイムを楽しめる、モダンな五右衛門風呂を造りました。
「土間や五右衛門風呂など、昔の農家に合ったものを再現して、実際に触れてほしいと思っていました。」とS様は語ります。
昔の農家家屋のよさをのこしつつ、現代的な仕様とデザインが共生する空間になるよう設計しました。
自然に囲まれた空間で星空を堪能しながら五右衛門風呂を楽しめるという、なんとも贅沢なバスタイムになりそうです。

(3)プライベート空間を大切にしたバスルーム

今はイベントスペースとして使用する予定ではあるものの、いずれはS様ご夫婦が暮らすことも検討されている旧家。
そこで、奥の空間はプライベートスペースとして現代的な雰囲気に整えています。
特にバスルームに関しては、五右衛門風呂だけでなく普段使い用も造りました。
たまの贅沢に五右衛門風呂、普段は奥のバスルームといったように、気分によって使い分けることができるよう工夫しています。

(4)木の質感と深い色合いがシックな洗面脱衣室

リフォーム前は古く狭い空間だったという洗面室も、見違えるように生まれ変わりました。
断熱性を確保した空間に、清潔感ある洗面室を設置しています。
ワイドな洗面で使いやすく、コスメやリネン類をスッキリとしまえるよう収納もたっぷりと用意した点が工夫したポイントです。

(5)老朽化したトイレも一新

設備が老朽化していたお客様用トイレも最新式の設備に変更しています。
数々の清潔機能を備えたタンクレストイレを採用し、使い勝手が格段に向上しているのが特徴です。
空間の統一感を図るため、旧家の雰囲気と合わせた色合いを意識しました。

4.リフォーム後の暮らしの変化

S様にリフォーム後の暮らしの変化について尋ねてみましたところ、以下のようなご回答をいただきました。

  • 家が古いため非常に寒かったが、リフォーム後は格段に改善されてとても満足している。
  • 土間や五右衛門風呂など、昔の農家にあったものが再現できて嬉しい。
  • 昔の農家の家屋の良さを残しつつ、利便性が高い家となった。
  • イベントスペースとしてだけでなく、いずれは住まいとしても使えるように工夫されている。
  • 昔懐かしい雰囲気を喜んでもらえることが多い。
  • 太く立派な簗をみて感心する方も多数いる。

「非常に満足度の高いリフォームになりました」と大変お喜びいただくことができました。

5.住友林業のリフォームについて

ここではS様が当社にリフォームをご依頼されたきっかけなどについてお伺いしました。

(1)住友林業ホームテックを選んだ理由

購読されている雑誌に当社が古民家をリフォームした記事が掲載されており、当社のことをご存じだったというS様。
当社まで足を運んでくださり、冊子等も確認され「築101年の旧家を任せるなら、住友林業ホームテックさんしかないと思いました。」と振り返ります。
他社は検討することなく、当社をお選びいただくことができました。

(2)住友林業ホームテックの対応

築101年の旧家を、100年後も住めるようにしたいというご希望のS様。
そこで耐震性や耐久性を十分に考慮し、新旧の良さが引き立て合うモダンな住まいに全面改装しています。
S様にも「大変満足度の高いリフォームになりました。」と大変お喜びいただくことができました。

6.まとめ

今回は大胆なリノベーションで、築101年の旧家をコミュニティースペースに大変身させた、川崎市のS様のリフォーム事例についてご紹介させていただきました。

古き良き伝統の住まいを次世代に託すお手伝いができ、大変光栄です。
農業イベントで様々なお客様に、農業の良さ、日本家屋の良さを知っていただくことができるきっかけとなりますように。

S様ご家族、そして農業イベントに来られたお客様が、幸せで贅沢なひと時を過ごせることを願い、結びたいと思います。
この度は当社をお選びいただきありがとうございました。