Vol.08『父の形見』山口県熊毛郡 T様邸 築約130年
「父は、この古い家を本当に愛していました」
山口県熊毛郡、ゆたかな自然に囲まれた山間をいくと、立派な庭が目に飛び込んできた。
山を背にして堂々と建っているのは一軒の旧家。
大切に守り継がれてきたその家は、築130年にもなるのだという。
「父は、この家をそれは大切にしていたんですよ」ご主人は、懐かしそうに語りはじめた。
「父の想いを守りながら、心地いい家にしたい」
「父はずっと、この家を壊してしまうことに反対していたんです」。しかし、家の中は暗く、住み心地に不安もあった。お父様が亡くなったのをきっかけにお母様と一緒に暮らすためにリフォームを決意したのだとか。お父様の想いのこもった形見ともいえるこの家を守りながら心地良い家によみがえらせたい。その想いをリフォーム会社に託した。
「家が明るくなったせいか気持ちまで明るくなったようです」
「とにかく明るい家にしたかったんです」床に明るい色の無垢材を使用、吹き抜けを設け上の窓から光を取り入れたことで、旧家とは思えないほど明るい空間が生まれた。さらに、窓には複層ガラスを採用、暖かさまでも手に入れた。
ご主人は「ここまで快適になるなんて、期待以上でした」と嬉しそうに微笑む。
「母も、妻も、私も、お気に入りの場所ができました」
「暖かさがじわじわ伝わってくるんです」お母様は薪ストーブの側のタイルに足を置いて心地良さそうにくつろぐ。奥様は広々としたペニンシュラキッチンがお気に入り。ご主人は鉄平石を敷き詰めた玄関で、農作業の合間にお茶を飲むのが楽しみだそう。
愛する家で、家族が幸せに暮らす様子を遠くから眺めながら、お父様もきっと喜んでいるに違いない。
山口県熊毛郡 T様邸のリフォームデータ
所在地 | 山口県熊毛郡 |
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築後年数 | 約130年 |
総工事床面積 | 167㎡ |
工事期間 | 4ヶ月 |
ひときわ明るくよみがえった、築130年の家。
中二階の小屋裏収納を取り払い吹き抜けにすることで、明るく開放感あふれる空間が生まれた。
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リビング
薪ストーブを置いたリビングには、明るい色の床材を採用。ダイニングとつなげることでオープンな空間になった。
和室
吹き抜けの上の窓から光がふりそそぎ、部屋全体が明るくなった。
キッチン
奥様お気に入りのペニンシュラキッチンからは家族がどこにいても目が行き届く。
寝室
大きな窓から光がたっぷり入る、開放的なベッドルーム。
玄関(リフォーム前)
玄関(リフォーム後)
以前は上がり框の段差が不便だったため使ってなかったという玄関。鉄平石を敷いて、使いやすく趣きのある空間に生まれ変わった。