京都府在住の方は高齢者も安全に暮らせる家にリフォーム希望

公開日: 更新日:

「将来はこんな家に住みたい」「ここを○○のようにリフォームしたい」など、住まいに対して思い描く理想は人それぞれではないでしょうか。一方で、「○○が壊れそう」「ずいぶん年季が入ってきた」など、今すぐリフォームしたい箇所もあるかと思います。

そこで、各都道府県の方々に住まいのこだわりや実現したいリフォーム、今すぐ改善したい箇所に関してアンケート調査を行いましたので、その結果を皆様にお届けしたいと思います。

今回は、京都府に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に実施した、アンケート結果とそこからわかったことをご紹介します。

1.居住スペースの配置や区切りにこだわりがある

まずは、「あなたが住まいに関してこだわりがあるところは何ですか?」と質問した回答をみていきましょう。

(戸建て)
1位:間取り   (25.0%)
2位:断熱性   (19.7%)
3位:キッチン  (18.4%)
3位:収納    (18.4%)
3位:換気・通気性(18.4%)

(マンション)
1位:間取り   (51.9%)
2位:キッチン  (33.3%)
2位:リビング  (33.3%)

アンケートの結果、戸建てとマンションの両方で、間取りにこだわりをお持ちの方が1番多い結果となりました。特に、マンションでは間取りにこだわる方が51.9%と多く、2位とは18.6ポイントと大きく差をつけています。

このことから、京都府にお住まいの方は間取りにこだわりを持ち、部屋や収納の位置、生活スペースの区切りを工夫することで過ごしやすい住宅にしている方が多いということができます。

京都府には歴史的建造物が多いこともあり、可住地面積の広さは全国で38番目の狭さとなっています。加えて、人口も多いことから人口密度は全国6位となっており、1住宅当たりの敷地面積を広く取れないことが推測されます。

その結果、部屋の位置やスペースの区切りを工夫して、住みよい空間を作られる世帯が多いのかもしれません。

2.京都府在住の方の理想のリフォーム

次に、「あなたが住んでいる住まいを理想の住まいにリフォーム・リノベーションする場合、どこをどんな風に変えたいか詳しく教えてください。」と質問した回答をみていきましょう。

こちらは自由回答のため、抜粋したものをご紹介していきます。

個別リフォーム系の回答

(戸建て)

  • 注文住宅で自分たちの思いで建てた家なので余り問題は無いが水回りなど年数に応じて劣化した部分を直したいと思う。
  • 洗濯の置き場所がなく外に出るので、家の中に設置したい。

(マンション)

  • 下水からの臭いが上がってくるので、それをどうにかしたい。キッチンがとても狭くて収納の少ないので増やしたい。
  • お風呂を追い焚きができるようにしたい。

バリアフリー系の回答

(戸建て)

  • 高齢の所帯になるので、バリアフリーにしたい。
  • 車イスの子がいるので全バリアフリーにしたい。

(マンション)

  • 老後を考えるとバリアフリーなどの、移動に対する備え。

全体リフォーム/リノベーション系の回答

(戸建て)

  • 和室を洋室にする。キッチンを広くして収納場所を増やす。窓が全開出来ない部屋があるので、取り換える。
  • キッチンとお風呂の全面リフォーム。娘が産まれたので使い勝手の良いようにしたい。

(マンション)

  • 間取りを開放的にし、夏は涼しく冬は暖かくしたい。
  • マンション価値が下がらないように改修工事が必要。プレミアムマンションを目指している。

3.年をとっても安全に暮らせる家にしたい方が多い

ここまでは住まいに対するこだわりや理想のリフォームについてみてきましたが、5年以内にリフォームするとしたら、どういったリフォームを考えているのでしょうか。

そこで、「現在の住まいに対して5年以内にリフォーム・リノベーションなどで改善をしたい箇所はありますか?賃貸住宅にお住いの方は、仮に改善できるとしたらどこを改善したいかをお答えください。」と質問した結果とその回答理由を確認していきましょう。

(戸建て)
1位:お風呂 (23.7%)
2位:外壁  (22.4%)
3位:キッチン(18.4%)
3位:トイレ (18.4%)

(マンション)
1位:キッチン(29.6%)
2位:お風呂 (22.2%)
3位:トイレ (18.5%)

アンケートの結果、戸建て、マンションの両方でお風呂・トイレ・キッチンという水回りがTOP3となり、戸建てでは2位に外壁もランクインしていますが、回答の理由は次のようになっています。

(戸建て)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (38.0%)
2位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(16.0%)
2位:住宅の維持管理をしやすくする       (16.0%)

(マンション)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (38.5%)
2位:間取り、収納、設備などを使いやすくする  (23.1%)
3位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(7.7%)
3位:住宅の維持管理をしやすくする       (7.7%)
3位:自身に対する安全性の向上         (7.7%)
3位:省エネルギー性能の向上          (7.7%)

使用頻度の高い水回りのリフォームニーズが高いことからもわかるように、戸建てとマンションの両方で「住まいのいたみを直す、きれいにする」という理由が1位となりました。これらは、京都府に限った話ではなく、他の都道府県でも多く見られる傾向です。

しかし、その他にも戸建てとマンションの両方で高齢期でも安心・安全に住めるような家にしたいというニーズが高くなっているのには、京都府特有の背景があります。

京都府では住宅の老朽化が問題視されており、バリアフリーへの対応が遅れているのです。

京都府の「京都府住生活基本計画」によると、共同住宅(持ち家・借家を含む)のうち、1980年以前に建てられた築古の住宅割合は、京都市、宇治市で約2割、長岡京市で約3割、八幡市では約5割となっており、各世帯の老朽化が深刻な問題となっています。

高経年住宅ではバリアフリーに対応していない住戸が多く、段差が多い、動線が悪いなど、安全な生活にハードルとなる部分が多くあります。そのため、高齢期にも安心して住めるような住まいにリフォームしたいとの要望が多いと推測できます。

4.思い出の和室をそのままに明るい空間へリフォーム

京都府在住の方に、住まいのこだわりや理想のリフォーム、直近5年でリフォームした箇所についてアンケートを取った結果をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

住まいに対してこだわりや住みたいと思う理想はありつつも、将来ではなく直近5年のように、現実的な設問になると今困っていることや利便性を求める方が多いようです。

実際、なにかが故障してから買い替えやリフォームを検討される方も少なくありません。

しかし、これから住み続けていく住まいでは、理想とする住まいの形を実現するために、まとめてリフォーム/リノベーションをしてしまった方が、トータルで見ると安くなるケースがほとんどであり、住みたいと思える家で暮らすことができます。

この機会に、改善したい個所ではなく、「どんな家に住みたいか?」を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に、京都府で理想の住まいを手に入れたN邸の事例をご紹介します。

築24年の戸建てにお住まいでしたが、息子夫婦と同居することをきっかけに間取りや設備を一新しようと実際にフルリフォームされました。

思い出の和室はそのままにしたいとの要望を叶えつつ、水まわり(浴室・バス、トイレ)、居室(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋など))、その他(玄関・ホール)など全面的にリフォームし、外の光を取り入れた明るい空間を実現した事例になります。