熊本県在住の方は住まいを修繕するリフォームを希望

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「将来はこんな家に住みたい」「ここを○○のようにリフォームしたい」など、住まいに対して思い描く理想は人それぞれではないでしょうか。一方で、「○○が壊れそう」「ずいぶん年季が入ってきた」など、今すぐリフォームしたい箇所もあるかと思います。

そこで、各都道府県の方々に住まいのこだわりや実現したいリフォーム、今すぐ改善したい箇所に関してアンケート調査を行いましたので、その結果を皆様にお届けしたいと思います。

今回は、熊本県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に実施した、アンケート結果とそこからわかったことをご紹介します。

1.高低差があっても快適に過ごせる階段や廊下にこだわり

まずは、「あなたが住まいに関してこだわりがあるところは何ですか?」と質問した回答をみていきましょう。

(戸建て)
1位:トイレ  (17.2%)
1位:お風呂  (17.2%)
3位:間取り  (14.1%)
3位:キッチン (14.1%)

(マンション)
1位:トイレ  (56.4%)
2位:屋根   (53.8%)
3位:階段・廊下(48.7%)

戸建てでは、1位がトイレ、2位がお風呂になっており、水回りにこだわりがあるご家庭が多いことがわかりました。ただ、他の都道府県と比較しても、特定の項目に対するこだわりが少ない傾向にあります。

一方、マンションでもトイレが1位を獲得しましたが、2位が屋根、3位が階段・廊下と大きく異なる結果となっています。

このことから、熊本県にお住まいの方は水回りの使いやすさ、階段・廊下などの移動スペースに加え、家を守る屋根にこだわりを持っていることが伺えますが、中でも階段・廊下にこだわる背景には熊本県ならではの事情があると考えられます。

熊本県の住宅地には山地や丘陵が多く、敷地内に高低差があることも少なくありません。このことから、階段や廊下にこだわり、移動しやすい部屋づくりを心がけているのかもしれません。

2.熊本県在住の方の理想のリフォーム

次に、「あなたが住んでいる住まいを理想の住まいにリフォーム・リノベーションする場合、どこをどんな風に変えたいか詳しく教えてください。」と質問した回答をみていきましょう。

こちらは自由回答のため、抜粋したものをご紹介していきます。

個別リフォーム系の回答

(戸建て)

  • 車庫から玄関へ入る階段をなくす。
  • お風呂と脱衣所を寒くないようにしたい。

(マンション)

  • 足が伸ばせる風呂にしたい。
  • キッチンにいて、子供と向かい合って会話ができないので対面式にしたい。

バリアフリー系の回答

(戸建て)

  • 外壁の維持管理、部屋のバリアフリー。
  • 床をフラットにしてバリアフリーにしたい。

全体リフォーム/リノベーション系の回答

(戸建て)

  • キッチンカウンターがあるが使いづらいので、リビングがやや無駄になっているから、過ごしやすい広々空間にしたい。
  • 間取りのせいで狭くて暗い部屋が多いので、間取りの変更と窓の増設をしたい。壁と窓に断熱性のあるものを使いたい。

(マンション)

  • 隣家区画も買取って、2世帯分の広い間取りにして、仕切り壁の一部を撤去し、東西に吹き抜ける構造に変更したい。
  • 子供が2人になるので、家族4人でいられるようにキッチンとリビングを広げて、居住空間をゆったりととりたいです。

3.住宅のいたみを修繕したい方が多い

ここまでは住まいに対するこだわりや理想のリフォームについてみてきましたが、5年以内にリフォームするとしたら、どういったリフォームを考えているのでしょうか。

そこで、「現在の住まいに対して5年以内にリフォーム・リノベーションなどで改善をしたい箇所はありますか?賃貸住宅にお住いの方は、仮に改善できるとしたらどこを改善したいかをお答えください。」と質問した結果とその回答理由を確認していきましょう。

(戸建て)
1位:お風呂 (34.4%)
2位:トイレ (29.7%)
3位:キッチン(21.9%)

(マンション)
1位:お風呂 (28.2%)
2位:トイレ (25.6%)
3位:キッチン(20.5%)

アンケートの結果、戸建て、マンションの両方でお風呂・トイレ・キッチンという水回りがTOP3となっていますが、回答の理由は次のようになっています。

(戸建て)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (55.8%)
2位:間取り、収納、設備などを使いやすくする  (14.0%)
3位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(7.0%)
3位:住宅の維持管理をしやすくする       (7.0%)
3位:省エネルギー性能の向上          (7.0%)

(マンション)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (23.8%)
2位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(14.3%)
2位:住宅の維持管理をしやすくする       (14.3%)

使用頻度の高い水回りのリフォームニーズが高いことからもわかるように、戸建てとマンションの両方で「住まいのいたみを直す、きれいにする」という理由が1位となりました。これらは、熊本県に限った話ではなく、他の都道府県でも多く見られる傾向です。

しかし、同項目が戸建てで55.8%も選ばれていることから、他の都道府県と比べても住宅のいたみを直したいというニーズが高いことが考えられます。これには、熊本県を襲った地震の影響があると推測されます。

2016年、熊本県を最大震度7の強い揺れが襲い、震度6弱以上の地震が3日間で計7回も発生しました。この地震の影響で、被害を受けた住宅の数は約21万棟にも及びます。現在、この地震から数年しか経過しておらず、地震によるダメージの修復が進んでいない住戸があることで、住まいをきれいにしたいという要望が多くなったことが想像できます。

4.リビングを増築しゆったりとした空間にリフォーム

熊本県在住の方に、住まいのこだわりや理想のリフォーム、直近5年でリフォームした箇所についてアンケートを取った結果をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

住まいに対してこだわりや住みたいと思う理想はありつつも、将来ではなく直近5年のように、現実的な設問になると今困っていることや利便性を求める方が多いようです。

実際、なにかが故障してから買い替えやリフォームを検討される方も少なくありません。

しかし、これから住み続けていく住まいでは、理想とする住まいの形を実現するために、まとめてリフォーム/リノベーションをしてしまった方が、トータルで見ると安くなるケースがほとんどであり、住みたいと思える家で暮らすことができます。

この機会に、改善したい個所ではなく、「どんな家に住みたいか?」を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に、熊本県で理想の住まいを手に入れたM邸の事例をご紹介します。

築25年の戸建てにお住まいでしたが、ご夫婦の退職をきっかけに、使いやすい動線を考慮した快適な住まいづくりをしようとフルリフォームされました。

リビングを増築して広くなったことで、ゆったりと余裕を持った生活を送れているというM夫婦ですが、リビングの他にも水まわり(キッチン・浴室・トイレ・洗面)の整備や、リビングに床暖房を導入するなど全面的にリフォームした事例になります。