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大切な家を守るための地震保険、加入すべき? 保険料の負担とリスクの考え方

お金・資産

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地震保険に入るべきかどうかは状況によって異なりますが、大切なマイホームを守るうえで、地震保険について理解を深めておくことが大切です。仕組みや、メリット・デメリットを知ったうえで、あなたにとって地震保険が必要かどうかをぜひ考えてみましょう。

この記事の監修

大西 勝士

フリーランスの金融ライター。会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て、2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。

マイホームを購入するときは、火災保険だけでなく地震保険にも入るかどうかにも迷うのではないでしょうか。

東日本大震災や阪神・淡路大震災などの大地震の発生によって、地震保険のニーズは高まっています。一方、地震保険に入ることで、保険料の負担が増えることを家計に不安に感じる方もいるでしょう。2021年からは地震保険の保険料率の改定が予定されており、保険料が上がる見通しです。

地震保険に入るべきかどうかは状況によって異なりますが、大切なマイホームを守るうえで、地震保険について理解を深めておくことが大切です。
今回は、地震保険の概要や加入者の割合、メリット・デメリットなどを紹介します。

地震保険とは

地震保険とは、地震・噴火・津波を原因とする火災や損壊などの被害を補償する保険です。
居住用建物やその建物にある家財が補償対象で、政府と民間の損害保険会社が共同で運営しているのが特徴です。大地震が発生して保険金の支払いが一定規模を超える場合は、保険金の支払いに支障がないように、保険金の一部を政府が負担する仕組みになっています。

地震保険が必要な理由は、火災保険では地震による火災・損壊は補償されないからです。地震による被害からマイホームを守るには、火災保険だけでなく地震保険にも入っておく必要があります。なお、地震保険は単独で契約できず、火災保険とセットで契約します。火災保険の契約期間の途中でも、地震保険の契約は可能です。

地震保険の加入率は?

地震保険に入るかどうかを決めるときは、地震保険の加入者率を知ることが検討材料のひとつになるでしょう。
損害保険料率算出機構の統計によると、地震保険の付帯率(火災保険契約数のうち、地震保険を付帯している件数の割合)は、2018年度で約65%。付帯率は増加傾向にあり、火災保険に地震保険を付帯する人の割合は6割を超えています。

損害保険料率算出機構「グラフで見る!地震保険統計速報(地震保険 付帯率)」の情報を基に作図

地震保険で保険金はいくらもらえる?

地震保険の保険金額は、セットで契約する火災保険の保険金額の30~50%です。建物と家財はそれぞれ契約する必要があり、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度額です。

地震保険で支払われる保険金額は、居住用建物または家財に生じた損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」に区分し、損害の程度に応じて決定されます。
損害の程度の認定基準と保険金額は以下の通りです。

損害の程度

建物

家財

保険金額

全損

  • 主要構造部の損害額が建物の時価の50%以上
  • 焼失・流失した床面積が建物の延床面積の70%以上

損害額が時価の80%以上

保険金額の100%(時価が限度)

大半損

  • 主要構造部の損害額が建物の時価の40%以上50%未満
  • 焼失・流失した床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満

損害額が時価の60%以上80%未満

保険金額の60%(時価の60%が限度)

小半損

  • 主要構造部の損害額が建物の時価の20%以上40%未満
  • 焼失・流失した床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満

損害額が時価の30%以上60%未満

保険金額の30%(時価の30%が限度)

一部損

  • 主要構造部の損害額が建物の時価の3%以上20%未満
  • 全損、大半損、小半損に至らない場合、床上浸水または地盤面から45㎝を超える浸水

損害額が時価の10%以上30%未満

保険金額の5%(時価の5%が限度)

損害保険料率算出機構「地震保険基準料率のあらましP4」の情報を基に筆者作図

地震保険の保険料は建物の構造や所在地によって異なる

地震保険の保険料は、建物の構造や所在地によって変わります。地震による火災・損壊リスクは建物の構造によって異なるため、保険料率(基本料率)を計算する際は、建物を以下2つに区分します。

  • イ構造(耐火構築物、準耐火構築物、省令準耐火建物など)
  • ロ構造(イ構造以外の建物)

火災リスクに強い「イ構造」の建物は、「ロ構造」に比べると基本料率は低くなります。また、地震発生リスクは所在地によって異なるため、全国を「1等地」「2等地」「3等地」の3つに区分し、リスクの違いを保険料率に反映しています。

太平洋側は地震発生リスクが高い地域とされており、保険料率が比較的高く設定されています。一例として、一般社団法人 日本損害保険協会は、東京都の年間保険料例(ロ構造、2019年1月以降保険始期、割引なし)を以下のように算出しています。

保険金額

保険料

建物

1,000万円

38,900円

家財

500万円

19,240円

合計

1,500万円

58,350円

引用:一般社団法人 日本損害保険協会「地震保険の概要|4.地震保険の内容

なお、地震保険には割引制度があり、耐震性能に優れている免震建築物や耐震等級を有する建物などは保険料が割引されます。また、保険期間が2~5年の契約については、保険期間が長くなるほど(最長5年間)保険料が割引(※)になります。

地震保険に入るメリット・デメリット

地震保険に入るメリットは、火災保険だけでは補償されない、地震による火災や建物の損壊が補償されることです。地震によって建物や家財に被害が出れば、生活を再建するためにまとまったお金が必要になります。住宅ローンが残っていて預貯金も少ない状態であれば、地震保険の必要性は高いでしょう。

地震保険の保険金額は火災保険の30~50%なので、保険金額に不安を感じる場合は、特約をつけることで火災保険と同額の補償を確保することも可能です。一方、地震保険に入るデメリットは、火災保険のみに比べて保険料の負担が増えることです。特に地震発生リスクが高いとされている太平洋側の地域は、保険料率が高めに設定されています。

マイホームを守るためには地震保険に入るべき?

地震保険に入るべきかどうかは、個人の状況によって異なります。地震によって建物や家財が被害にあっても、預貯金の範囲で生活を再建できるのであれば、地震保険に入る必要性は低いかもしれません。しかし、住宅ローンが残っていて、自宅の建て替えや新居や家財の確保が金銭的に難しい場合は、地震保険の必要性は高いでしょう。

いつ地震が起きるのか、自分が地震の被害にあうのかを予測することはできません。地震保険に入ると保険料の負担は増えますが、毎日を安心して過ごすことができます。地震保険の仕組みや、メリット・デメリットを知ったうえで、あなたにとって地震保険が必要かどうかを、この記事を読んだことを機会にぜひ考えてみましょう。

※損害保険料率算出機構「地震保険基準料率のあらましP8-9」
https://www.giroj.or.jp/publication/pdf/overview_SFR_earthquake.pdf