2019年版・住まいの実態調査【福島県編】 住まいに関する具体的な不満とその対処法

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「あなたは自分の住まいに不満をもっていますか?」そう聞かれた時、あなたはどんな風に答えるでしょうか。

日本第3位の面積を誇り、会津・中通り・浜通りという3つの地域で発展してきた福島県。2011年に地震や津波、原発事故など震災を経験したこの地域に住んでいる方々は、住まいに関してどのような不満を抱えているのでしょうか。

そこで、当社は福島県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に、住まいに関する不満に関するアンケートを実施しました。その結果や全国で実施したアンケート結果を比較してわかったこと、住宅の不満解消のためのリフォーム事例などをご紹介します。

1.福島県の住まいに関する不満

まずは、福島県の住まいに関する不満を全国の結果と比較しながら見ていきましょう。

1-1.住まいに関する不満

まずは、福島県在住の方に「住まいに関する不満はありますか?」と質問した結果です。

非常に不満:10.4%
多少不満:27.4%

合計すると、住まいに不満のある方は、37.8%となりました。

次に、全国を対象としたデータを見てみましょう。平成25年に国土交通省が全国に対して実施した「住生活総合調査結果」の「住宅及び居住環境に対する総合的な評価」の結果です。

非常に不満:3.3%
多少不満:18.8%

合計すると、22.1%となっています。

実施した時期は違いますが、全国と比較すると福島県在住の方の住まいに対する不満は倍近くという結果となりました。

1-2.住まいに関する具体的な不満

次は具体的な不満を見ていきましょう。

福島県在住の方に「住まいに関する具体的な不満は何ですか?」と質問した結果です。

1位:収納の多さ、使いやすさ(50.0%)
2位:住宅の断熱性や気密性(47.5%)
3位:住宅の広さや間取り(40.0%)
3位:台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ(40.0%)

次いで「冷暖房などの省エネルギー性」が37.5%、「上下階や隣戸の生活音などに対する遮音性」が30.0%と高い割合を示しています。

一方、全国の「住宅の個別要素に対する不満率」のアンケート結果です。

1位:高齢者への配慮(53.5%)
2位:地震時の住宅の安全性(48.6%)
3位:冷暖房などの省エネルギー性(46.7%)

次いで「住宅のいたみの少なさ」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の防犯性」となっています。

全国では安全性や快適に生活するための項目が上位を占めていますが、福島県では水まわりや快適性などに関する項目が上位を占める結果となりました。

「地震時の住宅の安全性」に関しては、全国で2位、福島県で8位と興味深い結果となっています。

2.福島県在住の方の住まいの不満とは

全国調査と比較して、福島県では「収納の多さ、使いやすさ」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の広さや間取り」「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」の4つが特有の不満として挙がっていることがわかりました。

まず、「住宅の広さや間取り」は、震災の復興需要で郡山市や福島市、いわき市などを中心に地価が上昇していることや、それら都市に原発周辺の市町村からの移住者が増えていることから、広い敷地の確保が難しいことが不満につながっていると推測できます。

また、「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」「収納の多さ、使いやすさ」の2つの不満率の高さに関しては、住民の高齢化に対応できていない住宅が多いことが背景にあると考えられます。

福島県によると、2019年4月1日時点の県の高齢化率は31.3%で、全国平均より3%高くなっています。また、金山町で59.4%、昭和村で56.1%、三島村で53.5%といったように、地方自治体の中には高齢者が過半数を超えており、過半数に迫るところも少なくありません。

前述のとおり、高齢者に対応できていない住宅が多い場合、その住宅の設備や収納に対しても不満を抱くことが多いと考えられます。

「住宅の断熱性や気密性」の不満率が高いのは、冬季は平野部でも降雪が見られる土地柄ながら、高気密高断熱住宅など地域特性に則した住宅の普及が遅れていることが推測できます。

また、興味深かったのは、全国調査で2番目に多かった「地震時の住宅の安全性」が、福島県では8位だったことです。すでに東北地方太平洋沖型地震から、8年以上が経過しているため、多くの方が地震に対する安全性を確保できているのでしょうか。

3.不満を解消した福島県のリフォーム事例

リフォーム・リノベーションは、住まいの不満を解消するための1つの方法です。

住まいの不満を解消して住みやすい住まいに変えたケースとして、福島県のリフォーム事例を紹介します。

【福島県 S邸】

築年数26年の戸建て住宅でしたが、水まわり(キッチン、浴室・バス、洗面)、居間(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋))、その他(廊下・階段・窓、収納)をリフォームした事例です。築年数が古くても住みやすい住まいに変えることができます。

4.住まいの不満をリフォーム・リノベーションで解消

リフォームには、台所・トイレ・浴室などの水まわり、玄関の収納など、気になる部分だけを行うものから、間取りなどを変更する大々的なものまで様々です。

予算や目的に応じて適切なリフォームを行うことで住まいの不満を解消することができます。

「住宅の断熱性や気密性」は、部位リフォームや部分リフォーム、全面リフォームを実施することで改善することができます。

断熱性や気密性は、窓や床、壁、天井をリフォームすることで高めることができます。

ただ、住宅性能にかかわる部分ですので、素人目にはリフォーム内容や実際のリフォームの結果が良いものになったのかがわかりにくいという側面もあります。

そのため、失敗する可能性を減らすためにも、信頼できる方に相談したり、信頼できる会社に依頼するよることをおすすめします。

5.まとめ

今回は、全国と比較しながら福島県特有の住まいの不満とそうした不満を解消したリフォーム事例を紹介しました。

福島県では、復興需要による地価の高騰の影響から、間取りに対して不満が多いことがわかりました。また、住宅も住民共々年月を重ね、現代のライフスタイルに水まわりや収納などの設備で対応できていないことも、高い不満となって結果に表れていました。

リフォーム事例のように、現在の住まいに不満を抱えている方は、リフォーム・リノベーションが不満を解消する1つの方法です。もし住まいに不満があったら、リフォーム・リノベーションを考えてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

参考サイト1:地震本部『福島県の地震活動の特徴』
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_tohoku/p07_fukushima/

参考サイト2:AllAbout『収納計画、昔と今はココが違う~リフォームの現場から』
https://allabout.co.jp/gm/gc/449118/

参考サイト3:イエ&ライフ『福島県の土地価格の6年間の動きと、今後の見通し』
https://ie-and-life.com/category/land-prices/fukushima/

参照サイト

国土交通省“平成25年住生活総合調査結果”[① 住宅及び居住環境に対する総合的な評価(p.29)]の一部を抜粋.国土交通省.2015.9.30.
http://www.mlit.go.jp/common/001104812.pdf、(参照2019-03-25).

福島県“福島県の高齢化の現状”[ (1)福島県の状況][ (2)県内市町村の状況]の一部を抜粋.福島県.2019.4.24.
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21025c/fukushimaken-genjou.html、(参照2019-05-17).