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糖質制限で健康な体に。MCTオイルって何?

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今回はMCTオイルの効果や使い方についてご紹介します。

この記事の監修

伊藤璃帆子 (Rihoko ITOH)

美術家。東京都在住。
編集、執筆、写真撮影、イラスト、フードスタイリング等を手がける。
日常使いのアイテムをちょっと良いものに変えてみませんか。
暮らしや家事にまつわるアイデアを厳選してご紹介していきたいと思っています。

かつて油は不健康の代名詞のような存在だったのですが、近年では海外セレブや美容の専門家の愛用をきっかけに、様々なオイルが健康やダイエットのサポーターとして取り上げられるようになりました。中でも最近注目度が高いのが、MCTオイルです。
MCTとは、Medium Chain Triglyceride(ミディアム チェイン トリグリセリド)の略で中鎖脂肪酸のこと。MCTオイルは、油が採れるココナッツやパームヤシから、中鎖脂肪酸だけを抽出してつくられたオイル。良質なオイルを効率よく摂取できると話題を集めています。
今回は、ダイエットはもちろん、丈夫な身体づくりや認知症予防としても注目されているMCTオイルの効果や使い方についてご紹介します。MCTオイルの特徴を正しく理解し、毎日の生活に取り入れてください。

MCTオイル、話題の理由は

健康維持やダイエットのために良質な油を摂取することは、ごく一般的なことになりました。良質な油は、女性ホルモンに働きかけたり、血圧を下げる効果があったりなど、それぞれに特徴があります。今回ご紹介するMCTオイルは、通常の油とどのような違いがあるかご紹介します。

まず、オリーブオイルやキャノーラ油など、普段私たちが口にする油の多くは、長鎖脂肪酸でできているものがほとんどです。長鎖脂肪酸という言葉ですが、これは脂肪酸を長さで分類した時のひとつで、長鎖脂肪酸の他、中鎖脂肪酸・短鎖脂肪酸に分けられます。

オリーブオイル
キャノーラ油

長鎖脂肪酸

体脂肪として吸収され、ゆっくりとエネルギーに変わるため、摂取しすぎると肥満につながる

ココナッツオイル
パーム精油
MCTオイル

中鎖脂肪酸

消化吸収が早く、速やかにエネルギーに変わります。長鎖脂肪酸に対し、中鎖脂肪酸は約4〜5倍も速く分解されるため、太りにくいといわれている

バター・クリーム
など

短鎖脂肪酸

もっとも早くエネルギーに変わる。乳製品以外には含まれない。

※それぞれの食品中には数種の脂肪酸が含まれ、「長鎖だけ」「短鎖だけ」というわけではありません。

ココナッツオイルなら、何でもOKというわけではない

MCTオイル

中鎖脂肪酸

MCTオイルを摂取することで、体内で必要とされるエネルギー物質のひとつ、ケトン体を生成しやすいという特徴もあります。ケトン体は、糖質を減らすことで身体を脂肪燃焼モードにする、ダイエットでも注目されている物質

ここで「ココナッツオイルに中鎖脂肪酸が含まれるならココナッツオイルを摂取すればいいのでは?」と思う方がいるかもしれません。 MCTオイルは、ココナッツに含まれる中鎖脂肪酸という成分のみを取り出したオイルです。ココナッツオイル由来ではありますが、ココナッツオイルには約60%の中鎖脂肪酸が含まれているのに対し、MCTオイルは100%の中鎖脂肪酸で構成されているため、より効率的に中鎖脂肪酸を摂取できるということになります。
含まれている中鎖脂肪酸の種類も、MCTオイルはカプリル酸、ココナッツオイルはラウリン酸と違いがあり、脂肪燃焼にはカプリル酸の方が効果があるとされているため、純粋にダイエットを目的としている方にはMCTオイルがおすすめなのです。

MCTオイルの効果

ダイエット

消化・吸収が早く、体脂肪になりにくいMCTオイルは、ダイエットを目指す人にとっては大きな味方となります。一般的な消化吸収ルートとは異なり、小腸から門脈を経由して直接肝臓に運ばれ、素早く分解されるため、すぐにエネルギーとして使われます。そのため毎日の食事に取り入れることで、エネルギーとして脂肪を燃焼する作用を促し、体内に蓄積される脂肪の量の減少につながるといわれています。

認知症予防

アルツハイマーなど認知症予防にも効果があるといわれています。アルツハイマーは一説には脳への栄養不足が原因ともいわれており、脳の栄養不足解消にケトン体の効果が期待されているのです。
MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸が体内で分解される際に変換されるケトン体が、脳の中でブドウ糖に代わるエネルギー源になることで、脳の働きを助けます。また、中鎖脂肪酸は母乳にも含まれている成分で、抗菌・抗炎作用により、大人の丈夫な体づくりの手助けになるという説も。

MCTオイルの使用方法

MCTオイルの1日あたりの適切な摂取量は、大人で約30ml〜100mlティースプーン1杯程度から始め、体調をみながら大さじ1~2杯程度(15ml〜30ml)が目安とされています。 。MCTオイルを取り入れたダイエット方法として有名なのが、朝に飲むと空腹を感じにくくなるといわれている、※完全無欠コーヒーです。作り方は簡単で、コーヒーに小さじ1杯(5ml)のMCTオイルを入れるだけ。

※完全無欠コーヒーとは
『シリコンバレー式 最強の食事』でも紹介され、飲むだけで0.5kg痩せるなど、いまダイエット業界で話題になっている『完全無欠コーヒー』。本来のレシピは、コーヒーにMCTオイル大さじ1〜2杯(15ml〜30ml)、無縁バター大さじ2(30ml)を加えるものですが、一説にはMCTオイルのみでも可となっています。今回ご紹介したのは、バター抜きのレシピです。

MCTオイルは、活動量が落ちる就寝前の時間帯ではなく、エネルギーとして消費される朝から夕方の時間に摂ることが推奨されているため、スムージーに混ぜたり、サラダのドレッシングにしたり、ヨーグルトにかけたりしても良いでしょう。
ただし、あくまで油なので、摂りすぎには気をつけてください。ダイエット目的の場合は、MCTオイルを摂る代わりに食事から炭水化物を減らすなど、食生活の工夫もしてみましょう。また、体を動かす前に摂取すると、脂肪燃焼や疲れにくくなる効果に期待ができます。

使用上の注意点

身体にいいオイルときくと、いろいろなものかけたくなる気もしますが、過剰な摂取は禁物です。カロリーでいうと、MCTオイルは大さじ1(15ml)で100kcalあることをお忘れなく。
また、人によっては、下痢などの副作用がみられる場合もあるので、まずは少量から摂取し、身体に合わない場合は使用を止めましょう。

調理には不向きなMCTオイル

【注意】
オイルという名前ではありますが、食用油とは異なる性質を持っているため、炒めものや揚げものなどの加熱調理には使用できません。一般的な油よりも発火する温度が低いため、くれぐれも取り扱いには気をつけてください。
そのほか、生肉や魚類を漬け込んだりすると、独特な匂いを発生することがあります。料理に取り入れる場合、基本的には出来上がった料理にかけるという使い方をしましょう。

手軽に食べられるゼリータイプや料理に使い安いパウダータイプのMCTオイルも販売されています。自分が摂取しやすいタイプのものを選び、習慣化することを意識しましょう。

MCTオイルの選び方

話題のオイルということもあり、様々なメーカーがMCTオイルを販売しています。ここではMCTオイルの選び方のポイントをご紹介します。

100%ココナッツ由来を選ぶ

できるだけ100%ココナッツ由来のMCTオイルを選ぶこと。MCTオイルは、ココナッツの上質な部分を抽出して作られていますが、中にはアブラヤシから中鎖脂肪酸を抽出して作られたものもあります。アブラヤシに比べ、ココナッツオイルは酸化しにくく、熱にも強いという特徴があるので、ココナッツのみで作られたMCTオイルを選んでください。

香りや色にご注意

2つ目のポイントは、香りや味が自分に合ったものを選ぶこと。サラサラとしていて、基本的には無味無臭なので、誰にでも取り入れやすいオイルですが、中には黄味がかったものや香りが残っているものも。毎日続けることを想定し、できるだけ好みに合ったものを選びたいところです。
香りや味は、店頭で購入する前に、口コミなどでチェックして。

ボトルは遮光性のものを

3つ目のポイントは、遮光タイプの瓶容器のものを選ぶこと。MCTオイルは基本的に酸化や劣化に強いため、直射日光を避ければ、常温で保管することができます。ただ、すぐに使いきる自信のない方は、光や熱を通しにくい遮光瓶タイプのMCTオイルを選ぶようにすると安心です。