キッチンの家事効率をアップしたいのなら収納を見直しましょう

くらしの豆知識

キッチンがより使いやすくなるような、家事効率アップと安全対策を同時に実現できる方法を紹介します。

超高齢社会といわれる昨今ですが、50代はまだまだ働き盛り。60代70代でも現役で活躍している人が増えています。しかしながら、年齢を重ねるにしたがって、仕事や家事、介護などを完璧にこなすのはつらくなってくることは否めません。
では、これらの負担を軽減するためには何をどうすればいいのでしょう。
効率化を図りやすいひとつが、家事ではないでしょうか。特にキッチンは、日々の家事でもっとも長い時間を過ごす場所。効率よくこなせるに越したことはありません。
そこで、今回はキッチンがより使いやすくなるような、家事効率アップと安全対策を同時に実現できる方法を紹介します。

家事は動線が命!キッチンでの探しモノを減らす

最近は、特に子育て世代で“時短家事”という言葉をよく耳にします。時短=手抜きというイメージが浮かぶかもしれませんが、それはまったくの誤解です。忙しいなかで、いかに手抜きなく、より簡単に家事をこなしていくための工夫をするのか。これが、時短家事の本質です。ですから、時短家事に関する情報は子育て世代に限らず、どの世代にとっても役立つといえるでしょう。
それならば、どんな工夫をすればいいの? と思った方もいるかもしれませんが、答えはいたってシンプル。「家事動線を最短にする」。たったこれだけです。

動きやすい仕組みとは?

その第一歩として重要なのが、モノを減らして、動きやすい仕組みを作ることです。たとえば、使いたいモノが見つからなくて、1日10分探しモノをしていると想定してください。単純計算すると、1週間で70分、1カ月ではなんと約1日半も探しモノをしていることになります。それは、とても無駄な時間だと思いませんか?
探しモノが多いのは、家事動線がうまく機能していないことが原因のひとつ。動線の悪さは、使い勝手の悪い収納によるものです。よって、まずは収納を見直す必要があります。

使わないモノは手放す

収納の見直しとは、ただモノを出して、位置を変えるだけではありません。まずはキッチンにあるモノを出してチェックしてみましょう。
そのなかには、少なからず使っていないモノがあるはずです。この際、手放してしまいませんか?

  • 人に譲る
  • 買取業者に引き取ってもらう
  • フリーマーケットに出す

このような方法なら捨てる必要はありません。何よりもモノを減らすことを心がけることが大切です。

モノを減らしたら、家事動線を考える

モノを減らしたら、次はキッチンの家事動線について考えてみましょう。これは、どこに何を置くのがベストなのかプランを立てるためです。

1.キッチンのどこで何をしているのかを把握する

キッチンは狭くても広くても、作業するゾーンはたいてい決まっています。
シンク周りは洗い物をする場所、コンロ周りは調理する場所。このように区切っていけば、場所ごとに使うモノがわかってきます。

2.最短の動線を考える

次に、キッチンを使う人がいつ何をするかを洗い出し、その動線を考えます。
例として、朝と寝る前に薬を飲む家族がいると想定してみましょう。その場合、食器棚からコップを取り出すよりも、シンクの近くの棚にコップが置いてあったほうが、すぐに水を注いで、薬を飲み、コップを洗うことができます。このような考え方が、スムーズな動線を作り出すヒントになるのです。

3.収納のレイアウトを決める

使う場所に使いたいモノがあるのが理想の収納です。一例として、シンク周りのレイアウトを考えてみましょう。

  • コップ
  • ボウル、ざるなどの調理道具
  • スポンジ、洗剤などの洗い物用品
  • 布巾、キッチンペーパー、ビニールなどのキッチン雑貨

上記のモノをシンク周りのどこに収納するのかを決めていきます。
このやり方をほかの場所にも当てはめていくだけです。

収納のレイアウトを決める際に注意すること

よく使うモノは、ゴールデンゾーンと呼ばれる場所に収納します。ゴールデンゾーンとは、出し入れが最もしやすい腰から目線の高さまでの位置のことです。

あまり使わない軽いモノは上段に置きます。なぜなら、高いところはイスや踏み台に乗って出し入れする必要があるからです。高齢者の転倒・転落は、死亡事故や介護が必要になる原因になりえるので、なるべく避けたいものです。また、軽いモノであれば、万が一落下したときもケガを最小限に防ぐことができます。

一方、あまり使わない重いものは下段に置きましょう。下段ならば、地震や取り出すときの落下事故を防げます。

キッチンの家事効率がアップするリフォームとは?

昔ながらのキッチンをお使いのご家庭では、収納の工夫にも限界があるのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのがリフォームです。家事効率をアップさせるだけでなく、今後の安全対策としても、リフォームは非常に有効です。
では、キッチンのどんな場所をリフォームすると安全で使いやすくなるのかを具体的に説明していきます。

1.ゴールデンゾーンの棚板を増やす

最も出し入れのしやすいゴールデンゾーンですが、たくさんモノを重ねてしまっては意味がありません。やはりスムーズな出し入れが家事の効率化につながります。
収納の仕方に困ったときは棚板を増やすことをおすすめします。市販の仕切り棚を使う方法もありますが、必ずしも棚のサイズに合うグッズが見つかるとは限りません。強度や安定感といった視点からも、棚板を増やすほうが得策です。
棚板を増やすだけで、収納力は格段にアップしますので、モノを減らす必要もなく、キレイに収まることでしょう。

2.上段に昇降式吊り戸棚を導入

キッチンの吊り戸棚は、使わないモノをためこみがちなスペースです。とはいえ、まったく使わないわけではないので、踏み台による転倒のリスクが残ります。
そこで導入したいのが、昇降式吊り戸棚です。戸棚ごと降ろす仕組みなので、使いにくいスペースを有効に活用できます。昇降式吊り戸棚は、転倒のリスクだけでなく、取り出すときにモノが落下するリスクを軽減できるのもメリットです。

昇降式吊り戸棚には、手動式とボタン式があります。腕を伸ばして戸棚を降ろす手動式の動作を考えると、シニア世代にはボタン式の昇降式吊り戸棚のほうが望ましいでしょう。

安全面に優れた昇降式吊戸棚ですが、収納量は通常の棚の7割程度と、さほど大きくはありません。しかし、モノを減らしたり、収納の工夫を行ったりすることで、収納力が落ちる部分はカバーできます。昇降式吊戸棚の導入を機に、他の部分をぜひ見直してみましょう。

「株式会社LIXIL」

3.下段は引き出し収納に変更

下段を開き扉の棚から引き出し収納に変更すれば、家事効率、安全面ともに改善されます。下段が開き扉の場合、何が入っているのかを確認するには、腰をかがめて中を見る必要がありますが、引き出し収納なら、引き出しを開ければすぐに確認できるので、出し入れもしやすく、腰の負担も軽くなります。

ちなみに床下収納庫は、都度腰への負担がかかるため、シニア世代にはあまりおすすめできません。

4.ビルトイン式食洗機の導入

上記3つのリフォームによって収納に余裕ができたら、ぜひ導入してほしいのが食器洗い乾燥機(食洗機)です。1日3回洗う手間が省けると、家事の負担が大幅に軽減されます。
また、普段家事をする人が病気やケガで洗い物ができない状況になっても、家族に負担がかからないのは大きなメリットです。
食洗機は、家事の効率化、ゆとりの時間の創出には欠かせない家電です。シニア世代のなかには、「家事を怠けているようで気が引ける」と思う方が多いようですが、そんなことはありません。むしろシニア世代こそ、積極的に活用したい家電といえるでしょう。

キッチン収納のリフォームでゆとりの時間を

収納を中心にキッチンのリフォームを考えると、家事動線が劇的に改善されることに加え、安全対策にも有効です。リフォームで家事効率のアップを図り、心にも時間にもゆとりのある暮らしを実現してはいかがでしょうか。