2019年版・住まいの実態調査【東京都編】 住まいに関する具体的な不満とその対処法

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「あなたは自分の住まいに不満をもっていますか?」そう聞かれた時、あなたはどんな風に答えますか。

日本の首都、世界でも有数な都市である東京都。四季の変化が明瞭であり、夏季は高温・多雨、冬季は晴れて乾燥する日が多い土地柄です。また、都心では再開発エリアが多く、住まいの最先端の住居が数多く存在するこの地域に住んでいる方々は、住まいに関してどのような不満を抱えているのでしょうか。

そこで、当社は東京都に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に、住まいに関する不満に関するアンケートを実施しました。その結果や全国で実施したアンケート結果を比較してわかったこと、住宅の不満解消のためのリフォーム事例などをご紹介します。

1.東京都の住まいに関する不満

まずは、東京都の住まいに関する不満を全国の結果と比較しながら見ていきましょう。

1-1.住まいに関する不満

まずは、東京都在住の方に「住まいに関する不満はありますか?」と質問した結果です。

非常に不満:11.3%
多少不満:28.3%

合計すると、住まいに不満のある方は、39.6%となりました。

次に、全国を対象としたデータを見てみましょう。平成25年に国土交通省が全国に対して実施した「住生活総合調査結果」の「住宅及び居住環境に対する総合的な評価」の結果です。

非常に不満:3.3%
多少不満:18.8%

合計すると、22.1%となっています。

実施した時期は違いますが、全国と比較すると東京都在住の方の住まいに対する不満は倍近く高いという結果となりました。

1-2.住まいに関する具体的な不満

次は具体的な不満を見ていきましょう。

東京都在住の方に「住まいに関する具体的な不満は何ですか?」と質問した結果です。

1位:台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ(50.0%)
2位:住宅の広さや間取り(42.9%)
3位:収納の多さ、使いやすさ(40.5%)

次いで「換気性能」「住宅の断熱性や気密性」「冷暖房などの省エネルギー性」「上下階や隣戸の生活音などに対する遮音性」が33.3%で並び、「地震時の住宅の安全性」「住宅のいたみの少なさ」も23.8%と割合が高いことがわかります。

一方、全国の「住宅の個別要素に対する不満率」のアンケート結果です。

1位:高齢者への配慮(53.5%)
2位:地震時の住宅の安全性(48.6%)
3位:冷暖房などの省エネルギー性(46.7%)

次いで「住宅のいたみの少なさ」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の防犯性「収納の多さ、使いやすさ」となっています。

全国では安全性や快適に生活するための項目が上位を占めていますが、東京都では台所やトイレなどの使い勝手、住宅の広さや間取りなどに関する項目が上位を占める結果となりました。

「地震時の住宅の安全性」に関しては、全国で2位となっていますが、東京都では8位と、一般的に地震の危険性が高い地域にもかかわらず、意外にも低い結果となりました。

2.東京都在住の方の住まいの不満とは

全国調査と比較して、東京都では「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」「住宅の広さや間取り」「収納の多さ、使いやすさ」の3つが特有の不満として挙がっていることがわかりました。

まず、「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」「収納の多さ、使いやすさ」の2つの不満率の高さについては、住宅の老朽化が関係していると考えられます。

東京都では、過去に戦後の高度成長期における産業構造の転換に対応した大都市圏への人口集中への対応のため、郊外でも都心の通勤圏内に、「国策」として住宅団地を整備してきました。

都内の代表的な住宅団地としては、多摩市の「多摩ニュータウン」、武蔵村山市の「都営村山団地」などがあります。

これらの住宅団地は高度経済成長期近くに建設されたものですでに築40年以上経っている住宅も少なくありません。リフォームやリノベーションを実施していない場合、現代のライフスタイルに対応できる設備ではなく、台所やトイレの使いやすさ、収納など設備への不満が多いのもうなずけます。

また、「住宅の広さや間取り」に関しては、全国一の東京都の地価の高さが大きな不満の原因の1つになっていることが推測できます。

東京都は23区の大半が突出していますが、武蔵野市、三鷹市、小金井市、立川市、調布市など、都心へのアクセスが容易な市も地価が高水準であり人口も多いため、広い敷地が確保しづらく、十分な住宅の広さや間取りを確保することが難しいのが現状です。

広い土地を確保しづらいことは「収納の多さ、使いやすさ」「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」にも影響を与えており、思うような収納スペースや浴室の広さなどを確保できないことも不満率を高めている遠因になっているといえます。

3.不満を解消した東京都のリフォーム事例

リフォーム・リノベーションは、住まいの不満を解消するための1つの方法です。

住まいの不満を解消して住みやすい住まいに変えたケースとして、東京都のリフォーム事例を紹介します。

【東京都 O邸】

築年数50年の戸建て住宅でしたが、水まわり(キッチン・トイレ・浴室・バス)、居間(リビング・ダイニング・洋室(寝室・子供部屋など))、その他(収納)をリフォームした事例です。築年数が古くても住みやすい住まいに変えることができます。

4.住まいの不満をリフォーム・リノベーションで解消

リフォームには、台所・トイレ・浴室などの水まわり、玄関の収納など、気になる部分だけを行うものから、間取りなどを変更する大々的なものまで様々です。

予算や目的に応じて適切なリフォームを行うことで住まいの不満を解消することができます。

ただ、不満があるからと言って将来的なことを考えずにリフォームを行うと失敗するケースも少なくありません。目的を整理して、優先順位をつけ、十分な下調べを行ってください。

時間をかけて準備をすることで、目先の不満を解消するだけでなく、子供の成長や家族構成の変化にも対応できるリフォーム・リノベーションを実現することができます。

5.まとめ

今回は、全国と比較しながら東京都特有の住まいの不満とそうした不満を解消したリフォーム事例を紹介しました。

23区を筆頭に地価が高く、なかなか広い敷地を確保できないなどの理由もあり、間取り、収納、水まわりに対して不満が多いことがわかりました。

リフォーム事例のように、現在の住まいに不満を抱えている方は、リフォーム・リノベーションで不満を解消するのも1つの手です。

もし住まいに不満があったら、リフォーム・リノベーションを考えてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

参考サイト1:土地価格相場がわかる土地代データ『東京都』
https://tochidai.info/tokyo/

参考サイト2:東京Deep案内『都内で唯一鉄道が通らないマイナー過ぎる街・武蔵村山市の「村山団地」が超絶レトロだった』
https://tokyodeep.info/murayama-danchi/

参照サイト

国土交通省“平成25年住生活総合調査結果”[① 住宅及び居住環境に対する総合的な評価(p.29)]の一部を抜粋.国土交通省.2015.9.30.
http://www.mlit.go.jp/common/001104812.pdf、(参照2019-03-25).