2019年版・住まいの実態調査【福岡県編】 住まいに関する具体的な不満とその対処法

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「あなたは自分の住まいに不満をもっていますか?」そう聞かれた時、あなたはどんな風に答えますか。

九州地方の県でも最も人口が多く、気候は比較的温暖な福岡県。自然災害に関しては、内閣府が平成24年8月29日発表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、30都道府県内で甚大な被害が発生するとされましたが、福岡県の被害想定は他の太平洋側の都道府県と比べ大災害となる可能性は低いものでした。このような土地柄である福岡県に住んでいる方々は、住まいに関してどのような不満を抱えているのでしょうか。

そこで、当社は福岡県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に、住まいに関する不満に関するアンケートを実施しました。その結果や全国で実施したアンケート結果を比較してわかったこと、住宅の不満解消のためのリフォーム事例などをご紹介します。

1.福岡県の住まいに関する不満

まずは、福岡県の住まいに関する不満を全国の結果と比較しながら見ていきましょう。

1-1.住まいに関する不満

まずは、福岡県在住の方に「住まいに関する不満はありますか?」と質問した結果です。

非常に不満:7.3%
多少不満:41.3%

合計すると、住まいに不満のある方は、48.6%となりました。

次に、全国を対象としたデータを見てみましょう。平成25年に国土交通省が全国に対して実施した「住生活総合調査結果」の「住宅及び居住環境に対する総合的な評価」の結果です。

非常に不満:3.3%
多少不満:18.8%

合計すると、22.1%となっています。

実施した時期は違いますが、全国と比較すると福岡県在住の方の住まいに対する不満は倍以上という結果となりました。

1-2.住まいに関する具体的な不満

次は具体的な不満を見ていきましょう。

福岡県在住の方に「住まいに関する具体的な不満は何ですか?」と質問した結果です。

1位:台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ(49.1%)
2位:住宅の広さや間取り(47.2%)
3位:収納の多さ、使いやすさ(35.8%)

一方、全国の「住宅の個別要素に対する不満率」のアンケート結果です。

1位:高齢者への配慮(53.5%)
2位:地震時の住宅の安全性(48.6%)
3位:冷暖房などの省エネルギー性(46.7%)

次いで「住宅のいたみの少なさ」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の防犯性」となっています。

全国では安全性や快適に生活するための項目が上位を占めていますが、福岡県では間取りや水まわりに関する項目が上位を占める結果となりました。

2.福岡県在住の方の住まいの不満とは

全国調査と比較して、福岡県では「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」「住宅の広さや間取り」「収納の多さ、使いやすさ」の3つが特有の不満として挙がっていることがわかりました。

これら3つの不満率の高さに関しては、現代のライフスタイルやライフステージの変化に対応できていない住宅がままあることが背景にあると推測されます。

福岡県では、戦後に県内経済の中心地である福岡市周辺の春日市、大野城市、太宰府市、北九州市周辺の苅田町、遠賀町、直方市などでは相次いで公営住宅が建てられました。

しかし、それらは規模が小さく、個々の住宅が狭く、浴室や台所の設備なども近年の住宅水準より低いものが多くあり、設備などへの不満が多いのもうなずけます。

また、福岡市は分譲マンションの販売単価が上昇したことで、分譲マンションデベロッパーによる土地購入の際の購入単価が大幅に上昇し、地価も上昇しています。

それに加えて、政令指定都市である福岡市、北九州市では、人口が増加していることから、人口密度が高く広い敷地を確保しづらい場所が多いことも「住宅の広さや間取り」に対する不満の要因の1つと考えられます。

3.不満を解消した福岡県のリフォーム事例

リフォーム・リノベーションは、住まいの不満を解消するための1つの方法です。

住まいの不満を解消して住みやすい住まいに変えたケースとして、福岡県のリフォーム事例を紹介します。

【福岡県 N邸】

築年数40年の戸建て住宅でしたが、水まわり(キッチン、トイレ)、居間(リビング・ダイニング、和室、洋室(寝室・子供部屋など))、その他(玄関・ホール)をリフォームした事例です。築年数が古くても住みやすい住まいに変えることができます。

4.住まいの不満をリフォーム・リノベーションで解消

リフォームには、台所・トイレ・浴室などの水まわり、玄関の収納など、気になる部分だけを行うものから、間取りなどを変更する大々的なものまで様々です。

予算や目的に応じて適切なリフォームを行うことで住まいの不満を解消することができます。

ただ不満があるからと言って将来的なことを考えずにリフォームを行うと失敗するケースも少なくありません。目的を整理して、優先順位をつけ、十分な下調べを行ってください。

時間をかけて準備をすることで、目先の不満を解消するだけでなく、子供の成長や家族構成の変化にも対応できるリフォーム・リノベーションを実現することができます。

5.まとめ

今回は、全国と比較しながら福岡県特有の住まいの不満とそうした不満を解消したリフォーム事例を紹介しました。

福岡県では、公営住宅の老朽化など現代のライフスタイルやライフステージの変化に対応できていない住宅がままあることから、間取り、水まわりなどに対して不満が多いことがわかりました。

リフォーム事例のように、現在の住まいに不満を抱えている方は、リフォーム・リノベーションが不満を解消する1つの方法です。もし住まいに不満があったら、リフォーム・リノベーションを考えてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

参考サイト1:Fukuoka Facts(増えているのは,選ばれているから。)
http://facts.city.fukuoka.lg.jp/data/population/

参考サイト2:#FUKUOKA『福岡の不動産投資事情をよく知る人物が語った、福岡の基準地価高騰のワケ』
http://hash.city.fukuoka.lg.jp/news/archives/195

参考サイト3:福岡県住宅供給公社『事業概要・実績』
https://lsf.jp/corporation/corporation03.html

参照サイト

国土交通省“平成25年住生活総合調査結果”[① 住宅及び居住環境に対する総合的な評価(p.29)]の一部を抜粋.国土交通省.2015.9.30.
http://www.mlit.go.jp/common/001104812.pdf、(参照2019-03-25).