2019年版・住まいの実態調査【奈良県編】 住まいに関する具体的な不満とその対処法

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「あなたは自分の住まいに不満をもっていますか?」そう聞かれた時、あなたはどんな風に答えるでしょうか。

平城宮跡の朱雀門や大仏で有名な東大寺、阿修羅像、四天王像のある興福寺、聖徳太子ゆかりの寺院であり世界最古の木造建築物の法隆寺などの仏閣が有名な奈良県。2010年に平城京遷都1300年を迎えたのは記憶に新しいでしょう。この地域に住んでいる方々は、住まいに関してどのような不満を抱えているのでしょうか。

そこで、当社は奈良県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に、住まいに関する不満に関するアンケートを実施しました。その結果や全国で実施したアンケート結果を比較してわかったこと、住宅の不満解消のためのリフォーム事例などをご紹介します。

1.奈良県の住まいに関する不満

まずは、奈良県の住まいに関する不満を全国の結果と比較しながら見ていきましょう。

1-1.住まいに関する不満

まずは、奈良県在住の方に「住まいに関する不満はありますか?」と質問した結果です。

非常に不満:6.5%
多少不満:40.2%

合計すると、住まいに不満のある方は、46.7%となりました。

次に、全国を対象としたデータを見てみましょう。平成25年に国土交通省が全国に対して実施した「住生活総合調査結果」の「住宅及び居住環境に対する総合的な評価」の結果です。

非常に不満:3.3%
多少不満:18.8%

合計すると、22.1%となっています。

実施した時期は違いますが、全国と比較すると奈良県在住の方の住まいに対する不満は倍以上という結果となりました。

1-2.住まいに関する具体的な不満

次は具体的な不満を見ていきましょう。

奈良県在住の方に「住まいに関する具体的な不満は何ですか?」と質問した結果です。

1位:台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ(54.0%)
2位:収納の多さ、使いやすさ(44.0%)
3位:住宅の広さや間取り(40.0%)

次いで「地震時の住宅の安全性」「冷暖房などの省エネルギー性」が36.0%、「高齢者などへの配慮」が28.0%と高い割合を示しています。

一方、全国の「住宅の個別要素に対する不満率」のアンケート結果です。

1位:高齢者への配慮(53.5%)
2位:地震時の住宅の安全性(48.6%)
3位:冷暖房などの省エネルギー性(46.7%)

次いで「住宅のいたみの少なさ」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の防犯性「収納の多さ、使いやすさ」となっています。

全国では安全性や快適に生活するための項目が上位を占めていますが、奈良県では間取りや収納、水まわりに関する項目が上位を占める結果となりました。

2.奈良県在住の方の住まいの不満とは

全国調査と比較して、奈良県では「住宅の広さや間取り」「収納の多さ、使いやすさ」「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」の3つが特有の不満として挙がっていることがわかりました。

まず、「住宅の広さや間取り」については、奈良県は県土の大半が山地であり、可住地面積が全国でも有数の少なさであることが、不満の要因の1つになっていると推測できます。

奈良市や天理市、大和郡山市といった人口が集中する地域でも、地価は首都圏と比較して安価で、一見広い敷地を確保することは難しくないように見えます。

しかし、これらの自治体には農地や重要文化財などがあり、住宅の建設が難しい場所も多く、また駅近など好立地は土地開発業者にマンション用地として押さえられてしまうことが、自由度の高い間取りや広さを求める人の不満を生んでいると考えられます。

また、「収納の多さ、使いやすさ」「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」の2つの不満率の高さに関しては、住宅の老朽化が密接に関係していると推測できます。

奈良県の奈良県住生活基本計画によると、県内の住宅の利活用用期間は全国平均32.1年を上回る37.3年となっており、これは築年数が経過して老朽化した住宅に長く住んでいる人が多いことを表しています。

老朽化した住宅は、浴室や収納などの設備が現代のライフスタイルには合っていない設計となっているため、不満が多くなります。

また、新築でも「住宅の広さや間取り」の項目でご紹介したように、制約のある間取りや広さでは、注文住宅だとしても想定しているような設備の使い勝手の良さなどを得られないケースもあり、不満が顕在化していると考えられます。

3.不満を解消した奈良県のリフォーム事例

リフォーム・リノベーションは、住まいの不満を解消するための1つの方法です。

住まいの不満を解消して住みやすい住まいに変えたケースとして、奈良県のリフォーム事例を紹介します。

【奈良県 O邸】

築年数30年の戸建て住宅でしたが、水まわり(キッチン、浴室・バス、トイレ、洗面)、居間(リビング・ダイニング)、外まわり(外構(庭)・バルコニー・エクステリア)、その他(玄関・ホール、収納)をリフォームした事例です。築年数が古くても住みやすい住まいに変えることができます。

4.住まいの不満をリフォーム・リノベーションで解消

リフォームには、台所・トイレ・浴室などの水まわり、玄関の収納など、気になる部分だけを行うものから、間取りなどを変更する大々的なものまで様々です。

予算や目的に応じて適切なリフォームを行うことで住まいの不満を解消することができます。

奈良県では、敷地が確保しづらいことなどもあって、「住宅の広さや間取り」「収納の多さ、使いやすさ」「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」が上位にランクインしていますが、大幅なリフォームを施す場合はいずれも様々な工法があるので、住宅リフォーム会社など専門家に相談し、時間をかけて準備すると失敗を減らすことができます。

目的を整理して、優先順位をつけることで、目先の不満を解消するだけでなく、生涯住みやすいリフォーム・リノベーションを実現することができます。

5.まとめ

今回は、全国と比較しながら奈良県特有の住まいの不満とそうした不満を解消したリフォーム事例を紹介しました。

奈良県は可住地面積が少なく、なかなか広い敷地を確保できないなどの理由もあり、間取り、収納、水まわりに対して不満が多いことがわかりました。

リフォーム事例のように、現在の住まいに不満を抱えている方は、リフォーム・リノベーションが不満を解消する1つの方法です。もし住まいに不満があったら、リフォーム・リノベーションを考えてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

参考サイト1:県民だより奈良『気候からみた奈良県』
http://www.pref.nara.jp/koho/kenmindayori/tayori/t2012/tayori2405/nara_toukei2405.htm

参考サイト2:都道府県別統計とランキングで見る県民性『可住地面積率 [ 2015年第一位 大阪府 ]』
https://todo-ran.com/t/kiji/18671

参照サイト

国土交通省"平成25年住生活総合調査結果"[① 住宅及び居住環境に対する総合的な評価(p.29)]の一部を抜粋.国土交通省.2015.9.30
http://www.mlit.go.jp/common/001104812.pdf (参照2019-03-25)

奈良県"奈良県住生活基本計画"[ ② 住宅の性能等(p.8)]の一部を抜粋
http://www.pref.nara.jp/secure/175905/H29.3_keikaku.pdf (参照2019-05-22)