埼玉県在住の方は老後の生活に合わせたリフォームを意識

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「将来はこんな家に住みたい」「ここを○○のようにリフォームしたい」など、住まいに対して思い描く理想は人それぞれではないでしょうか。一方で、「○○が壊れそう」「ずいぶん年季が入ってきた」など、今すぐリフォームしたい箇所もあるかと思います。

そこで、各都道府県の方々に住まいのこだわりや実現したいリフォーム、今すぐ改善したい箇所に関してアンケート調査を行いましたので、その結果を皆様にお届けしたいと思います。

今回は、埼玉県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に実施した、アンケート結果とそこからわかったことをご紹介します。

1.夏と冬の気温差から冷暖房やお風呂にこだわりがある

まずは、「あなたが住まいに関してこだわりがあるところは何ですか?」と質問した回答をみていきましょう。

(戸建て)
1位:間取り (34.9%)
2位:リビング(22.9%)
2位:お風呂 (21.7%)

(マンション)
1位:間取り (39.3%)
2位:冷暖房 (25.0%)
3位:トイレ (21.4%)

今回のアンケートから、戸建てとマンションの両方で間取りにこだわる世帯が1番多いことがわかりました。

しかし、2位以降を見てみると、戸建てでは2位リビング、3位お風呂とゆっくりくつろげる空間が多く選ばれているのに対し、マンションでは2位冷暖房、3位トイレと部屋の温度調節や水回りが多く選ばれる結果となりました。

このことから、埼玉県にお住まいの方は間取りに加えて温まれるくつろぎの空間、温度調節にもこだわりを持っていることが伺えます。

埼玉県は東西に長く、地域によって気温が大きく変わります。例えば、2018年7月に41.1℃を計測した県北部の熊谷では7月の平均気温が26.8℃と夏が厳しい地域ですが、県西部の秩父では1月の平均気温が1.6℃と冬の冷え込みが厳しくなります。

そのため、室内の温度を快適に保つ冷暖房や、冬に温まれるお風呂にこだわる世帯が多いのかもしれません。

2.埼玉県在住の方の理想のリフォーム

次に、「あなたが住んでいる住まいを理想の住まいにリフォーム・リノベーションする場合、どこをどんな風に変えたいか詳しく教えてください。」と質問した回答をみていきましょう。

こちらは自由回答のため、抜粋したものをご紹介していきます。

個別リフォーム系の回答

(戸建て)

  • 洗面時が狭いので広く明るくしたい。
  • お風呂とそれに続く洗面所をこざっぱりしたい。

(マンション)

  • お風呂掃除がしやすいお風呂にしたい。
  • エレベーターがほしい。

バリアフリー系の回答

(戸建て)

  • お風呂とそれに続く洗面所をこざっぱりしたい。
  • 高齢者向きの設備に切り替えたい。

(マンション)

  • 浴室、トイレの段差。

全体リフォーム/リノベーション系の回答

(戸建て)

  • リビングが朝から陽が当たるよう南東に窓がほしい。また、浴室乾燥機・暖房、床暖房をとりいれたい。
  • 家族が寛げる、キッチンとダイニングを一緒にした広い部屋が欲しい。

(マンション)

  • キッチンを広くリビングと繋げたい。
  • クーラー 暖房無くても快適な温度を保てるように。

3.老後の住まいを心配される方が多い

ここまでは住まいに対するこだわりや理想のリフォームについてみてきましたが、5年以内にリフォームするとしたら、どういったリフォームを考えているのでしょうか。

そこで、「現在の住まいに対して5年以内にリフォーム・リノベーションなどで改善をしたい箇所はありますか?賃貸住宅にお住いの方は、仮に改善できるとしたらどこを改善したいかをお答えください。」と質問した結果とその回答理由を確認していきましょう。

(戸建て)
1位:お風呂 (20.5%)
2位:洗面  (14.5%)
2位:外壁  (14.5%)

(マンション)
1位:お風呂 (35.7%)
2位:トイレ (28.6%)
3位:キッチン(25.0%)

アンケートの結果、戸建て、マンションの両方でお風呂・洗面・トイレ・キッチンという水回りを中心に選ばれる結果となりましたが、回答の理由は次のようになっています。

(戸建て)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (45.5%)
2位:間取り、収納、設備などを使いやすくする  (20.5%)
3位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(13.6%)

(マンション)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (43.8%)
2位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(18.8%)
3位:間取り、収納、設備などを使いやすくする  (12.5%)

使用頻度の高い水回りのリフォームニーズが高いことからもわかるように、戸建てとマンションの両方で「住まいのいたみを直す、きれいにする」という理由が1位となりました。これらは、埼玉県に限った話ではなく、他の都道府県でも多く見られる傾向です。

しかし、戸建て・マンションに限らず高齢期の生活に不安が生じているのには、住宅の老朽化と高齢化が同時に進んでいることが背景にあると考えられます。

1980年代後半、埼玉県は東京都のベッドタウンとして開発が盛んに行われ、新興住宅が相次いで建設されました。しかし、その新興住宅も築30年以上が経っており、段差が多い、動線が悪いなど、現代ほどバリアフリーに考慮していない住宅が多く見られます。

また、埼玉県の高齢化率は2017年の26.0%から2045年までに9.8ポイント上昇することが予想されており、高齢者の数は増え続けています。そのため、ご自身や同居者の老後の住まいに対する不安が大きくなっていることが想像できます。

4.ご家族三世帯が集まれる空間を実現したリフォーム

埼玉県在住の方に、住まいのこだわりや理想のリフォーム、直近5年でリフォームした箇所についてアンケートを取った結果をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

住まいに対してこだわりや住みたいと思う理想はありつつも、将来ではなく直近5年のように、現実的な設問になると今困っていることや利便性を求める方が多いようです。

実際、なにかが故障してから買い替えやリフォームを検討される方も少なくありません。

しかし、これから住み続けていく住まいでは、理想とする住まいの形を実現するために、まとめてリフォーム/リノベーションをしてしまった方が、トータルで見ると安くなるケースがほとんどであり、住みたいと思える家で暮らすことができます。

この機会に、改善したい個所ではなく、「どんな家に住みたいか?」を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に、埼玉県で理想の住まいを手に入れたY邸の事例をご紹介します。

ご家族三世帯でお住まいでしたが、間取りを改善して使用していない和室を有効活用したいという想いや、断熱性にも不満があったため実際にフルリフォームされました。

家族が集まれるようにLDKと客間、廊下を繋げて大きい空間を作り、その他にも木質感を活かしつつ水まわり(トイレ)、居室(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋など))など全面的にリフォームした事例になります。

※「令和2年度平均年収と学歴調査

【参照サイト】

内閣府