2019年版・住まいの実態調査【福岡県編】住まいのこだわり

福岡県在住の方は空間を活かしたリフォームを重視

住まい研究所

九州地方の県でも最も人口が多く、気候は比較的温暖な福岡県。自然災害に関しては、内閣府が平成24年8月29日発表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、30都道府県内で甚大な被害が発生するとされましたが、福岡県の被害想定は他の太平洋側の都道府県と比べ大災害となる可能性は低いものでした。このような土地柄である福岡県に住んでいる方々は、住まいに関してどのようなこだわりを持っているのでしょうか。

「将来はこんな家に住みたい」「ここを○○のようにリフォームしたい」など、住まいに対して思い描く理想は人それぞれではないでしょうか。一方で、「○○が壊れそう」「ずいぶん年季が入ってきた」など、今すぐリフォームしたい箇所もあるかと思います。

そこで、各都道府県の方々に住まいのこだわりや実現したいリフォーム、今すぐ改善したい箇所に関してアンケート調査を行いましたので、その結果を皆様にお届けしたいと思います。

今回は、福岡県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に実施した、アンケート結果とそこからわかったことをご紹介します。

1.生活空間の設計とリビングにこだわりがある

まずは、「あなたが住まいに関してこだわりがあるところは何ですか?」と質問した回答をみていきましょう。

(戸建て)
1位:間取り (46.7%)
2位:リビング(20.0%)
2位:収納  (20.0%)

(マンション)
1位:間取り (42.9%)
2位:キッチン(27.0%)
3位:リビング(23.8%)
3位:採光  (23.8%)

戸建て、マンションの両方で40%以上獲得して1位となったのが間取りです。2位以下とは戸建てで26.7ポイント、マンションで15.9ポイントもの差をつけています。

一方、2位以下を詳しく見てみると、戸建てでは2位にリビングと収納が同率で並び、マンションでは2位がキッチン、3位が同率でリビングと採光という結果となりました。

このことから、福岡県にお住まいの方は生活空間の設計とリビングにこだわりを持っていることが伺えます。

福岡県は可住地面積1km²における人口密度が1849.3人と全国で8番目の高さとなっています。さらに、福岡市では土地開発業者による土地購入で地価が上昇しており、県内全体で広い敷地を確保することが難しくなっています。

そのため、間取りやリビングにこだわり、限りある空間を有効活用することで快適に過ごせるように工夫している世帯が多いのかもしれません。

2.福岡県在住の方の理想のリフォーム

次に、「あなたが住んでいる住まいを理想の住まいにリフォーム・リノベーションする場合、どこをどんな風に変えたいか詳しく教えてください。」と質問した回答をみていきましょう。

こちらは自由回答のため、抜粋したものをご紹介していきます。

個別リフォーム系の回答

(戸建て)

  • 風呂にゆっくり入れる様に、大きくしたい。
  • キッチン、洗面台の床がブヨンブヨンしているので床の修理と風呂場を使いやすくしたい。

(マンション)

  • 台所を大きくして料理を思いっきりしたい。
  • 風呂場を、清潔かつもう少しゆっくりできる広さと設備に変更したい。

バリアフリー系の回答

(戸建て)

  • バリアフリーで段差をなくしたい。
  • 親と今後同居した際にバリアフリーの家にリフォームしたい。

全体リフォーム/リノベーション系の回答

(戸建て)

  • リビングに冬は太陽の光が入らないので、寒いから、サンテラスなどを作りたい。
  • 子供が大きくなったのでゆったりくつろげるようにリビングを広くしたい。

(マンション)

  • 部屋が細かく仕切られているので、開放感のある家にしたい。トイレトレーニングお風呂が狭くて使い勝手が悪いので、年をとっても遣いやすいようにしたい。
  • 子どもが一人できたので、断熱効果を高め、節電意識を持てるような家にリフォームしたい。

3.狭い空間を活用して使いやすい間取りにしたい方が多い

ここまでは住まいに対するこだわりや理想のリフォームについてみてきましたが、5年以内にリフォームするとしたら、どういったリフォームを考えているのでしょうか。

そこで、「現在の住まいに対して5年以内にリフォーム・リノベーションなどで改善をしたい箇所はありますか?賃貸住宅にお住いの方は、仮に改善できるとしたらどこを改善したいかをお答えください。」と質問した結果とその回答理由を確認していきましょう。

(戸建て)
1位:お風呂(31.1%)
2位:トイレ(28.9%)
3位:間取り(20.0%)

(マンション)
1位:トイレ(20.6%)
1位:お風呂(20.6%)
3位:間取り(19.0%)

アンケートの結果、戸建て、マンションの両方でお風呂・トイレ・間取りがTOP3を占め、水回りが中心にランクインした結果となりましたが、回答の理由は次のようになっています。

(戸建て)
1位:間取り、収納、設備などを使いやすくする(42.9%)
2位:住まいのいたみを直す、きれいにする  (25.0%)
3位:省エネルギー性能の向上        (14.3%)

(マンション)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする  (34.4%)
2位:間取り、収納、設備などを使いやすくする(21.9%)
3位:住宅の維持管理をしやすくする     (12.5%)

使用頻度の高い水回りのリフォームニーズが高いことからもわかるように、「住まいのいたみを直す、きれいにする」という理由が戸建てでは2位、マンションは1位と上位に選ばれました。これらは、福岡県に限った話ではなく、他の都道府県でも多く見られる傾向です。

しかし、間取りや収納、設備を使いやすくしたいという声が多いのには、福岡県の公営住宅には規模が小さく古い住居が多くなっているという背景が考えられます。

福岡県では戦後から福岡市周辺の春日市、大野城市などに次々と公営住宅が建設されました。公営住宅は小さい部屋のものが多く、築年数も経ってきています。先ほど見たようにこだわりのある箇所では限られた空間を活かした間取りが選ばれましたが、高経年住宅ではスペースを上手く活用できていないケースが多く、不満につながったのかもしれません。

また、住宅の老朽化が進み設備も古くなっているため、収納や設備に対する不満が大きくなっていることが想像できます。

4.庭を楽しむ家にリフォーム

福岡県在住の方に、住まいのこだわりや理想のリフォーム、直近5年でリフォームした箇所についてアンケートを取った結果をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

住まいに対してこだわりや住みたいと思う理想はありつつも、将来ではなく直近5年のように、現実的な設問になると今困っていることや利便性を求める方が多いようです。

実際、なにかが故障してから買い替えやリフォームを検討される方も少なくありません。

しかし、これから住み続けていく住まいでは、理想とする住まいの形を実現するために、まとめてリフォーム/リノベーションをしてしまった方が、トータルで見ると安くなるケースがほとんどであり、住みたいと思える家で暮らすことができます。

この機会に、改善したい個所ではなく、「どんな家に住みたいか?」を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に、福岡県で理想の住まいを手に入れたF邸の事例をご紹介します。

父から受け継いだ家に大事に住んできたFさんは、熊本地震で浴室に亀裂が入り使えなくなったことをきっかけに、受け継いだ家をできるだけ壊さずに「庭を楽しむ家」にしたいとリフォームを決意されました。

浴室から庭を眺められるように窓の位置を変更するなど「庭を楽しむ家」のテーマに沿って仕様を変更し、水まわり(浴室・バス、トイレ、洗面)、居室(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋など)、外まわり(外壁)、その他(玄関・ホール)などをリフォームされた事例になります。