ひとり暮らしの女性必見 安全に暮らせる戸建てと防犯リフォーム

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近年、シニアの多くは子どもとは別の家で暮らしています。夫に先立たれた妻がひとりで長く暮らすケースも少なくありません。女性がひとりで住むとなると、住まいに関する防犯を不安に思う方は多いでしょう。特に戸建て住宅に住んでいる場合はセキュリティ対策が万全のマンションより、心配な点が多いかもしれません。
今回は「女性のひとり暮らしでも安全に住める戸建て」についてご紹介します。

ひとり暮らしの女性の高齢者が増えている

日本女性の平均寿命は年々伸びています。令和2年時点では87.74歳と、男性の81.64歳よりも、おおよそ6年長生きする傾向にあります。そのため、同世代の夫婦の場合は女性のほうがひとり暮らしになるケースが考えられます。

厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況|P2 表2 平均寿命の年次推移」をもとに作図

戸建てでも安心! 女性のひとり暮らしの防犯リフォーム

ひとり暮らしを考えた場合の住居では、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
戸建てはマンションのようにオートロックや高層階といった物理的な隔絶でセキュリティ面を安全にすることはできません。したがって、住まい自体を安全な造りにする必要があります。
ここでは、「女性のひとり暮らしでも安全に住める戸建て」にするための防犯リフォームについてご紹介します。

1.窓は防犯ガラスとシャッターの併用

警察庁の防犯データによると、空き巣の侵入手口でトップになったのは「無締り」、2位は「ガラス破り」となりました。このように、家の中でねらわれやすい侵入経路は「窓」がトップです。

警察庁「住まいる防犯110番」より転載

窓はガラスを破れば簡単に侵入できるため、警察庁は「防犯ガラス」「防犯フィルム」を推奨しています。それぞれ特徴は以下のようなものです。

防犯アイテム

特徴

防犯ガラス

・2枚以上のガラスの間に柔軟で強靭な中間膜を挟む

・熱と圧力を加えて接着しており破片が飛散しにくい

・打撃を与えても貫通しにくい

防犯フィルム

・総厚350μm以上のポリエステル製で5mmのフロート板ガラスに一枚全面貼りすることが条件

・フィルムが破れにくく剥がれにくい

・専門事業者に適切な施工を依頼しないと防犯性能が発揮されない

警察庁「住まいる防犯110番」を参考に筆者作成

警視庁では打ち破り実験の動画を公開していますが、ここではバールのようなもので何回も強打しないと窓を割ることのできない様子がわかります。大きな音を何回も立てることになるので、空き巣に入ろうとしてもご近所に不審な物音が響き渡ってしまいます。空き巣は大きな音を嫌うこともあり、防犯効果が高いといえそうです。

警察庁「住まいる防犯110番」より転載

2.玄関は「1ドア2ロック」で厳重ロック

玄関ドアも窓と同様に侵入経路として注意したい場所です。玄関は「1ドア2ロック」仕様にして厳重にロックすることが大切です。鍵の数が多いほど解錠に時間がかかるので、ひとつのドアにつき2つの鍵をつけるようにしましょう。ドアをピッキングに5分以上の時間がかかるCP製品と交換するのもよいでしょう。このほか、鍵を電子錠にする方法も有効です。さらにTVモニター付インターフォンも備え付けると、来訪者の姿が確認できるので不審者を招き入れることを避けられます。

3.防犯センサーを取り付ける

これは、玄関や窓など侵入口にセンサーを搭載した照明を取り付けるものです。人間や動物、車などの動くものに反応して自動的にスイッチが入り、一定時間照らしてくれるので、光を嫌う侵入者に心理面なプレッシャーを与え、犯行を防ぐことに役立ってくれます。このほか、光だけでなく音で侵入者を知らせるセンサー、窓などのガラスの破壊を検知して警報音を出すブザーもあります。

4.防犯カメラを設置

防犯カメラを設置すると、心理的に侵入者が入りにくくなります。戸建ての場合は玄関や窓、ベランダや勝手口などに設置すると効果的です。なるべく目立つように設置することで、空き巣などの被害を抑えられます。センサーライト付の防犯カメラもあり、 人が近づくとセンサーで照明を点灯させながら対象者を監視します。 一体型なのでコンパクトに設置できるのがメリットです。

5.宅配ボックスの設備

宅配業者を名乗って押し入る強盗も少なくありません。「○○宅配便です」などと名乗られてしまうと、つい油断してドアを開けてしまうものです。
宅配業者だけでなく電気やガスの点検、近所の住民などを装って自宅に押し入り、金品を奪う押し込み強盗も少なくありません。訪問を装った犯罪は、白昼堂々と行われることもあるので、宅配ボックスの設置も検討したいところです。

女性のひとり暮らしで気をつけたい5つの生活習慣

住まいの防犯性をグレードアップしても、生活習慣に防犯意識がなければ安全には暮らせません。ここでは、女性のひとり暮らしで気をつけたい生活習慣を5つご紹介します。

1.短時間でも施錠する

近所へのゴミ出しなど、5~10分程度鍵をかけずについ出てしまうことはないでしょうか。たとえ、短時間でもプロの空き巣は入り込み、金品を奪って逃げていきます。「短時間だから大丈夫」という思い込みは捨てて、少しの時間でも留守にするときは必ず施錠するようにしましょう。

2.表札やポストには名字だけを記載する

表札をフルネームで書くと女性のひとり暮らしだと分かってしまい、空き巣にねらわれるリスクが高くなります。「名字」だけの記載でも郵便や宅配には影響ありません。女性のひとり暮らしというだけで悪質な訪問販売のターゲットにされるおそれもあります。十分気をつけましょう。

3.訪問者をすぐ自宅に入れない

予定のない訪問者はモニターなどで姿や用件を確認し、チェーンロックなどをつけたままドアを開けるようにします。くれぐれも完全にドアを開けないようにしてください。侵入されたら一巻の終わりです。用件を詳しく聞き、必要のない場合は対応しないようにしましょう。

4.窓を開けっぱなしにしない

侵入経路でもっとも多いのは窓であり、1階だけでなく2階も危険です。空気を入れ替えるからといって、開けっ放しで外出しないようにしましょう。2階程度ならプロの空き巣は入り込むのも簡単です。就寝時に窓を開放したままで寝るのも、もちろん避けるようにしましょう。押し込み強盗に入られる危険があります。

5.洗濯物は室内や外から見えない場所に干す

洗濯物が女性の洋服しか見当たらないと、「女性のひとり暮らし」が分かってしまいます。
外に干す場合は男性の服を一緒に干すのも効果的です。ただ、日常的に行うには少々面倒かもしれません。近年では部屋干し用の洗剤がたくさんあるので、外干しをやめることもおすすめです。風通しの良い室内に干せばカビや雑菌の繁殖を抑えられ、嫌な臭いに悩まされることもありません。手間をかけずに防犯対策ができます。

まとめ

今回は女性のひとり暮らしでも「安心して住める戸建て住宅」について解説しました。
女性は男性より平均寿命が長く、ひとり暮らしになる女性はこれからも増えていくでしょう。ひとりでも安全に暮らすためには、住まいの防犯性をグレードアップさせることが必要です。これを機会に、ご自身の住まいの防犯について見直してみるのはいかがでしょうか。