子どもの頃から、部屋の模様替えで自分の空間をつくるのが好きでした。内装やインテリア関係の仕事に携わりたいと就活を進めており、リフォーム事業にも「内装仕上げに近いのかな」と軽い気持ちで興味を持ち始めました。いろいろな会社を見ましたが、住友林業ホームテックは「リフォームエンジニア（営業＋設計）」がある業界内でも珍しい会社でした。営業も設計も一気通貫で担当することでお客様のご要望をダイレクトに具現化できる。そんな面白さを感じました。住友林業は、木を活かしたサステナブルな事業に携わっており、グループ全体の社会貢献性の高さも魅力のひとつでした。入社後は、リフォームエンジニア職として、住友林業で新築を建てたお客様から、ほかのハウスメーカーで建てた一般のお客様まで幅広くリフォーム提案を担当しました。業務内容は「技術営業」に近く、入社後に取得した建築士の資格知識を活かしながら、設計から積算まで一貫して進めていきました。ただ、5年弱のリフォームエンジニア職では、施工現場の知識の足りなさを痛感することが少なくありませんでした。当時の支店長は工事管理職を経験しており、どんな技術的な質問にも的確に答えてくれたことから、「自分も現場経験を踏んで、こんな風に知識をつけたい」と職種転換を希望し、入社5年目の冬から工事管理職のキャリアをスタートさせました。

工事管理職の仕事は、リフォームエンジニア職が提案した「想像」を、具体的に「創造」することです。お客様のご要望をもとにして、リフォームエンジニア職が描いた図面や予算をベースに、工程管理表を作成。お客様との数回の打ち合わせを経て、建築資材の発注を進め、工務店や施工会社など多くの協力会社が安全・円滑に仕事ができるよう、環境を整備していきます。リフォームと一言でいっても、台所や浴室など家の一部を手掛けるものから、数千万円をかけた新築物件のようなフルリフォームを行うものまでさまざまです。品質管理の責任者として、「将来を考えると、仕上げ材はこちらを使った方がいいです」「ほかにこんな商材もありますよ」と提案することもあります。そういった提案は、お客様が使いやすいかどうか、長く住みやすいかどうかの観点から選択肢を提示し、ベストを選んでいただきたいので積極的に行っています。住み慣れた家が新しく生まれ変わり、心から喜んでいる姿にはとても感動します。「奥村さんが工事担当だったから安心できた」と完工後も定期的にご連絡をくださるお客様や、リピートで発注いただくお客様もいらっしゃって、すごくやりがいにつながっています。

リフォームは、愛着のある家をより良くするもの。日常の生活の中でお客様が感じているストレスを取り除き、暮らしをより豊かにするものだと思っています。20代のころは、ただ目の前のお客様のニーズに応えなくてはと必死でした。しかし、10年の経験を経た今では、「この提案でお客様の生活は本当に良くなるだろうか」と、お客様の将来的な“満足度”を考えることができるようになりました。こうした本当の意味での“お客様満足”は、リフォームエンジニア職から工事管理職、指定工事店の職人さん、全員の力が合わさってはじめて実現できるものです。それをそれぞれが理解しているからこそ、当社には、一人ひとりの知識や経験、考えを尊重する社員が多いと感じます。部署の垣根を超えて教え合い、お客様のために協力しながら切磋琢磨できる環境が、当社にはあると思います。

入社11年目の2022年4月からは、工事管理職をマネジメントする工事統括を担っています。これまでは自分の物件だけを見ていましたが、メンバーのフォローに入ることが増えてきました。具体的には、工事管理職5人の進捗管理や、お客様とリフォームエンジニア職・工事管理職との間に立った折衝などです。リフォームエンジニア職で鍛えられてきた対人スキルと、工事の知識に基づいたハード面での課題解決スキル。営業・設計・工事の全ての気持ちを汲み取りながら話ができるという強みを活かし、日々仕事に取り組んでいます。そういったチーム運営で力を入れているのは、連携力向上です。「事例共有」でチーム内の知見を増やしたり、「もっとこう進めればいいのでは」と意見を言い合える状態をつくったりと、プロジェクトをスケジュール通りに進めるためのさまざまな工夫を行っています。お客様の想いやリフォームエンジニア職のアイデアを引き継ぎ、いかに高い品質のアウトプットを提供できるかが工事管理職の腕の見せどころです。今後もプロジェクトに関わるあらゆる方とのコミュニケーションを大切にしていきながら、お客様のご要望に応えていきたいです。