特別対談

知る人ぞ知る家具
「sphere」
その誕生を語る。 〈後編〉第5話 2025.2.21

技術を活かした品質

sphereを支える
カリモクの技術

川村

製造の話で言えば、カリモクさんの技術があってこその、スフィアのクオリティだと感じています。
カリモクさんは人間工学に基づいた「座り心地研究」をされていて、それが素晴らしい。美しいデザインである上に、座り心地も強度もしっかり保たれています。

副島

そこはうまくいったと思います。
例えばスフィアのチェアでは、背もたれは体に合うように曲面ですが、これは隣あった3枚の板を重ねて曲げた後、削る工程を経て生まれます。削る際にある程度の厚みがある板を使わないと、2枚目の板が見えて木目がおかしくなってしまう。それで厚みをよく検討しました。

川村

肘掛け部分は、ひねっているように見えて実は無垢材から削り出しているんですよね。

副島

そうです。どちらも曲線ですが、背もたれと肘掛けでは造り方が違う。それぞれの部位に最適な製造方法にしています。
チェアの座面は、裏側から4本のビスで止められていて、取り外すことができます。メンテナンスもできますし、座面だけを将来的に取り替えることもできるようになっています。

川村

細かい工夫が行き届いているなと思いますね。
チェアの裏側の材まで、全て曲面仕上げになっていて、すごく丁寧に造られていることが見てとれます。

副島

チェアの脚と肘掛けの取り付け方なども、外から見えない造りにしています。
現在は、外側からボルトを打ち、木栓で埋めて金具を隠す、というのが方法としては多いのですが、スフィアはそもそも全部見えないところで組んでいます。

川村

そうだね。確かにボルトが見えない。あえて、難しいことをやっているわけですね。

副島

難しいデザインの家具の場合、製造側から「仕様を変えさせてくれないか」と言われることもあるのですが、スフィアに関してはそれがなかった。デザインを優先してくれているんです。

川村

チェアなどは特に壊れちゃいけない。強度が必要なわけで、両立が大変。

副島

チェアの肘掛けと背もたれも、斜めに繋がっている。それも非常に難しいんですよ。

川村

材と材を組み合わせる接合部でありながら、斜めや曲線のデザイン。そんな場所まで、ラインがぴったりと合っている。本当にすばらしい。
テーブルの脚もひと工夫あったとか。

副島

テーブルのサイズを支える強度と、デザインを両立するために、脚の間隔と角度をどうするか。構造的に難しかった部分でした。

川村

まさに、技術と美しさの共存ですね。

副島

チェアでもテーブルでも、製造側でデザインを壊さないように、ということをすごく大事に思ってくれています。
まあ、住友林業さんが言うならやるしかないと、思っているのかもしれないですが(笑)。

川村

いやいや、本当に頑張ってもらっている。ありがたいです。

<第6話に続きます>