50代から気をつける病気。予防・対策

スマホ依存症に要注意! 長時間の使用が親子にもたらす健康被害とは

50代から気をつける病気。予防・対策

スマホは手軽で便利なツールではあるものの、使い過ぎによる健康被害が気になります。子どもをスマホ依存症から守るためには、大人である私たちがスマホと上手に付き合う方法を理解し、子どもたちの模範となる必要があるでしょう。

【ライタープロフィール】遠藤愛

スマホ(スマートフォン)の普及は、私たちの生活を一変させました。特に若い世代では、最新情報をテレビや新聞ではなく、ウェブサイトやスマホアプリから手に入れるのが主流で、「スマホがないと生きていけない」という人もいるほど。
その一方で、スマホは手軽で便利なツールではあるものの、使い過ぎによる健康被害も気になるところです。

今回は、スマホによる健康被害とその予防法について解説します。

スマホの見過ぎによる「スマホ依存症」とは?

周囲を見渡せば、誰もが片手にスマホを持っている時代です。シニア世代の方は、一度や二度はこんなふうに感じたことがあるのではないでしょうか。 「孫がいつもスマホを見ているのが気になる」 「孫だけでなく、親も一緒になってスマホにのめり込んでいる」 「健康や学力に影響しないのだろうか?」

実際に、「スマホ依存症」という言葉があるほど、スマホの使い過ぎによる問題は深刻です。スマホ依存症とは、スマホの使い過ぎによる生活の乱れ、学力低下など、実生活への影響が出ているにもかかわらず、使用が止められない、手元にないと落ち着かないなど、精神的な依存状態にあることを意味します。 また、スマホの見過ぎによる頭痛や肩こり、眼精疲労、視力低下などの症状を「VDT症候群(スマホ症候群)」と呼び、深刻な健康問題として多くの専門家が警鐘を鳴らしています。

スマホが普及した現代では、その使用は若者に限ったことではありません。すぐに調べ物ができる便利さ、良質で豊富な動画コンテンツ、家族や友人と気軽につながれる安心感から、現役世代やシニア世代に至るまでスマホを使いこなす人は多くいます。

下の図を見てもわかるように、若者を中心にスマホの普及率は非常に高く、2人にひとりが所有する時代です。よほど意識しなければ、誰もがスマホ依存症、スマホ症候群になるリスクを抱えていると言えるでしょう。

▼スマートフォン個人保有率の推移

総務省「平成29年版 情報通信白書|図表1-1-1-2 スマートフォン個人保有率の推移」を基に作図

スマホ依存度をチェックしてみましょう

内閣府の調査によると、青少年の9割以上がインターネットを利用しており、主に使用する機器は「スマホ(63.3%)」と回答しています。(※1)さらには、3歳児でも約5割がインターネットを利用(※2)しており(保護者回答)、現代人にとってスマホやタブレットによるインターネットの利用は、すでに生活の一部となっています。

内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」4Pの情報を基に作図

お孫さんやお子さんのスマホの使いかたに危機感を覚えている方はいらっしゃいませんか? 
アメリカの心理学者、キンバリー・ヤング博士による、「インターネット依存症」の簡易自己診断テストから、依存傾向をチェックできます。8項目中5項目以上に当てはまると、「依存傾向あり」と診断されます。

  • インターネットを利用していないときも、インターネットのことを考えている
  • より多くの時間、インターネットをしていないと満足できない
  • インターネットの使用時間を管理したいけれどもうまくいかない
  • インターネットの利用を控えようとすると、落ち着かず、イライラする
  • 予定していた時間を大幅に超えてインターネットを利用してしまう
  • インターネットによって、家族や友人との関係が損なわれそうになったり、勉強や部活動がおろそかになったりしそうだ
  • インターネットをしている時間や熱中度合いについて、家族や友人にうそをついたことがある
  • 現実逃避や、落ち込んだ時の気分の持ち直しのためにインターネットを利用している

ただ、これはあくまでも「自己診断」のツールです。「依存傾向」に当てはまる方は、正確な診断を受けるためにも、専門の医療機関へ相談されることをおすすめします。

スマホ依存症・スマホ症候群を防ぐには?

スマホの普及率は主に若年層に高い傾向がありますが、驚くべきはその利用時間です。中高生の平日1日あたりのインターネット平均利用時間は軽く2時間を超えており、高校生に至っては、およそ3人にひとりが「5時間以上」と回答しています。

内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)|概要4 青少年のインターネットの利用状況 -4(利用時間)」の情報を基に作図

スマホ依存症を予防するためには、親や身近にいる大人の理解と協力が不可欠です。スマホの使い過ぎによる心身の不調は立派な「病気」であると理解し、大人と子どもが共に対策を考える必要があります。まずは、長時間使用しないための工夫、ルール作りから始めてみてはいかがでしょうか。

もっともルール化しやすいのは、「使用する場所・時間を決める」というもの。「使用はリビングで」「1日2時間まで」「夜9時以降は使用しない」など、具体的かつ実現可能なルールを決めましょう。大人からの注意や干渉を避けるため、自室での使用を希望するお子さんもいると思いますが、スマホの使い過ぎを防ぐには目の届く場所がベストです。

また、頭痛や肩こりを予防するためには、長時間の連続視聴や同じ姿勢を避けるようにしましょう。たとえば、「動画を30分見たら10分休憩する」「イスに座り、正しい姿勢で見る」「ストレッチをする」などです。ブルーライトカットの眼鏡を使用したり、近くと遠くを交互に見る眼のストレッチを行ったりするのも、眼精疲労の予防になります。

これらを理解してもらうためには、一方的な命令ではなく「共にルールを考えること」「大人もルールを守ること」「干渉し過ぎず遠くから見守る姿勢持つこと」が大切です。

画像1 / 利用規約

子どもや孫のスマホ依存症が心配......どう伝える?

スマホの使い過ぎを防ぐために、ルールが大切だとわかってはいても、「受け入れてもらえるだろうか?」「うるさく言って関係が悪くならないだろうか?」と不安に感じることもあると思います。たしかに、親や祖父母からの注意を「ウザい」と受け取るお子さんもいるかもしれません。しかし、スマホの使い過ぎは心身の健康にかかわることなので、毅然と伝えることが大切です。

総務省の調査によると、「家族からの注意」「現実生活での多忙化」によって、インターネットの利用時間が減ったという報告もあります。(※3)とはいえ、命令するような態度や、ガミガミと叱りつけるような口調は逆効果になることも。
「こんな危険があるらしいよ」「私も使いすぎないようにしたいから、一緒にルールを考えよう」など、同じ目線に立って伝えることがポイントです。

また、スマホ以外の楽しみを見つけられるようにサポートするのも効果的です。読書好きのお子さんにおすすめの本を紹介する、からだを動かすことが好きなお子さんなら運動に誘ってみるなど、家族間の交流がスマホの使い過ぎを防ぐきっかけになります。

スマホと上手く付き合うために

インターネットやスマホが普及したことで、私たちの生活は良くも悪くも一変しました。
「楽しさ」や「便利さ」の恩恵を受ける一方で、使い方を間違えると、日常生活や健康に支障をきたす恐れがあります。

子どもをスマホ依存症から守るためには、スマホの使用について家族で十分に話し合い、ルールを決めることが大切です。そのためには、大人である私たちがスマホと上手に付き合う方法を理解し、子どもたちの模範となる必要があるでしょう。

※1 内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」p.4
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/r01/net-jittai/pdf/kekka_gaiyo.pdf

※2 内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」p.9
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/r01/net-jittai/pdf/kekka_gaiyo.pdf

ライタープロフィール

遠藤愛

看護師として約13年間病院勤務。外科・内科病棟、地域連携室、介護老人保健施設、訪問看護に従事。現在は看護師の知識と経験を活かし、ライターとして活動中。