2019年版・住まいの実態調査【神奈川県編】 住まいに関する具体的な不満とその対処法

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「あなたは自分の住まいに不満をもっていますか?」そう聞かれた時、あなたはどんな風に答えますか。

東京に隣接し、都道府県別の人口は東京都に次ぐ第2位である神奈川県。横浜市・川崎市・相模原市の3つの政令指定都市持つこの地域に住んでいる方々は、住まいに関してどのような不満を抱えているのでしょうか。

そこで、当社は神奈川県に住んでいる30~60代の世帯主の男女を対象に、住まいに関する不満に関するアンケートを実施しました。その結果や全国で実施したアンケート結果を比較してわかったこと、住宅の不満解消のためのリフォーム事例などをご紹介します。

1.神奈川県の住まいに関する不満

まずは、神奈川県の住まいに関する不満を全国の結果と比較しながら見ていきましょう。

1-1.住まいに関する不満

まずは、神奈川県在住の方に「住まいに関する不満はありますか?」と質問した結果です。

非常に不満:7.7%
多少不満:32.7%

合計すると、住まいに不満のある方は、40.4%となりました。

次に、全国を対象としたデータを見てみましょう。平成25年に国土交通省が全国に対して実施した「住生活総合調査結果」の「住宅及び居住環境に対する総合的な評価」の結果です。

非常に不満:3.3%
多少不満:18.8%

合計すると、22.1%となっています。

実施した時期は違いますが、全国と比較すると神奈川県在住の方の住まいに対する不満は倍近いという結果が出ています。

1-2.住まいに関する具体的な不満

次は具体的な不満を見ていきましょう。

神奈川県在住の方に「住まいに関する具体的な不満は何ですか?」と質問した結果です。

1位:収納の多さ、使いやすさ(50.8%)
2位:台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ(42.9%)
3位:住宅の広さや間取り(40.5%)

次いで「冷暖房などの省エネルギー性」が26.2%、「住宅の断熱性や気密性」が23.8%と高い割合を示しています。

一方、全国の「住宅の個別要素に対する不満率」のアンケート結果です。

1位:高齢者への配慮(53.5%)
2位:地震時の住宅の安全性(48.6%)
3位:冷暖房などの省エネルギー性(46.7%)

次いで「住宅のいたみの少なさ」「住宅の断熱性や気密性」「住宅の防犯性」となっています。

全国では安全性や快適に生活するための項目が上位を占めていますが、神奈川県では収納、水まわりに関する項目が上位を占める結果となりました。

2.神奈川県在住の方の住まいの不満とは

全国調査と比較して、神奈川県では「収納の多さ、使いやすさ」「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」「住宅の広さや間取り」の3つが特有の不満として挙がっていることがわかりました。

「住宅の広さや間取り」については、企業の本社が集積する横浜市、川崎市はもちろん、相模原市、藤沢市、大和市、茅ヶ崎市など、都心へのアクセスが比較的容易なエリアは、いずれも地価が高く、広い敷地を確保しづらい現状があります。

また、「収納の多さ、使いやすさ」「台所、トイレ、浴室などの使いやすさ、広さ」の2つの不満率の高さに関しては、現代のライフスタイルやライフステージの変化に対応できていない住宅はままあることが背景にあると推測されます。

神奈川県東部は、1980年代後半からのバブル景気に、都心の家賃上昇による住み替え需要があって、東京都心のベッドタウンとして戦後生まれの「団塊の世代」が地方からこぞってやってきたエリアです。

ここでいう神奈川県東部とは、現在は政令指定都市に移行した相模原市、大和市、座間市、海老名市などを指しており、この中にはバブル以前から発展していた横浜市や川崎市の郊外も含まれます。

これらの市に1980年代に開発された新興住宅地は、当時30代のファミリー層を中心としてにぎわいましたが、その層は今やシニア層に変わっています。

新興住宅街の住宅の多くはその頃に建てられたもので、すでに築30年を超えているため、住宅の老朽化に伴い、設備などへの不満が多いのもうなずけます。

また、ベッドタウンは都市への通勤者のための街であり、その建物の多くは通勤者向けに造られたものでした。

当時は朝から職場のある都市へ通勤して夜は自宅に寝に帰るだけ、というスタイルが一般的でしたが、現在ではそうしたライフスタイルを送っていた方がシニア層に変わり、生活が職場中心から住まい中心へと変化しているため、住宅が対応できていない現状もあります。

3.不満を解消した神奈川県のリフォーム事例

リフォーム・リノベーションは、住まいの不満を解消するための1つの方法です。

住まいの不満を解消して住みやすい住まいに変えたケースとして、神奈川県のリフォーム事例を紹介します。

【神奈川県 W邸】

築年数40年の戸建て住宅でしたが、水まわり(キッチン、浴室・バス、トイレ、洗面)、居間(リビング・ダイニング、洋室(寝室・子供部屋など))、外まわり(外壁)をリフォームした事例です。築年数が古くても住みやすい住まいに変えることができます。

4.住まいの不満をリフォーム・リノベーションで解消

リフォームには、台所・トイレ・浴室などの水まわり、玄関の収納など、気になる部分だけを行うものから、間取りなどを変更する大々的なものまで様々です。

予算や目的に応じて適切なリフォームを行うことで住まいの不満を解消することができます。

ただ不満があるからと言って将来的なことを考えずにリフォームを行うと失敗するケースも少なくありません。目的を整理して、優先順位をつけ、十分な下調べを行ってください。

時間をかけて準備をすることで、目先の不満を解消するだけでなく、子供の成長や家族構成の変化にも対応できるリフォーム・リノベーションを実現することができます。

5.まとめ

今回は、全国と比較しながら神奈川県特有の住まいの不満とそうした不満を解消したリフォーム事例を紹介しました。

都心に近い県東部を中心に地価が年々上昇しており、なかなか広い敷地を確保できないなどの理由もあり、間取り、収納、水まわりに対して不満が多いことがわかりました。

リフォーム事例のように、現在の住まいに不満を抱えている方は、リフォーム・リノベーションが不満を解消する1つの方法です。もし住まいに不満があったら、リフォーム・リノベーションを考えてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

参考サイト1:土地価格相場がわかる土地代データ『神奈川県』
https://tochidai.info/kanagawa/

参考サイト2:神奈川県住宅供給公社『団地の歴史を知ろう。始まりから衰退、そして再生期へ。』
https://www.kousha-chintai.com/blog/knowledge/apartment-complexes-history.php

参照サイト

国土交通省“平成25年住生活総合調査結果”[① 住宅及び居住環境に対する総合的な評価(p.29)]の一部を抜粋.国土交通省.2015.9.30.
http://www.mlit.go.jp/common/001104812.pdf、(参照2019-03-25).