女性の生活

シニア女性のひとり暮らし 老後の生活費はいくら必要? どこに住む?

暮らし・住まい

この記事をシェアしよう

どんな住まいを選択するかによって、かかるお金は変わってきます。女性がひとりで暮らすための住まいを考えるときは、生活費の目安を把握しておくことが大切です。老後の生活費も考慮しながら、自分にあった住まいを検討しましょう。

この記事の監修

大西 勝士

フリーランスの金融ライター。会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て、2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。

子どもの独立やパートナーとの離婚・死別でひとりになった女性にとって、今の家にそのまま住み続けるのかどうかは重要な問題です。家族で住んでいた頃にはちょうどよい間取りだった家も、ひとりで暮らすには広すぎるかもしれません。

これからも安心して暮らしていくには、住まい選びでどんな点に注意すればよいのでしょうか。今回は、子育てが終わった女性がひとりで暮らすための住まいの考え方や選択肢を紹介します。

女性のひとり暮らしに必要な老後の生活費は?

どんな住まいを選択するかによって、かかるお金は変わってきます。女性がひとりで暮らすための住まいを考えるときは、生活費の目安を把握しておくことが大切です。

総務省の調査によると、65歳以上の単身無職世帯の家計収支は実収入が13万6,964円、支出(消費支出+非消費支出)は14万4,687円で、月7,723円が不足していることになります。

総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年平均結果の概要|P18 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2020年-」を基に作図

女性が老後にひとり暮らしをする場合、毎月の生活費は15万円が目安になりそうです。しかし、その内訳をみると住居費は12,392円(9.3%)で、消費支出に占める割合はそれほど大きくありません。この結果から、ひとり暮らしの高齢者の多くは持ち家に住んでおり、住宅ローンも完済していると考えられます。住宅ローンが残っている場合はそのぶん多くの生活費が必要になります。

家族と過ごした家に女性がひとりで住み続けるメリット・デメリット

家族と過ごした家に、女性がそのままひとりで住み続けるメリットは以下のとおりです。

  • 住む場所に困らない
  • 引っ越しが不要
  • 住居費の負担が少ない(住宅ローンを完済している場合)

今の家に住み続ければ、住む場所に困ることはありません。引っ越しが不要で、荷物を整理する手間や時間、引っ越し費用がかからないのもメリットです。また、住宅ローンを完済していれば、住居費の負担は少なく済みます。

一方で、今の家にそのまま住み続けることには以下のデメリットもあります。

  • ひとりで暮らすには広すぎる
  • 固定資産税がかかる
  • 修繕費がかかる

家族で暮らしていたときにはちょうどよかった間取りも、ひとりで暮らすには広すぎることが考えられます。掃除に時間がかかるなど、生活に不便を感じるかもしれません。また、住宅ローンを完済していても、持ち家には毎年固定資産税がかかります。築年数が古い建物の場合、安心して暮らすために耐震補強やバリアフリー対応の修繕費も必要になってきます。

上記のメリット・デメリットを比較したうえで、今の家に住み続けるかどうかを判断することが大切です。

巣立った子どもに頼らず暮らすための住まいの選択肢

ライフスタイルに合わせて住まいを変えるには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、子育てが終わった女性がひとりで暮らしていくための住まいの選択肢を3つ紹介します。

減築リフォームで平屋建てにする

減築リフォームとは、大きすぎる建物の床面積を減らしてコンパクトな住まいにすることです。減築によってひとり暮らしにちょうどよい間取りにすれば、掃除やメンテナンスの負担が軽減されます。階段をなくし、バリアフリー対応にすれば老後も安心して暮らせるでしょう。
減築によって建物が軽くなれば、耐震性能の向上が期待できます。また、家屋の固定資産税評価額は床面積をもとに計算されるため、固定資産税が減額される可能性もあります。ただし、減築リフォームはまとまった費用がかかります。リフォームの内容によって費用は変わるので、まずは事業者に相談してみましょう。減築リフォームの工事中は、仮住まいが必要になる点にも注意が必要です。

関連記事:減築リフォームとは? 家を小さくして快適に。 | 暮らしのこれから

売却してコンパクトな家に住み替える

今の家を売却して、コンパクトな家に住み替える方法もあります。売却でまとまったお金が手に入れば、新居の購入資金に充てられます。ただし、希望通りの金額で売却できるとは限りません。売却までに時間がかかることもあります。思うような価格で今の家を売却できなければ、新居の購入資金をどのように準備するかが課題となります。

売却して賃貸暮らしを始める

今の家を売却して、賃貸暮らしを始めるという選択肢もあります。賃貸はいつでも引っ越しができるので、ライフスタイルの変化に対応しやすいのがメリットです。たとえば、将来介護施設への入居を考えている場合、賃貸暮らしなら対応しやすいでしょう。一方、賃貸は家賃の支払いが一生続くので、家計の負担となるかもしれません。高齢になって安定収入がなくなれば、新規の賃貸借契約や契約更新を断られるケースもあります。

老後の女性ひとり暮らしで住宅資金が必要な場合の対処法

減築リフォームや住み替えをしたいと思っても、高齢になって安定収入がなくなると、住宅ローンを借りるのは難しいかもしれません。通常の住宅ローンを利用できない場合は、高齢者向け住宅ローンを利用する方法もあります。

住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、満60歳以上の方向けの住宅ローンです。毎月の支払いは利息のみで、返済額を抑えられるのが特徴です。元金は、債務者が亡くなったときに相続人が一括返済するか、担保物件の売却で返済するかを選択できます。ただし、元金を一括返済しない限りは支払いが一生続きます。

金融機関によっては、「リ・バース60」以外のシニア向け住宅ローンを取り扱っているケースもありますが、通常の住宅ローンに比べて適用金利が高くなることがあります。

住宅資金を借りる場合は、毎月の生活費と貯蓄額を考慮して、無理なく返済できる範囲で利用することが大切です。

関連記事:「リ・バース60」の評判は? 注意点や特徴を解説 | 暮らしのこれから

まとめ

パートナーがいなくなった女性がひとりで暮らしていくには、いまの家にそのまま住み続ける他に減築、住み替え(購入、賃貸)といった選択肢があります。それぞれメリット・デメリットがあるので、老後の生活費も考慮しながら、自分にあった住まいを検討しましょう。