「ずっと前から住んでいるみたい」が旧家リフォームの褒め言葉
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愛知県安城市にお住まいのH様ご夫婦。暮らしておられるのは、明治30年に建てられた建物です。歴史ある住まいを、趣を残しながら現代の暮らしに合わせてリフォームしました。
築128年の旧家のエッセンスをこれからの暮らしへ
明治用水を背景に農業地帯として発展してきた愛知県安城市。自然豊かで、かつて多くの旧家が建ち並んでいた地域ですが、時代の流れとともに歴史ある家屋は次々と建替えられ、姿を消してきました。そんな中、住友林業のリフォームで「旧家を残す」という選択をされたオーナー様がいらっしゃいます。
愛知県安城市にお住まいのH様邸は、敷地内に3棟を有し、うち1棟は譲り受けた息子夫婦が居住。H様ご夫婦が暮らしておられるのは、明治30年に建てられた約31坪の建物で、そちらが今回のリフォーム対象となりました。

玄関は踏み天井を見せるデザインで旧家の趣を残している
介護と耐震、2つの不安からの決断
H様がリフォームを決意されたのは、お父様の介護がきっかけでした。約50年前に水まわりを中心としたリフォームをされてはいたものの、2年ほど前から車椅子生活となったお父様の暮らしを支えるには、段差のないバリアフリーが欠かせない状況に。H様は「前々からやらなきゃと考え続けていた」といいます。
もう一つ、強く後押ししたのが地震への不安です。市の耐震診断を受けたところ、上部構造評点は0.2。震度7規模の大地震に対して倒壊の危険性が高い、とされる数値でした。それからというもの、大きな地震注意報が出た際には、家の中でも比較的新しい一画に布団を持ち込み、不安な夜を過ごされることもあったといいます。
「これからの20年を、安心して暮らせる家にしたい」。ご夫婦のシンプルな願いが、リフォームへの決定打となりました。

古材の差鴨居と明るい白壁のコントラストが美しいリビング
「建替え」ではなく、リフォームで「残す」という選択
H様ご夫婦は当初、建替えも視野に入れていらっしゃいました。リフォームの概算費用が想定を上回ったことで「いっそ新築の方が」と心が傾いた時期もあったといいます。
それでも最終的にリフォームを選ばれたのは、いくつもの理由が重なってのことでした。ひとつ目は息子夫婦の建屋にある代々受け継いできた三河仏壇の世話を、今まで通りの動線で続けたいこと。2つ目は座って眺める庭の景色を、変えたくなかったこと。そして敷地のかたちと暮らしの動線を考えると、建替えではどうしても無理が出てくること。
受け継がれてきた仏壇と暮らすために
特に奥さまが強く想いを寄せていらしたのが仏壇でした。寺院数が全国で最も多い愛知県。なかでもH様邸のある安城市一帯は、奥さまいわく「三河の一向一揆のあった地域で、浄土真宗への信仰心が強い地域」とのこと。H様は「毎朝ご飯を供えて、お勤めをしています」と口にされていました。敷地内の別棟を建替えるという案もあったそうですが、そうなると仏壇のある建物と切り離されてしまい、毎朝、敷地内を歩いて回る必要があります。「途中の段差で転んだりすると大変だし...」。仏壇との距離は変えたくない、というご夫婦の想いは、取材中の言葉の端々から伝わってきました。
かつて安城市に多く立ち並んでいた旧家の多くは、今では多くが姿を消しています。H様によれば、ご近所の中にも「歴史ある家を残したい」という気持ちを抱えつつ、旧家のリフォームに踏み切れず、やむなく建替えを選ばれた方が少なくないのだそうです。
「壊すのではなく、活かしたい」建築士との出会い
そんなとき、H様ご夫婦が出会ったのが、今回リフォームを担当したリフォームエンジニアでした。古民家再生のような仕事がしたくて、古民家が多く残る愛知に移り、住友林業ホームテックに入社したというリフォームエンジニア。「壊すのではなく、活かしたい」──そんな言葉と姿勢が、H様ご夫婦の心に残ったそうです。
契約後の打ち合わせは、「毎週いろいろ、一個ずつ決めていったように、丁寧にやってもらえた」と奥さま。細かなところまで打ち合わせは何度も重ねられ、H様ご夫婦の言葉を借りれば「参加型での家づくり」となりました。

リビングとダイニングはつながりを意識。床と天井のトーンを合わせて統一感を持たせた
安全性と安心感をかたちにするために
リフォームの中での最重要項目だった「バリアフリー」と「耐震」は徹底的に対策。家の中の段差をなくし、車椅子や歩行器でも動きやすい動線に。トイレは、車椅子のまま入って向きを変えられる広さへ。壁の中にはオイルダンパーを用いた制震装置を組み込み、揺れそのものを吸収する設計としました。
旧家の構造材を活かした空間設計
一方で、リフォームエンジニアからH様ご夫婦にご提案させていただいたのは、旧家のエッセンスを最大限残すという方針でした。

透明のアクリルパネルをはめ込んだ差鴨居
意識したのは、構造材の活かし方です。元々の和室の区画を活かしながら、柱や梁を現しにすることで旧家の趣を際立たせています。とりわけ印象的なのは、リビングとダイニングを隔てる差鴨居です。その上部に透明のアクリルパネルをはめ込むことで、下の建具を閉めても2つの空間が連続して見えるように設計。「間仕切りではどうしても"区切られた感覚"が出てしまうため、その感覚をできる限り残さないようにしました」。リフォームエンジニアの言葉です。
既存の建具や家具を活かし、歴史を受け継ぐリフォーム

貴重な材をリメイクした建具

リメイク前の状態
元々あった建具や収納も、可能な限り残しました。かつてはテレビ裏にあった古い建具の板は、玄関とリビングをつなぐ入り口の建具へと姿を変えています。床を下げたことでそのままでは納まらなかったため、板の部分だけを抜き出し、新しい寸法で組み直しました。「こんな材はもう手に入らないから使えてよかった」と、建具屋さんからも声があったといいます。玄関に置かれた下駄箱も、塗装を新しくして蘇らせた一品。下駄箱は買い替え予定だったものの手が込んだ調度だと知り、活かすことにしたそうです。

玄関の下駄箱は壁のトーンに合わせて塗装
「なぐり加工」で木のぬくもりを感じる、こだわりの床材
足元の感触にもこだわりました。床に選んだのは、住友林業のPRIME WOOD。古くから日本に受け継がれてきた「なぐり加工」を施した木材で、職人の手仕事で生み出す凹凸が特徴です。「ツルンじゃなくて、凹凸があるような床にしてもらったの。木のぬくもりが、表面のデコボコにそのまま残っているみたいで」と奥さま。最近お宅を訪問されたご近所の方からは、この床を一番褒められたそうです。

高品質な住友林業オリジナル部材であるPRIME WOODを床面に使用
リフォーム後4ヶ月でも「ずっと前から住んでいるよう」な住み心地
12月の引き渡しから、住み始めて約4ヶ月。リフォーム後のお住まいは、すでにH様ご夫婦の暮らしに馴染んでいます。H様の一番のお気に入りは、ダイニングからの眺め。窓の向こうに庭の景色が広がります。また冬の引き渡しからしばらくは、「日が差せば暖房もいらないくらい」と、断熱効果にも驚かれたといいます。

H様がお気に入りだというダイニングからの眺め
「変わらない暮らし」を守るリフォーム
取材中、ご夫婦からは「全然違和感なく過ごせているんです。住み始めて4ヶ月だけど、何も変わってないようでずっと前から住んでいるみたい」という、嬉しいお言葉をいただきました。そして「残したかったものは全部残っている」「困ったところはひとつもない」とも。
H様ご夫婦にとってリフォームしたお住まいは、「新しい家」ではなく"これまでも、これからも続いていく我が家"。家の歴史を残したいという想いを叶えつつ、安心して暮らしていける住まいへと生まれ変わりました。
このリフォームを担当したのは
住友林業のリフォーム 岡崎支店
〒444-0863
愛知県岡崎市東明大寺町9-9
TEL:0120-70-1074
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