40代からの家計見直し計画

夫(妻)は何にお金を使っているの? 甘く見ると怖い、共働き世帯の使途不明金とは

お金・資産

この記事をシェアしよう

夫婦でお金について話し合い、貯蓄の目標額やお金の価値観を共有できると、夫婦の絆も深まります。使途不明金で悩んでいるなら、教育費や老後資金で困ることがないように、夫婦で話し合って早期に家計管理を見直すことが大切です。

この記事の監修

大西カツシ

フリーランスの金融ライター。一般企業の経理職、会計事務所などを経て独立。保有資格は2級FP技能士・AFP。投資経験(10年以上)とFP資格を活かして、主に投資や資産形成に関する記事を執筆しています。

共働き世帯が増えたことで、夫婦別財布にして「自分の収入は自分で管理する」というスタイルが増えているようです。
内閣府の資料(※)によると、平成29年(2017年)は共働き世帯が1,188万世帯、専業主婦世帯が641世帯で、全体の6割以上を共働き世帯が占めています。

夫婦別財布は自分の収入を自由に使える一方で、配偶者がどのようにお金を使っているか見えにくいデメリットもあります。
「夫(妻)の使途不明金が多く、浪費していないか気になる」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

共働きで収入が多くても、支出が多ければお金を貯めることはできません。使途不明金で悩んでいるなら、教育費や老後資金で困ることがないように、夫婦で話し合って早期に家計管理を見直すことが大切です。

今回は、共働き世帯が使途不明金をなくし貯蓄できる家計を作る方法を紹介します。

配偶者の収入・支出を把握しているか

スパーク・アセット・マネジメントの調査によると、配偶者が働いている人のうち、約7割が配偶者の給料を「把握している」と回答しています。なお、男女別では、男性が62.2%、女性は79.1%とやや開きがあり、女性より男性のほうが配偶者の給料を把握していない傾向にあります。これは、食材や日用品の買い物、子どものいる場合は被服の購入や習いごとなど、日常的な家計のやりくりを女性(妻)が担うケースの多いことが理由のひとつに挙がるのかもしれません。
しかし、配偶者の娯楽費・交際費といった「支出」については、「把握している」が38.6%、「把握していない」が61.4%という結果が出ています。夫婦であっても、いわゆる個人としての楽しみや付き合いを尊重するがゆえ、こうした結果が出ているのではないでしょうか。

夫婦間でこうした状況が生まれるのは、共働きで経済的に自立している夫婦が増加したことによって、夫婦別財布が増えているから、と考えられます。

スパーク・アセット・マネジメント「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2019」の情報を基に作図

夫婦別財布の使途不明金は夫婦の危機につながることも

さて、一生を添い遂げようと結婚したカップルが破綻するきっかけにも「お金」が絡んでいるケースが多いようです。裁判所の司法統計から、「婚姻関係事件(離婚)の申立ての動機」を見てみましょう。

裁判所「平成30年度司法統計 第19表 婚姻関係事件数 申立ての動機別」の情報を基に筆者作図

離婚申立人が夫の場合、離婚の動機に「浪費する」を挙げたものは2,030件です。妻の場合は「生活費を渡さない」(1万3,725件)が離婚事由の2番目に多く、「浪費する」も4,686件あります。夫と妻ともに第1位は「性格の不一致」ですが、ここにもお金に対する考え方の違いが含まれている可能性もあります。

夫婦別財布は収入を自由に使えますが、家計全体の収支が見えにくく、使途不明金が発生しやすいのがデメリットです。夫婦でお金について話し合う機会がなく、すれ違いが続くと、思うように貯蓄できず教育費や老後資金が不足するおそれがあります。また、夫(妻)が貯蓄していると思っていたのに、実際はまったく貯蓄できていなかったり、借金があったりすれば、夫婦の危機につながりかねません。

家計の使途不明金をなくすには

共働き世帯で使途不明金をなくすには、夫婦別財布をやめて「共通財布」で家計管理をすることを検討しましょう。共通財布とは、夫婦それぞれの収入をすべて合算し、ここから貯蓄や家計の支出をまかなう方法です。

共通財布にして家計簿をつければ、家計全体の収支を把握しやすくなり、使途不明金をなくすことができます。共通財布は収入や資産はすべて夫婦共有が前提となるので、お金の管理や使い方について、夫婦で協力しやすくなるのもメリットです。

家計簿をつけるときは、1円単位まで完璧につけようとしないことが継続するコツです。家計簿はどんな費用にどれくらいのお金を使っているか把握するのが目的なので、多少の使途不明金が出ても問題ありません。夫婦のどちらかが家計簿をつけて、家計の状況について定期的に夫婦で話し合うのが理想です。

家計簿アプリをうまく活用する

共働き世帯は仕事や家事・育児で毎日忙しく、家計簿をつける時間がないかもしれません。その場合は、「家計簿アプリ」を活用するといいでしょう。

家計簿アプリは、登録したクレジットカード・電子マネーで買い物をすると、自動的に家計簿を作成してくれるサービスです。現金で支払った分は、家計簿アプリに手動で入力も可能です。

支払いを家計簿アプリに登録したクレジットカード・電子マネーに集約すれば、時間をかけなくても家計簿が作ることができます。また、銀行口座を登録すると口座残高も把握できるので、家計全体の資産がいくらあるかも簡単に確認できます。ただし、クレジットカードや電子マネーだと使いすぎてしまう場合は、手書きの家計簿にすることを検討しましょう。

夫婦それぞれが自由に使えるお金も確保する

共通財布で家計を管理するからといって、お互いの支出を100%把握しようとすると、自由がなくなって息が詰まります。

共通財布の場合は、夫婦それぞれが自由に使えるお金(おこづかい)を確保し、その範囲については使途不明金になってもいいと決めておくといいでしょう。
ボーナスが出たときや臨時収入があったときなどは、夫婦で話し合ったうえで、自由に使えるお金を増額するのもいいのではないでしょうか。

貯蓄のために支出を抑えることは大事ですが、「家族ためにがんばって働こう」という気持ちを失わないためにも、配偶者の許可なく自由に使えるお金も確保しておきましょう。

家計は夫婦で共有・管理しよう

「自分の収入は自分で管理したい」と考える気持ちは理解できます。しかし、共働き世帯の使途不明金をなくして貯蓄ペースを上げるには、共通財布で夫婦の収入・支出を一緒に管理するほうが合理的です。

共通財布にして家計簿をつければ、家計全体の収支や貯蓄が一目でわかるようになり、使途不明金も発生しにくくなります。共通財布でも自由に使えるお金があれば、それほどストレスを抱えずに済むのではないでしょうか。

夫婦でお金について話し合い、貯蓄の目標額やお金の価値観を共有できると、夫婦の絆も深まります。使途不明金をなくすのはもちろん、良好な夫婦関係を築くためにも家計は夫婦で共有・管理しましょう。

※内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書(概要版)平成30年度版」
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/gaiyou/html/honpen/b1_s03.html