2019年版・住まいの実態調査【長野県編】 住まいに関する具体的な不満とその対処法

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「あなたは自分の住まいに不満をもっていますか?」そう聞かれた時、あなたはどんな風に答えますか。

47都道府県の中で、北海道、岩手県、福島県に次ぐ面積を持つ長野県。群馬県、埼玉県、山梨県、静岡県、愛知県、岐阜県、富山県、新潟県と、日本で最も多くの都道府県と隣接する県でもあります。軽井沢、志賀高原、菅平高原、八ヶ岳山麓、上高地など、標高が高い地域があることでも有名なこの地域に住んでいる方々は、住まいに関してどのような不満を抱えているのでしょうか。

そこで、当社は長野県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に、住まいに関する不満に関するアンケートを実施しました。その結果や全国で実施したアンケート結果を比較してわかったこと、住宅の不満解消のためのリフォーム事例などをご紹介します。

1.長野県の住まいに関する不満

まずは、長野県の住まいに関する不満を全国の結果と比較しながら見ていきましょう。

1-1.住まいに関する不満

まずは、長野県在住の方に「住まいに関する不満はありますか?」と質問した結果です。

非常に不満:12.8%
多少不満:44.0%

合計すると、住まいに不満のある方は、56.8%となりました。

次に、全国を対象としたデータを見てみましょう。平成25年に国土交通省が全国に対して実施した「住生活総合調査結果」の「住宅及び居住環境に対する総合的な評価」の結果です。

非常に不満:3.3%
多少不満:18.8%

合計すると、22.1%となっています。

実施した時期は違いますが、全国と比較すると長野県在住の方の住まいに対する不満は倍以上という結果となりました。

1-2.住まいに関する具体的な不満

次は具体的な不満を見ていきましょう。

長野県在住の方に「住まいに関する具体的な不満は何ですか?」と質問した結果です。

1位:冷暖房などの省エネルギー性(41.9%)
2位:住宅の断熱性や気密性(40.3%)
2位:住宅の広さや間取り(40.3%)

次いで「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」「収納の多さ、使いやすさ」が30%を超える結果となりました。

一方、全国の「住宅の個別要素に対する不満率」のアンケート結果です。

1位:高齢者への配慮(53.5%)
2位:地震時の住宅の安全性(48.6%)
3位:冷暖房などの省エネルギー性(46.7%)

次いで「住宅のいたみの少なさ」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の防犯性」となっています。

全国では安全性や快適に生活するための項目が上位を占めていますが、長野県では主に快適に生活するための項目が上位を占める結果となりました。

2.長野県在住の方の住まいの不満とは

全国調査と比較して、長野県では「冷暖房などの省エネルギー性」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の広さや間取り」の3つが特有の不満として挙がっていることがわかりました。

「冷暖房などの省エネルギー性」「住宅の断熱性や気密性」の不満率の高さは、長野県の気候が大きく影響しているものと考えられます。

気象庁の統計によると、長野県の1981~2010年の年間平均気温は11.9℃で、冬季にあたる12月の平均気温は2.1℃、1月は-0.6℃、2月は0.1℃と著しく低く、厳しい寒さに見舞われます。

また、冬季においては、中部や南部の平地は季節風が山脈を越えてくるため、空気が乾燥し、晴れの日が続きますが、北部は季節風の影響で雪の日が多いのも特徴です。

築年数が古い住宅ほど、住宅の省エネ性能や断熱性、気密性が新築および築浅物件に劣ることが一般的であり、これらの点で不満が噴出しているものと考えられます。

また、「住宅の広さや間取り」の不満率の高さについては、一見、部屋が手狭であることが不満を集めていると思いがちですが、長野県は首都圏と比べて地価が安価であり、広い敷地を確保することはそれほど難しいことではありません。

おそらく、高度成長期に相次いで建てられた県営住宅など、老朽化した公営住宅の間取りが、現在のライフステージに合わず、「生活導線が悪い」などの不満が噴出しているものと考えられます。

3.不満を解消した長野県のリフォーム事例

リフォーム・リノベーションは、住まいの不満を解消するための1つの方法です。

住まいの不満を解消して住みやすい住まいに変えたケースとして、長野県のリフォーム事例を紹介します。

【長野県 W邸】

築年数52年の戸建て住宅でしたが、居間(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋など))をリフォームした事例です。築年数が古くても住みやすい住まいに変えることができます。

4.住まいの不満をリフォーム・リノベーションで解消

リフォームには、台所・トイレ・浴室などの水まわり、玄関の収納など、気になる部分だけを行うものから、間取りなどを変更する大々的なものまで様々です。

予算や目的に応じて適切なリフォームを行うことで住まいの不満を解消することができます。

なお、「冷暖房などの省エネルギー性」「住宅の断熱性や気密性」に関しては、「高気密高断熱住宅」の購入やリフォームなどで解決することができます。

高気密高断熱住宅は隙間がなく、高性能な断熱材で作られた「魔法瓶」のような構造をしており、わずかなエネルギーで室内が暖めて、部屋の空気も逃がさないことが特徴です。そのため、暖房のランニングコストが抑えられ、体への負担も少なくすることができます。

また、省エネや断熱のような、住宅の性能を高めるリフォーム・リノベーションはその手法も多数あり、自分ひとりでは判断に困る部分も出てくるかと思いますので、信頼できる人に相談し、時間をかけて準備をすることをおすすめします。

目的を整理して、優先順位をつけることで、理想のリフォーム・リノベーションを実現することができます。

5.まとめ

今回は、全国と比較しながら長野県特有の住まいの不満とそうした不満を解消したリフォーム事例を紹介しました。

長野県では、年間を通して平均気温が低く、降雪量も北部では多いなどの理由もあり、省エネや断熱性・気密性に対して不満が多いことがわかりました。

リフォーム事例のように、現在の住まいに不満を抱えている方は、リフォーム・リノベーションが不満を解消する1つの方法です。もし住まいに不満があったら、リフォーム・リノベーションを考えてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

参考サイト1:株式会社丸山工務店『高気密高断熱住宅とは?―後悔しない家づくりの重要なポイント』
https://www.mk-home.info/airtight-high-insulated-houses

参考サイト2:長野地方気象台『長野県の気候』
https://www.jma-net.go.jp/nagano/kikou_tokucyou/nagano_kikou_tokucyou.html

参照サイト

国土交通省"平成25年住生活総合調査結果"[① 住宅及び居住環境に対する総合的な評価(p.29)]の一部を抜粋.国土交通省.2015.9.30
http://www.mlit.go.jp/common/001104812.pdf (参照2019-03-25)

気象庁"平年値(年・月ごとの値)"[長野 平年値(年・月ごとの値) 主な要素]の一部を抜粋
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=48&block_no=47610、(参照2019-05-10)