お金がかかる子育て世代が考えたい節約術 賢い保険見直しの方法とは

お金・資産のこれから

子育て中の40代は人生のなかでも一番お金がかかる頃合いです。見直しというと保険料を抑えることに意識が行きがちですが、いま必要となる保障に加え、将来的にライフフプランのなかで必要となるお金などもイメージしながら上手に見直しをしていってください。

【執筆者】續 恵美子

日々の生活費や教育費、住宅ローンの返済などで、子育て中の40代は人生のなかでも一番お金がかかる頃合いです。そんな時に多くの人が考えることのひとつが保険の見直しです。
しかし、もしものことを考えると心配で保障を下げるのは怖い、結局保険料を減らせない......という人も多くいるようです。

そこで、万が一の保障の考え方をあらためて確認し、自分が加入しておくべき保険は何か、どう見直しをしていけばよいのかを知っておきましょう。

保険に加入したのは何のため?

そもそも保険は、人生のなかで訪れるかもしれない不測の事態に備えておくものです。
子育て世代の人のなかには、子どもが産まれるタイミングで生命保険に加入したり、保障額を大きくしたりした人も多いと思います。自分に万が一のことがあったときに家族が経済的に困ることなく生活していけるように、というのが親心でしょう。
公益財団法人生命保険文化センターの調べでも、生命保険の加入目的として30代~50代前半にかけては「家族の生活保障のため」とする人が最も多いことがわかります。

直近加入契約(民保)の加入目的(世帯主年齢別)(複数回答)

1位

2位

3位

30~34歳

万一の時の家族の生活保障のため(62.9%)

医療費や入院費のため(38.7%)

貯蓄のため(22.6%)

35~39歳

万一の時の家族の生活保障のため(62.1%)

医療費や入院費のため(48.5%)

子どもの教育・結婚資金のため(18.4%)

40~44歳

万一の時の家族の生活保障のため(58.8%)

医療費や入院費のため(53.9%)

子どもの教育・結婚資金のため(18.6%)

45~49歳

医療費や入院費のため(62.1%)

万一の時の家族の生活保障のため(50.3%)

万一の時の葬儀代のため(10.1%)

生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査|直近加入契約(民保)の加入目的」を元に筆者作表

しかし、いったん保険に加入してしまうと、備えをしている安心感からか、どんな保障内容だったか、いつ、どんな時に保険金がいくら支払われるのかなど、よく覚えていないという人がいるのも事実です。

一般的に保障の必要性はライフスタイルの変化に応じて変わります。家族のための保障に関していうと、必要となる保障の大きさは子どもが産まれたばかりのときと、数年経過し、成長したときとでは変わります。たとえば、以下のような状況が挙げられるでしょう。

  • 子どもの出生と同時に入ったから○○万円必要だったけど、成長した今では△△万円で良くなった
  • この保険に入ったときは家計の担い手が自分ひとりだったけれど、子どもに手がかからなくなって妻が復職したから経済的な親の責任は夫婦で分担できる

これらはニーズの変化のごく一例ですが、定期的に加入している保険の内容を確認し直すとともに、「なぜこの保険に加入したのか」「今でもそのニーズは変わっていないか」「保障額は同じだけ必要か」などを自己チェックしていくことが大切です。

もしものときには公的な保障も受けられる

子どものために保険に加入するときに良くありがちなのが、子どもが独立するまでにかかる生活費と教育費をそのまま保険で備えようとすることです。自分が病気になったり、万一収入が途絶えたりすることも考えて、医療保障や収入保障もしっかり備える人も少なくありません、

筆者自身、もしもの備えは万全に備えておくことを多くの人に推奨していますが、過分に加入する必要はありません。日本では死亡保障、医療保障、収入保障などは公的保障でカバーされる部分もあります。
どんなときに、どんな公的保障を受けられるのかを下記にまとめましたので参考にしてください。

必要な保障は?

死亡保障

医療保障

収入保障

対象となる公的保障は?

遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)

高額療養費制度

傷病手当金

休業補償給付

対象者は?

  • 国民年金加入者
  • 厚生年金加入者
  • 国民健康保険加入者
  • 健康保険加入者

健康保険加入者

雇用保険加入者

受給できる条件は?

  • 18歳未満(障害等級1級、2級にある場合は20歳未満)の子がいること
  • 加入している公的年金制度により、その他要件あり

年齢、所得に応じて決められた1カ月当たりの医療費上限額を超えて医療費を自己負担した人

(上限額例)

年収370~770万円の人の場合、約8万円

業務または通勤を原因としない病気やケガで働けず、3日以上仕事を休み、その間の賃金の支払いを受けられない人

業務または通勤が原因となった病気やケガで働けず、3日以上仕事を休み、その間の賃金の支払いを受けられない人

筆者作表

よく、老後の保障(年金)を考えるときは、多くの人はまず公的保障である老齢年金をいくらもらえるのかを考え、足りない分を補うために自分で準備すべき金額を考えると思います。つまり、自分のニーズを満たすためには、「1番=公的保障」、「2番=私的年金で補填」という順番で考えます。
もしもの死亡保障や医療保障なども同じです。「1番=公的保障」、「2番=私的保険で補填」というのが合理的な考え方です。保険の加入や見直しをする際には、公的保障でカバーしきれない部分を民間保険で備えるようにすることで、過度な保険加入を防ぎ、保険料の節約に繋げることができるでしょう。

ライフステージによって変わる見直しの必要性

一般的に保険の見直しはライフステージが変わるときに行います。実際にどこをどう変えるのかは、それぞれの家族状況や資産状況、勤務先からの保障などにもよりますが、注視したい内容は次のとおりです。自分の場合に照らし合わせてチェックしてみてください。

子どもが成長し、教育費がかかる

死亡保障はまだ必要ですが、教育資金準備と保険料支払いが重なり、家計への負担が重くなることもあります。家族のための生活保障と万一のときの教育費確保をひとつの保険でまとめるのではなく、別々に切り離してみるのもいいでしょう。
たとえば、家族のための生活保障は遺族年金で足りない部分を補う目的で、死亡保障額を調整したり、収入保障保険に切り替えたりするのも良いでしょう。

また、万一のことがあっても子どもが大学まで行けるように、大学進学費用を保険料が安い定期保険で備えておくのもひとつの方法です。ただし、大学進学時に親(被保険者)が生存していれば保険金は受け取れず、教育資金に充てることはできません。見直しで保険料が節約できた分を積み立て投資などで資産形成していくと良いでしょう。

マイホームを購入した

ローン申込時に団体信用生命保険に加入すれば、死亡保障を縮小してもいいでしょう。万一のときにはローンの残債は無くなり、住居は残るので家計から住居費が削減されます。一方で、ローン返済中に病気などで働けなくなるリスクを考えると、収入保障保険で備えをしておくと良いでしょう。

独立起業した

遺族厚生年金から遺族基礎年金に変わることで、年金額が手薄くなります。また会社からの保障を期待できていた人はその分が無くなります。死亡保障を増やすことを考えましょう。独立したては経済的に厳しい場合もありますから、保険料が割安の共済制度などを利用するのもいいでしょう。また、病気などで働けなくなるリスクには、収入保障保険での備えをしておきたいものです。

実際、見直しってどうやるの?

いま加入している保険を切り替える方法はいくつかあります。自分の見直しニーズに適する方法として、どんな方法があるかを知り、適した方法を選ぶようにしましょう。
ここでは、仮に現在の保険が定期保険特約付終身保険であるとし、いくつかの見直し方法を紹介します。

〈定期保険特約付終身保険のイメージ図〉

減額

現在加入している保険金額を途中から引き下げる(少なくする)方法です。低減された保険金に相当する分の保険料が少なくなります。

〈減額のイメージ図〉

不要な特約を外す(新規付加)

現在加入している保険に付加されている特約を途中から外す(特約解約)方法です。解約した特約分の保険料が不要になります。下図は定期保険特約を外した例ですが、医療保障特約などを外すこともできます。

〈特約解約のイメージ図〉

切り替え

まったく別の新たな保険に入り直す方法です。保障内容、保険金額、保険期間など、すべてを新たなニーズに合わせることができます。これまで加入していた保険は解約する以外に、次のような方法で継続することも可能です。

1.払済保険にする

保険料の払込みを中止し、変更時の解約払戻金を一時払の保険料に充当して今までの契約の保険期間を変えずに保障額の少ない保険に変更できます。保険料の払込みは無くなり、一定金額の死亡保障を確保できます。ただし、保険会社や現在加入している保険の内容によっては取り扱いできない場合もあります。

〈払済変更のイメージ図〉

2.延長保険にする

保険料の払込みを中止し、変更時の解約払戻金を一時払いの保険料に充当する方法です。今までの契約の保険金額を変えずに保障期間の短い定期保険に変更できます。保険料の払込みは無くなり、一定期間の死亡保障を確保できます。ただし、保険会社や現在加入している保険の内容によっては取り扱いできない場合もあります。

〈延長保険変更のイメージ図〉

3.解約

見直しは保険内容だけでなく、今加入している保険の活用法を見直しするのも有効です。たとえば終身保険などのように、現在加入している保険によっては、長い目で見ると老後のための貯蓄として利用できる場合もあります。つまり、加入目的を「死亡保障」から「老後のための貯蓄」とすれば、家計負担に対する意識が軽くなり、継続しやすくなるかもしれません。

まとめ

見直しというと保険料を抑えることに意識が行きがちですが、いま必要となる保障に加え、将来的にライフフプランのなかで必要となるお金などもイメージしながら上手に見直しをしていってください。

執筆者

續 恵美子

ファイナンシャルプランナー(CFP®)

生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。