静岡県在住の方は損傷を直すリフォームを意識

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「将来はこんな家に住みたい」「ここを○○のようにリフォームしたい」など、住まいに対して思い描く理想は人それぞれではないでしょうか。一方で、「○○が壊れそう」「ずいぶん年季が入ってきた」など、今すぐリフォームしたい箇所もあるかと思います。

そこで、各都道府県の方々に住まいのこだわりや実現したいリフォーム、今すぐ改善したい箇所に関してアンケート調査を行いましたので、その結果を皆様にお届けしたいと思います。

今回は、静岡県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に実施した、アンケート結果とそこからわかったことをご紹介します。

1.静岡県にお住まいの方はお風呂にこだわりがある

まずは、「あなたが住まいに関してこだわりがあるところは何ですか?」と質問した回答をみていきましょう。

(戸建て)
1位:間取り (32.9%)
2位:お風呂 (21.1%)
3位:キッチン(18.4%)

(マンション)
1位:間取り (41.4%)
2位:お風呂 (31.0%)
2位:キッチン(31.0%)

戸建てにお住まいの方とマンションにお住まいの方でアンケートを取りましたが、結果は1位間取り、2位お風呂、3位キッチンと両者で全く同じ結果となりました。

このことから、静岡県にお住まいの方は間取りに加え、お風呂というくつろげる空間にもこだわりを持っていることが伺えます。

静岡県は温暖な海洋性気候が特徴で、四季がはっきりしているという特色があります。しかし、標高が高い東部や中部では平均気温が低く、積雪が見られることもあります。こうしたことから、寒さの厳しい冬も温まれるようにバスルームにこだわるご家庭が多いのかもしれません。

2.静岡県在住の方の理想のリフォーム

次に、「あなたが住んでいる住まいを理想の住まいにリフォーム・リノベーションする場合、どこをどんな風に変えたいか詳しく教えてください。」と質問した回答をみていきましょう。

こちらは自由回答のため、抜粋したものをご紹介していきます。

個別リフォーム系の回答

(戸建て)

  • リビングで過ごす時間が長いのでリビングを充実したい。
  • 風呂を家族で入れるように広くしたい。

(マンション)

  • トイレとお風呂を大きくしたい。
  • お風呂が古くなったので、タイルがはがれ、換気扇の機能が落ちたので、新しくしたい。高齢化にともない手すりなどをつけたい。

バリアフリー系の回答

(戸建て)

  • 子供たちが独立し、自分たち夫婦と両親なので、階段の手摺りの取付、段差の除去、などのバリアフリー化をしたい。
  • 老夫婦だけなのでバリアフリー化を進めたい。

全体リフォーム/リノベーション系の回答

(戸建て)

  • 夫婦で高齢になってきたので、脱衣所や浴室を温かくして、ヒートショックを防ぎたい。地震が必ず来ると言われている静岡県に住んでいるので、耐震補強をしたい。
  • 湯船につかれる風呂、広いキッチン、子供達のそれぞれの部屋、季節の寒暖の影響を受けにくいような壁。

(マンション)

  • お風呂とキッチンを広く家事しやすくしたい。部屋数やクローゼットを増やしたい。
  • カビが生えやすいので通気性と換気性のある部屋にしたい。

3.災害によるいたみを直したい方が多い

ここまでは住まいに対するこだわりや理想のリフォームについてみてきましたが、5年以内にリフォームするとしたら、どういったリフォームを考えているのでしょうか。

そこで、「現在の住まいに対して5年以内にリフォーム・リノベーションなどで改善をしたい箇所はありますか?賃貸住宅にお住いの方は、仮に改善できるとしたらどこを改善したいかをお答えください。」と質問した結果とその回答理由を確認していきましょう。

(戸建て)
1位:お風呂   (22.4%)
2位:外壁    (17.1%)
3位:玄関    (11.8%)
3位:トイレ   (11.8%)
3位:屋根    (11.8%)

(マンション)
1位:お風呂   (24.1%)
2位:キッチン  (17.2%)
3位:トイレ   (10.3%)
3位:クローゼット(10.3%)
3位:換気・通気性(10.3%)

アンケートの結果、戸建て、マンションの両方でお風呂・トイレ・キッチンという水回りが中心に選ばれていますが、回答の理由は次のようになっています。

(戸建て)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (49.0%)
2位:省エネルギー性能の向上          (14.3%)
3位:地震に対する安全性の向上         (10.2%)

(マンション)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (30.8%)
1位:間取り、収納、設備などを使いやすくする  (30.8%)
3位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(15.4%)

使用頻度の高い水回りのリフォームニーズが高いことからもわかるように、戸建てとマンションの両方で「住まいのいたみを直す、きれいにする」という理由が1位となりましたが、これは他の都道府県でも多く見られる傾向です。

しかし、戸建てでは約半数の方が選んでいるように、住宅のダメージを直したいというニーズが特出しているのには、静岡県特有の理由があると推測されます。実は、静岡県は台風の上陸回数が非常に多いのです。

気象庁のデータによると、1951年~2019年第29号の間で静岡県には21回台風が上陸しており、この回数は全国で4番目に多いことがわかりました。台風は暴風や大雨をもたらすため、雨風にさらされる住宅は損傷してしまうことも少なくありません。

その結果、住まいのダメージに対する不満が大きく、住まいのいたみを修理してきれいにしたいと考える方が多いことが想像できます。

4.二世帯住宅にフルリフォーム

静岡県在住の方に、住まいのこだわりや理想のリフォーム、直近5年でリフォームした箇所についてアンケートを取った結果をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

住まいに対してこだわりや住みたいと思う理想はありつつも、将来ではなく直近5年のように、現実的な設問になると今困っていることや利便性を求める方が多いようです。

実際、なにかが故障してから買い替えやリフォームを検討される方も少なくありません。

しかし、これから住み続けていく住まいでは、理想とする住まいの形を実現するために、まとめてリフォーム/リノベーションをしてしまった方が、トータルで見ると安くなるケースがほとんどであり、住みたいと思える家で暮らすことができます。

この機会に、改善したい個所ではなく、「どんな家に住みたいか?」を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に、静岡県で理想の住まいを手に入れたS邸の事例をご紹介します。

ご夫婦でお住まいでしたが、息子夫婦が同居することをきっかけに、それぞれの世帯でプライベートを確保したいという想いや、設備の老朽化・耐震に不安があったため実際にフルリフォームされました。

親世帯、子世帯でそれぞれ空間のデザインを変えながらも、仏間や座敷はそのまま活かし、水まわり(キッチン、浴室・バス、トイレ)、居室(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋など)、和室)など全面的にリフォームした事例になります。