宮城県在住の方は利便性の高い住まいを意識

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「将来はこんな家に住みたい」「ここを○○のようにリフォームしたい」など、住まいに対して思い描く理想は人それぞれではないでしょうか。一方で、「○○が壊れそう」「ずいぶん年季が入ってきた」など、今すぐリフォームしたい箇所もあるかと思います。

そこで、各都道府県の方々に住まいのこだわりや実現したいリフォーム、今すぐ改善したい箇所に関してアンケート調査を行いましたので、その結果を皆様にお届けしたいと思います。

今回は、宮城県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に実施した、アンケート結果とそこからわかったことをご紹介します。

1.限りあるスペースを有効利用した間取りにこだわりがある

まずは、「あなたが住まいに関してこだわりがあるところは何ですか?」と質問した回答をみていきましょう。

(戸建て)
1位:間取り(33.8%)
2位:断熱性(22.1%)
2位:お風呂(16.2%)

(マンション)
1位:間取り(41.0%)
2位:お風呂(25.6%)
3位:収納 (20.5%)

戸建てとマンションの両方で1位に選ばれたのは間取りで、2位以下に10ポイント以上差をつけています。2位以降を見ていくと、戸建てでは2位が断熱性、3位がお風呂と続いていますが、マンションでは2位がお風呂、3位が収納という結果になりました。

お住まいの住宅の種類に関わらず、2位以下と大きく差をつけて間取りという回答が多く見られたことから、宮城県にお住まいの方は部屋の構成や位置を工夫して素敵な居住スペースを実現されていることが伺えます。

宮城県は可住地面積が全国で11番目に大きい県ですが、2011年の東日本大震災で大きな被害を受け、2008年の県内住宅602,900戸のうち39.5%の住宅が全半壊となりました。住宅の被害のほとんどが津波によるもので、震災後は内陸部や高台へと移りこむ人が増え地価が高騰しています。

そのため、被災していない内陸部などのエリアでは十分な建築面積を確保することができず、限りある敷地を活かして安らげる住まいを作ろうと間取りにこだわる世帯が多いのかもしれません。

2.宮城県在住の方の理想のリフォーム

次に、「あなたが住んでいる住まいを理想の住まいにリフォーム・リノベーションする場合、どこをどんな風に変えたいか詳しく教えてください。」と質問した回答をみていきましょう。

こちらは自由回答のため、抜粋したものをご紹介していきます。

個別リフォーム系の回答

(戸建て)

  • ベランダをサンルームみたいにしたい。
  • 床の間が不要なので、つぶして収納にしたい。

(マンション)

  • お風呂を狭くしたい。

バリアフリー系の回答

(戸建て)

  • 将来の,動きが悪くなったときにゆったりとくつろげる部屋を準備したい。
  • 足腰が弱くなった時に車椅子で移動できるように段差をなくしたいとは思っています。

全体リフォーム/リノベーション系の回答

(戸建て)

  • リビングを広くして、和室も洋間にして1階にもう一部屋ほしい。お風呂をユニットバスにして暖かくしたい。
  • 古い家なのでいたるところの修繕。一部の間取りを変えたい。クローゼットを作りたい。システムキッチンにしたい。システムバスにしたい。

(マンション)

  • 水光熱費を安くするためにも、日当たりの良さは重要視したい。また、掃除が行き届かなくても綺麗に見えるような作りにしたい。
  • まわりがうるさいので、遮音性を高めたい。

3.利便性の高い間取りや設備にリフォームしたい方が多い

ここまでは住まいに対するこだわりや理想のリフォームについてみてきましたが、5年以内にリフォームするとしたら、どういったリフォームを考えているのでしょうか。

そこで、「現在の住まいに対して5年以内にリフォーム・リノベーションなどで改善をしたい箇所はありますか?賃貸住宅にお住いの方は、仮に改善できるとしたらどこを改善したいかをお答えください。」と質問した結果とその回答理由を確認していきましょう。

(戸建て)
1位:お風呂 (19.1%)
2位:トイレ (17.6%)
3位:キッチン(14.7%)
3位:外壁  (14.7%)

(マンション)
1位:トイレ (38.5%)
2位:お風呂 (35.9%)
3位:キッチン(30.8%)

アンケートの結果、戸建て、マンションの両方でお風呂・トイレ・キッチンという水回りのエリアが3位以内にランクインしていますが、回答の理由は次のようになっています。

(戸建て)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (39.5%)
2位:間取り、収納、設備などを使いやすくする  (18.4%)
3位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(7.9%)
3位:住宅の維持管理をしやすくする       (7.9%)
3位:省エネルギー性能の向上          (7.9%)
3位:その他                  (7.9%)

(マンション)
1位:住まいのいたみを直す、きれいにする    (39.3%)
2位:間取り、収納、設備などを使いやすくする  (28.6%)
3位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上(14.3%)

使用頻度の高い水回りのリフォームニーズが高いことからもわかるように、戸建てとマンションの両方で「住まいのいたみを直す、きれいにする」という理由が1位であり、戸建てに関しては2位と倍以上の差をつけています。

そうした状況でも、間取りや収納、設備を使いやすく変えたいという意見に票が集まっているのには、高度経済成長期に建てられた住宅の老朽化による収納の不便性や設備の劣化にあると推察できます。

宮城県では県庁所在地である仙台市に大企業が集中しており、昭和40~50年代にかけて通勤者のために仙台市郊外や隣接都市の宅地開発が盛んに行われました。

現在もベッドタウンとしての需要が大きく住宅街の開発は続いていますが、すでに築30年以上が経過している住宅は少なくありません。

築年数の古い住宅では現代基準のものより利便性が低い設備が多く、間取りや収納スペースを見直したい、設備をより使い勝手が良いものに変えたいというニーズが増えていることが想像できます。

4.暖炉を活かした素敵なお部屋へリフォーム

宮城県在住の方に、住まいのこだわりや理想のリフォーム、直近5年でリフォームした箇所についてアンケートを取った結果をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

住まいに対してこだわりや住みたいと思う理想はありつつも、将来ではなく直近5年のように、現実的な設問になると今困っていることや利便性を求める方が多いようです。

実際、なにかが故障してから買い替えやリフォームを検討される方も少なくありません。

しかし、これから住み続けていく住まいでは、理想とする住まいの形を実現するために、まとめてリフォーム/リノベーションをしてしまった方が、トータルで見ると安くなるケースがほとんどであり、住みたいと思える家で暮らすことができます。

この機会に、改善したい個所ではなく、「どんな家に住みたいか?」を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に、宮城県で理想の住まいを手に入れたS邸の事例をご紹介します。

暖炉がある素敵な中古住宅をご購入されたSさんですが、室内は間取りが悪く、外観は外壁が老朽化して見栄えが悪いこともあり、実際にフルリフォームされました。

省エネ性能も向上させつつ、水まわり(キッチン、浴室・バス、トイレ、洗面)、居室(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋など))、外まわり(外壁)、その他(玄関・ホール)など全面的にリフォームした事例になります。