【看護師が解説】女性を悩ませる疲れやすさの原因と健康に過ごすためのポイント

健康

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疲れやすさは誰にでも起こりうることであり、原因もさまざまです。まずは基本的な生活習慣を意識し、自分に合った休息をとることで、疲れやすさの改善に取り組んでみましょう。

この記事の監修

浅野すずか

看護師として病院や介護の現場で勤務後、子育てをきっかけにライターに転身。看護師の経験を活かし、主に医療や介護の分野において根拠に基づいた分かりやすい記事を執筆。

「少し動いただけでも疲れてしまう」「最近なんだか疲れがとれない」
仕事や家事、育児など、忙しい私たちの日常はあっという間に過ぎていきます。そのなかで、疲れやすさを感じている方も多いでしょう。

「疲れた」という感覚は誰にでもあるものですが、すぐ疲れたりなかなか疲れがとれなかったりする場合は、何か原因があるのかもしれません。また、疲れやすさが続く裏側には、何かしらのリスクが潜んでいることも考えられます。

今回は、疲れやすさの原因や解消するポイントを一緒に見ていきましょう。疲れやすさが気になっている方、毎日元気に生活したい方の参考になれば幸いです。

そもそも「疲れやすい」とはどういう状態?

だるさ、倦怠感とも表現される「疲れ」ですが、そもそもどういう状態なのでしょうか。
疲れの種類は、大まかに以下の2つあります。

1.身体面の疲れ

休みなく動き続けてしまったり、食事が十分にとれずエネルギーが不足したりすることで、体力が奪われてしまった状態です。「だるい」「動きたくない」と思ったり、動いていてもすぐ休みたくなったりします。

2.精神面の疲れ

気持ちが休まらず、ストレスがかかった状態です。イライラや不安が強く、やる気が起きなくなってしまいます。身体の疲れと精神の疲れは密接に関係しています。身体面の疲れから精神面の疲れが悪化することも、その反対も起こります。

 

疲れを感じること自体は悪くありません。問題は「疲れやすい」「なかなか疲れがとれない」という状態です。これがずっと続くようなら日常生活に影響を及ぼしてしまいます。
また、慢性的に疲れやすさを感じている人は、何かしらの原因が隠れている場合があるので注意が必要です。

疲れやすい原因 実は病気の場合も

疲れやすさを感じる原因には、年齢や季節など避けられないものから生活習慣の乱れといった自分である程度コントロールできるものまでさまざまでます。ここでは代表的なものを6つ紹介します。

1.年齢

年齢とともに疲れやすくなったと感じる人は少なくないでしょう。それは、加齢によって徐々に筋力が低下するためです。さらに心肺機能の低下や食事量減少にともなう栄養不足も考えられます。

2.季節や環境の変化

夏バテや五月病といった言葉があるように、季節や環境の変化も疲れやすさに大きく影響を及ぼします。急激な気温の変化にからだが追いつかなかったり、環境の変化に馴染めなかったりすると、疲れを感じやすくなります。

3.ホルモンバランスの変化

私たちのからだは、年齢やライフイベントによってホルモンのバランスが変化します。たとえば、妊娠中は女性ホルモンの分泌が急激に増えるため疲れやすく、眠気が強くなることがあります。また、閉経前後に訪れる更年期では、女性ホルモンが急激に減るため、心身ともに疲れやすくなります。この更年期ですが、女性だけでなく男性にも起こります。男性の場合は、男性ホルモンが急激に減ることで疲れやすくなり、やる気の低下につながります。

4.生活習慣の乱れ

食生活が乱れていたり睡眠不足が続いたりすると、日々の疲れが回復せずエネルギー不足に陥ります。また、運動不足によって筋力が低下すると、少し動いただけで疲れやすくなってしまいます。

5.ストレス

ストレスが続くことで、精神面での疲れがたまっていきます。気分が落ち込み、何に対してもやる気がおきず、疲れを感じやすくなります。

6.病気

病気のなかには、症状として疲れやすさが現れるものもあります。たとえば、以下のような病気です。

病名

症状

甲状腺ホルモン亢進症(バセドウ病)

甲状腺ホルモンが増えすぎてしまう病気です。新陳代謝が活発になり、疲れやすさのほか、動悸や息切れなどを起こします。

糖尿病

病状が進行するとインスリンが低下し、糖分をエネルギーに変換できず、疲れやすさにつながります。

貧血

赤血球のヘモグロビンが少なくなることで、からだの中に十分な酸素が行き渡らず、疲れやすくなります。

疲れやすさが続くとどうなる? 起こりうる問題点とは

疲れやすさが続くことは、さらに大きな問題を引き起こすおそれをはらんでいます。

1.日常生活の充実度が下がる

疲れやすいと仕事や家事が億劫になるだけでなく、趣味を楽しむ余裕もなくなります。生活に張り合いがなくなり、人生が楽しめなくなってしまいます。

2.病気の発見や治療が遅れる

疲れやすさの原因の病院の場合、早期発見・治療ができなくなります。

3.介護が必要になるリスクが高まる

疲れやすいからといって安静にばかりしていると、筋力が低下します。すると、年齢が高い人ほど介護が必要になるリスクが高まります。

厚生労働省の調査によると、介護が必要になった主な原因でもっとも多いのが「認知症」(18%)でした。その他の原因には、「脳血管疾患(脳卒中)」「関節疾患」などが並ぶなか、「高齢による衰弱」(13%)もまた一定数あり、そのあとに「骨折・転倒」(12%)が続いています。

「高齢による衰弱」と「骨折・転倒」には、筋力低下が大きく関わっています。この二つが原因となった要介護者は、おおよそ4人にひとり。これは、見逃せない数字ではないでしょうか。疲れているからとからだを休ませてばかりいては、将来の介護の不安へとつながります。

政府統計の総合窓口「国民生活基礎調査 令和元年国民生活基礎調査 介護 第24表 介護を要する者数,日常生活の自立の状況・介護が必要となった主な原因別」をもとに作図

疲れやすさを解消していつまでも元気に過ごすためのポイント

元気に過ごすためには、疲れやすさを解消する必要があります。そのためにできることを、5つ紹介します。

1.疲れやすくなった原因を考えてみる

疲れやすくなる原因はさまざまです。「最近疲れやすくなった」と感じたとき、生活リズムの変化やストレスと感じる出来事がなかったか振り返ってみましょう。原因が思い当たるようであれば、それが解消できるような対策を考えてみてください。

2.基本的な生活習慣を続ける

バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠は健康にとって欠かせません。起床時間と就寝時間もできるだけ同じ時間にして、毎日の生活リズムも整えましょう。
コロナ禍でテレワークが普及したことで、外出する機会が減り、同じ姿勢でいることが増えた方も多いと思います。長時間同じ姿勢でいると疲れがたまりやすくなるので、こまめにストレッチを取り入れるようにしてみてください。

3.ゆっくり入浴する

湯船につかってからだを温めることで、ぐっすり眠りやすくなり、疲労回復につながります。理由は、眠気を感じやすいのは体温が下がるときだからです。暑い夏でもシャワーで済ませるのではなく、できるだけ湯船につかることをおすすめします。

4.自分にあった休息をとる

休息というと、睡眠をとったり家でのんびり過ごしたりなど「安静」をイメージしやすいですが、積極的休養という休み方があります。「積極的休養」とは、外出やスポーツなどアクティブに過ごすことで心身ともにリフレッシュする方法です。「休んでいるはずなのに、疲れがとれない」という方は、積極的休養を試してみてください。そのときの自分自身の状態に合わせて、休息の種類を選べるとベストです。

5.定期的な健康診断と早めの受診を心がける

病気の早期発見には、健康診断を受けることが大切です。健康的な生活習慣を心がけつつ、健康診断で定期的に自分のからだをチェックしましょう。疲れやすさがなかなか改善しない場合は、早めに病院を受診しましょう。

まとめ

疲れやすさは誰にでも起こりうることであり、原因もさまざまです。まずは基本的な生活習慣を意識し、自分に合った休息をとることで、疲れやすさの改善に取り組んでみましょう。なお、疲れは病気が原因の場合もあります。気になることがあれば受診し、適切な治療を受けることも大切です。
疲れやすさを改善し、日々の生活をハツラツと過ごしましょう。