保険で老後資金を蓄えられる?「養老保険」の仕組みとメリット・デメリット

お金・資産

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養老保険はデメリットを指摘されることも多いですが、老後のためにお金を積み立てながらも死亡保障も付けておきたい方には、便利でリーズナブルな投資対象とも言えます。養老保険を選ぶときは、毎月の保険料、満期保険金の返戻率、そして保険期間や満期の時期などに着目し、自分のライフプランに合う保険を検討しましょう。

この記事の監修

村上カツ

大学卒業後、流通業の企業で勤務するも、専門性の高い仕事に憧れ、公認会計士を受験。
合格後は会計事務所で税務の仕事をこなし、その後、海外の提携事務所に出向。
幅広い経験を生かし、読者ニーズに応える執筆を心がけます。

養老保険は、生命保険の一種で、満期まで死亡保険金が支払われなかった場合には、死亡保険金と同額の満期保険金が支払われるものです。
保険料は高くなってしまうものの、貯蓄性があり、老後の資金を確保する手段として知っておきたい選択肢のひとつと言えます。

本記事では、養老保険の特徴やメリット・デメリットを解説し、どのような人に向いているかのヒントを示します。

養老保険の特徴 ほかの保険との違い

養老保険は、生命保険の一種です。なお、この生命保険は、大きく「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3種類に分類できると言われています。この3つの違いが分かると養老保険の特徴も分かりやすくなるので、まずは3種類の生命保険の特徴を順に解説します。

なお、広義の生命保険は、個人年金保険や医療保険なども含みますが、本記事では「生命保険=死亡保険」という狭義の生命保険をベースに話を進めていきます。

定期保険の特徴

定期保険とは、たとえば10年など、あらかじめ保険期間(保障期間)が決まっている保険です。
期間中に被保険者が亡くなった場合、保険会社から死亡保険金が支払われます。死亡せずに保険期間が終わると契約は満了するため、その後も継続したい場合は保険契約を更新する必要があります。
定期保険はいわゆる「掛け捨て」と言われる保険で、途中で解約した場合や契約期間を満了した場合でも解約返戻金や満期保険金は払われません。
保険料が割安である点、保険期間を選択できるためライフステージに応じた加入の仕方ができる点が定期保険のメリットです。

終身保険の特徴

終身保険とは、保険期間が定められておらず、解約しない限り死亡保障が継続する保険です。
定期保険と比較した場合、同じ保険金額(保障金額)であれば、保険料は終身保険のほうが割高になります。ただし、保険料は加入時から上がらず一定なので、高齢になっても生命保険に加入し続ける想定の場合、病気や物価変動により更新時の保険料の上昇リスクがある定期保険よりも、安心感があります。また、途中で解約した場合も、解約返戻金が支払われます。
加入期間が長いほど返戻率も高くなるため、長期的加入が前提の方に向いていると言えます。

養老保険の特徴

養老保険は、保険期間があらかじめ決まっている生命保険で、保険期間の満了時に支払われる満期保険金が、死亡保険金と同額になる保険のことです。保険期間が決まっている点で終身保険と異なり、また満期後に満期保険金が払われる点で定期保険とも異なります。

養老保険は、保険期間の満了時に生存していた場合も保険金が受け取れるため、確実性の高い保険と言えます。途中解約の場合も、払った金額の一部が加入期間に応じて解約返戻金として返ってきます。ただし、そうしたメリットの裏返しとして、定期保険や終身保険よりも保険料は高く、貯蓄に近い性質をもつ保険と言えます。そのため、死亡保険の一種でありながら、貯蓄を行いながら最低限の死亡保障も付いた投資商品と理解したほうが分かりやすいかもしれません。

養老保険のメリット

ここでは、養老保険のメリットを3つご紹介します。

1.死亡保険と貯蓄の役割を兼ね備えている

上述のとおり、養老保険は万が一のときに死亡保険金が支払われる一方で、満期を迎えた場合には満期保険金が返還されることが約束されています。つまり、保険の加入時点で将来お金が返ってくることが確定しており、かつその金額もあらかじめ決まっている点に、養老保険のひとつめのメリットがあります。

2.満期までの期間を自分で決められる

養老保険の保険期間はさまざまであり、加入者が自分で選択して決めることができます。
退職後など、まとまったお金が必要になる段階で満期を迎えるように保険期間を選べば、生命保険でありながら貯蓄のように活用できます。

3.税金面でもメリットがある

第一に、養老保険の支払保険料は生命保険料控除の対象になるため、それにより所得税や住民税を減らすことができます。生命保険料控除の金額は年間の保険料によって増減しますが、最大では、保険料が年間8万円を超えた場合に4万円の控除となります。(※)
第二に、自分で保険料を負担した養老保険の満期保険金を受け取るときには、以下の金額が一時所得として課税されます。

「(満期保険金-払込保険料-50万円)× 1/2」

この算式から分かるとおり、満期保険金が保険料の総額から50万円を超えた場合のみ課税が生じ、また50万円控除後の金額に2分の1を掛けるため、課税面で有利となります。
一時所得の申告のためには確定申告が必要です。この点は注意しておきましょう。

養老保険のデメリット

魅力的なメリットの多い養老保険ですが、やはりデメリットもあります。あらかじめ理解しておきましょう。

掛け捨ての生命保険に比べて、保険料が高い

養老保険では満期保険金が保証されているため、そのぶん保険料がどうしても高くなり、掛け捨ての生命保険に比べると、かなり割高です。したがって、生命保険に何を期待するかによって選ぶ保険を決める必要があります。たとえば、働き盛りの時期に家族を残して亡くなるリスクに備えることを特に重視するのであれば、養老保険よりは掛け捨ての定期保険が合っていると言えるでしょう。

解約返戻金が少ないので、途中解約はしづらい

養老保険には、途中で解約しても解約返戻金をもらえるメリットがありますが、支払った全額のすべてが戻るわけではありません。返戻率が高い満期近くにならない限り、途中解約はデメリットが大きいと言えます。

満期保険金は、支払った保険料の総額をやや下回ることが多い

予定利率が高かった時代は保険料の支払総額を大きく上回る満期保険金が約束されており、養老保険は確実性の高い投資手段でした。しかし、低金利時代の現在は残念ながら高いリターンは期待できず、満期保険金が保険料の支払総額をやや下回ることも珍しくありません。
死亡保障を抜きに純粋に投資手段として考えるのであれば、養老保険以外の投資対象も比較検討したいところです。

養老保険が合う人・合わない人

以上を踏まえ、養老保険の加入をおすすめできるのは、以下のような人です。

  • 毎月強制的にお金を積み立てて将来の資金を蓄えながらも、万が一の保障にも備えておきたい人
  • 死亡保険は付けたいものの高額の保障は必要としておらず、また掛け捨てで保険料を払うのに抵抗感がある人
  • 投資の収益性よりも確実性を重視し、かつ税制メリットも利用して投資したい人

他方、以下のような人は、養老保険は合わないと言えます。

  • 万が一の場合に十分な死亡保険金を得られることを重視し、満期保険金のために保険料を払うことにメリットを感じない人
  • 終身保険のように、死亡保障を一生涯受けられることを重視する人
  • すでに他の生命保険に加入している、別の方法で投資を行っているなどの理由から、養老保険のメリットを最大限に生かせない状況にある人
  • 高額の保険料を負担する余裕がない人

まとめ

この記事では養老保険の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。

養老保険はデメリットを指摘されることも多いですが、老後のためにお金を積み立てながらも死亡保障も付けておきたい方には、便利でリーズナブルな投資対象とも言えます。

養老保険を選ぶときは、毎月の保険料、満期保険金の返戻率、そして保険期間や満期の時期などに着目し、自分のライフプランに合う保険を検討しましょう。

※「令和2年度平均年収と学歴調査

※ 国税庁ウェブサイト「生命保険料控除