特別対談
知る人ぞ知る家具
「sphere」
その誕生を語る。
〈前編〉第4話
2025.2.14
大事なのは、「人」の力
副島
試作品を作ったら、ショールームに持ち込んで、住友林業さんに見ていただく。
大きな齟齬がなければ、そこから脚の角度やテーブル板の端のデザインまで、とっても細かく意見交換していきました。
川村
肘掛けの先はもう数ミリだけ削ろうとか、この曲線はもう少しなだらかにしようとか。
ちょっとしたことでフォルムが全然違ってしまいますから。
副島
椅子もソファも、センターテーブルの時も同じように、お互いに意見をいろいろ出し合いながら詰めていきました。
川村
僕はデザイナーではないけれども、見た時に自分が気に入っていないと「いいぞ」とは言えないですからね。
副島
そのため、一次試作と二次試作とではだいぶ形が変わっています。
一次試作の時にまずまずの評価はいただいていても、そこからまたデザイナーが「それならこうしよう」と深く追求したこともあったり。
川村
どんどん丸みを帯びたデザインになっていったのは、試作を見て僕がもうちょっと丸くしようと言ったからかな。
椅子やテーブルのデザインって、本来は直線と直角なら作りやすい。そこに曲線や斜めのラインが入ってくると力学的にも非常に難しくなってしまうわけです。
副島
それでも曲線が多いスタイルを貫いて、今のデザインに近づいていった、みたいな流れでした。
川村
それとね、製造のトップの方の鶴の一声があった。
カリモクさんって、普段は作るものによって生産工場が違う。でも、試作品を見に行った時、製造のトップの方が「スフィアのコンセプトに合わせて、共通のデザインで横断的に作りましょう」って言ってくれて。
副島
ええ。みんなでやろうと。
川村
彼がそう言ってくれなかったら、スフィアはこうはなっていなかったかもしれない。
その言葉があったから、開発チームから製造現場まで、皆さんが意識を統一して取り組むことができたと思います。
やっぱり「人」なんだよね、結局は。
副島
その人は、デザインと強度の関係にとても精通していて「ここはこうすれば、デザインと強度を両立できる」みたいなアドバイスが幾つもありましたね。
川村
初対面だったけど、非常によく理解して、親身に我々の思いを受け止めてくれて「やりましょう!」と言ってくれた。うれしかったですね。
カリモクさんの、そういう「人の力」がスフィアの成功に繋がったと思います。
知る人ぞ知る家具、スフィア開発のストーリー、お楽しみいただいていますか?
次回は、製造現場でのエピソードや変わらぬ人気の秘密、その後の進化などをテーマにお話ししていきます。
ぜひ、引き続きお楽しみください。


