老後の生活に困らないための基礎知識

不労所得を期待できる賃貸経営 空き家や土地の活用法を詳しく解説

お金・資産

この記事をシェアしよう

省エネにも電気料金削減にもつながる「照明の省エネ」。ご自宅にピッタリ合った適切なLED照明を選んで、環境にもお財布にもやさしく、快適で便利な心地よい住まいを実現してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修

矢口ミカ

複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。趣味は整理収納と料理。

「労働しなくても手に入るお金」、いわゆる不労所得の確保は、将来への蓄えとして考えている方が少なくありません。しかし、副業によって収入源を確保しようと思っても、現実的に本業が忙しく、それどころではないという方も多いことでしょう。

今回は、安定した収益が見込める「不労所得」として、賃貸経営で得られる所得について解説します。

不労所得とは

不労所得とは、ズバリ「働かなくてもお金を生むシステム」です。
通常、生活していくための必要な資金は、会社に勤めたり、自ら起業して一生懸命働いたり、額に汗して働くことでその対価を得ています。一方、「不労所得」は一般に、自分自身が特定の業務をこなさずとも入ってくるお金のことを指し、代表的なものとして下記があります。

  • 株式投資やFX投資(配当、スワップ金利など)
  • 不動産収入(家賃収入、売却益)
  • 印税収入
  • 広告収入(ブログ、動画配信など)

株式投資は投資した会社からの配当金を見込めるほか、売却時の値上がり益(キャピタルゲイン)によって資産を増やせる点が魅力です。しかし、売却価格が購入価格を下回ってしまうと値下がり損(キャピタルロス)が発生してしまいますし、投資していた会社が倒産してしまった場合には、大きな損失を被るリスクもあります。その点、不動産投資は賃貸運用で安定した賃料収入を得る仕組みのため、堅実な投資方法とされています。

不動産投資で収入を得るシステムは下図のとおりです。物件の管理は通常、不動産管理会社に委託するため、家賃や物件を自分で管理する必要はありません。本業が会社員の方でも安心して賃貸経営ができます。

会社員でもできる不動産の有効活用

以下は賃貸住宅の管理の現状を表したグラフです。賃貸住宅の経営形態は、83.2%が「個人」オーナーとなっています。また、賃貸住宅の保有戸数は「20戸以下」が61%であり、さほど大きくない規模で経営をするオーナーがほとんどです。なお、オーナーの年齢のボリュームゾーンは「60歳以上」、次いで「50歳」「40歳」と年齢が高い人ほど多い傾向になっています。
賃貸住宅の管理形態は、「契約も管理もすべて委託」している人が65.2%と過半数を超えています。「すべて自己管理」をしている人は1割ほど。残り9割の人は何らかの形で管理会社に業務を委託しています。

国土交通省「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会 報告書 平成26年3月|P6 (2)賃貸住宅の管理の現状」を基に作図

では、実際に土地を有効活用するとなると、どのような方法があるのでしょうか。順にみていきましょう。

アパート経営/マンション経営

アパートやマンションは、駅近くなど立地の良い土地を持っている場合に、ぜひ検討したい活用法です。間取りや意匠はもちろんのこと、オートロック機能や宅配ボックスといった付加設備にこだわるほど、入居者の集まる好物件になります。
アパートよりもマンションのほうが建築費はかかりますが、建物のグレードが高いと質の良い入居者が借りてくれる可能性が高まります。

賃貸併用住宅

賃貸併用住宅とは、ひとつの建物に自宅と賃貸が併設されている物件をいいます。賃貸部分から得られる家賃収入を住宅ローンの返済に充てることができます。広い土地に自宅を建てる場合は、大いに検討する余地があるでしょう。

その他

このほか、「戸建賃貸」「駐車場経営」、最近では「トランクルーム経営」なども土地活用の方法として検討されています。戸建賃貸はニーズも高く、増加傾向にあります。駐車場は建物を建てる必要がないため初期投資がそれほどかからず、造設も撤去も簡便です。

不動産の有効活用例

ここでは、不動産の活用イメージを紹介します。空き家になった実家、相続した土地は具体的にどのように活かすことができるのでしょう。

減築リフォームで敷地内に賃貸住宅を建築

子どもが独立した後の住まいを減築するケースは多くみられます。大きな庭付きの家の場合、減築によってその広さは拡大し、管理に手間と費用がかかってしまうことも。こうした場合、減築した面積+庭を活用し、賃貸住宅を建てることが検討できます。

活用していない土地を駐車場として利用

旧家をはじめ、昔から建つ家のなかには、敷地内に離れや蔵が建つところも少なくありません。活用していない場合、倒壊の恐れがある場合には、いったん更地にしたあと駐車場として経営することが考えられます。

また、たとえば駅前や商店街など、人の集まる場所に土地をお持ちの場合にも駐車場経営は安定した利益につながります。高稼働が見込める場合には、立体駐車場にして駐車可能台数を増やせば、なおさらでしょう。

自宅を賃貸として貸し出す

せっかく建てたマイホームがあっても、急な転勤やUターン転職などを理由に、ほかの土地で暮らす場合には、賃貸に出す方法があります。
国土交通省の調査によると、首都圏に持家のある人の12.7%が、自宅を「貸している」「貸していた」と回答しています。

国土交通省「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会 報告書|P11 (5)賃貸住宅の経営経験について」を基に作図

不動産活用のメリットと注意点

不動産の活用にはメリットも、注意点もあります。
ひとつ目のメリットは、安定した収入が見込めることです。始めるときには初期費用がかかりますが、長期にわたって安定した家賃収入が見込めます。

不動産は、ただ所有しているだけでは税金のみがかかり、収益は生み出しません。使っていない土地や建物を活用すれば、毎月一定のお金が自動的に入ってくることが期待できます。うまく事業化できれば、年齢を重ねるうちに働けなくなっても、収入の柱となるので安心です。

もうひとつのメリットは、節税を期待できることです。相続税対策として、住宅を賃貸利用することにより、建物については貸家の評価、土地については貸家建付地の評価となり相続税評価額が減額されることがあります。加えて、小規模宅地等の特例の適用もあり得るので、相続した場合は賃貸利用するのも良い方法です。住宅用地にかかる固定資産税は、更地の場合に比べると、6分の1に減額されます。ただし、自宅を賃貸した後に売却を検討する場合、3,000万円特別控除をはじめとする居住用財産に対する優遇規定には「適用期限がある」ということも知っておきましょう。
なお、自宅の敷地を相続等で代々引き継いできた場合は取得価額が不明なことが多いことから、売却にあたっては売却金額の9割程度が課税対象となります。売買や賃貸をする際には、これらのことを留意しつつ判断するようにしましょう。(※1)

続いて注意点です。特に知っておきたいのは以下の3つです。

所得税の申告義務が発生する

不動産を賃貸して得た収入は、不動産所得として所得税・住民税の課税対象となります。そのため、所得税の申告の手続きをしなくてはなりません。毎年、居住地を管轄する税務署に確定申告をすることになります。

不動産所得の金額は、次のように計算します。

「総収入金額-必要経費=不動産所得の金額」

必要経費とすることができるものは、不動産収入を得るために直接必要な費用のうち家事上の経費と明確に区分できるものです。活用している不動産に関わる経費としては、以下のものが挙げられます。(※2)

  • 固定資産税
  • 損害保険料
  • 減価償却費
  • 修繕費

空室リスクがある

賃貸経営の最大の心配は空室リスクといえます。入居者がいないと家賃が入ってきません。そうなると、ローンの返済にも影響を与える恐れがあります。そのため、賃貸経営をする際には「入居者は見込めそうか」「立地やアクセスはどうか」「どんな間取りが人気なのか」など、地元の不動産会社に事前に調査してもらうようにしましょう。

賃貸前には修繕費がかかる

賃貸経営は、毎月の安定収入を見込めることが魅力ですが、住居を貸し出す前には多額の修繕費がかかることになります。

下記は、都市部の中規模改修の賃貸収支を表したグラフです。

国土交通省「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会 報告書|P10 ○賃貸住宅の経営シミュレーション ②中規模改修の賃貸収支(主として都市部)」を基に作図

折れ線グラフにご注目ください。初年度は支出が家賃収入を2倍以上上回っていますが、次年度からはその差が徐々に小さくなり、4年目までには収支が逆転しています。
空室リスクなく安定した経営が見込めるのであれば、次に入居してくる人にできるだけ長く暮らしてもらえるよう快適な部屋へと修繕を行いたいものです。

まとめ

今回は、不動産を有効活用した「不労所得」について、詳しく解説をしていきました。
不労所得を得る方法には株式投資やFX投資などもありますが、大きく稼げる一方で多大な損失を出してしまうリスクもはらんでいます。その点、賃貸経営なら毎月の家賃が自動的に入ってくることが期待できます。経営が軌道に乗れば、安定した収入を長きにわたって得ることも可能でしょう。信頼できる不動産管理会社に任せておけば、自分で入居者管理をする必要もないため、老後も無理なく賃貸経営できるのがメリットです。

老後の大きな安心を生む資産形成のひとつの手段として、賃貸経営も検討してみてはいかがでしょうか。