50代から気をつける病気。予防・対策

価格が安いだけではない! ジェネリック医薬品を使うメリットと注意点

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最近は、有効成分だけではなく添加物や薬の形まで同じ「オーソライズドジェネリック」というジェネリック医薬品も販売されています。ジェネリック医薬品の使用に抵抗がある方は、まずオーソライズドジェネリックからスタートすることをおすすめします。

【執筆者】中西 真理

価格が安く、医療費の抑制にも大きな効果が期待されているジェネリック医薬品(後発医薬品)ですが、「価格が安いのは粗悪品だからではないか」「効き目が弱く副作用が生じやすいのではないか」といった不安から、使用をためらっている方も多いと思います。

ジェネリック医薬品が先発医薬品(新薬)に比べて価格が安いのは、薬剤開発にかかる費用が大幅に抑えられているためです。しかし、ジェネリック医薬品と先発医薬品の違いは、価格だけではありません。

先発医薬品とジェネリック医薬品の開発期間・開発費用などの違い

 

先発医薬品

ジェネリック医薬品

開発期間

9~17年程度

3~4年程度

開発費用

数百億円以上

1億円程度

薬価(国が定める薬の価格)

高め

先発医薬品の7~2割程度

※「薬価」とは薬そのものの価格です。実際に窓口で支払う金額には技術料や管理料なども含まれるため、負担金額が単純に7~2割程度になるわけではありません。

そこで今回は、ジェネリック医薬品を使うことで得られるメリットと使用時の注意点、さらに、近年ジェネリック医薬品の新たな選択肢として注目されつつある「オーソライズドジェネリック」について解説します。

ジェネリック医薬品のメリット

ジェネリック医薬品を使用することで得られるメリットは、やはり価格が安い点でしょう。特に先発医薬品の価格が高いものは経済的メリットが非常に大きく、年間で数万円の差額が生じるものもあります。

また、ジェネリック医薬品は、厚生労働省の審査をクリアし、先発医薬品と同等の品質・有効性・安全性が確認・証明されなければ販売が許可されません。一方で、薬剤の色や形、味、添加物などは変更することができます。そのため、ジェネリック医薬品の中には、飲みやすさや使いやすさが改良されているものも数多くあります。

では、ジェネリック医薬品への変更で、経済的負担以外のメリットが生じた具体例をいくつか紹介します。

患者プロフィール:未就学児
服用薬剤:マクロライド系抗生物質(苦味を感じやすい薬剤)
先発医薬品は苦味が強く、口に入れると吐き出したり泣いたりしてしまっていた。
→香りが良く、苦味を感じにくいジェネリック医薬品に変更したところ、抵抗なく飲めるようになった。
患者プロフィール:80代男性
薬を一包化(一回に飲む薬をシートから出し、まとめてパックする方法)していたが、吸湿性の高い薬剤はパックできないため、1剤のみシートのまま処方されていた。そのため飲み忘れが多く、困っていた。
→吸湿性の低いジェネリック医薬品に変更したところ、当該薬剤も一包化できるようになったので飲み忘れがなくなった。
患者プロフィール:60代女性
不眠時に睡眠導入剤を使用していたが、夜間に尿意で起きてしまうことが多く、一度目覚めるとその後眠れなくなることがあるので困っていた。
→口腔崩壊錠(水なしで飲めるタイプの薬)に変更したところ、尿意で起きることが少なくなり、朝までスッキリ眠れるようになった。

ジェネリック医薬品を希望する際の注意

ジェネリック医薬品の使用はさまざまな点でメリットがありますが、いくつか知っておくべき注意点があります。

まず、すべての薬剤にジェネリック医薬品があるわけではありません。特に発売から間もない新薬は、ジェネリック医薬品がありません。また、ジェネリック医薬品が販売される時期は薬剤によって異なるので、医師や薬剤師であっても製薬メーカーの案内が来るまで販売の有無を知ることはできません。このような薬剤については、ジェネリック医薬品を希望することをあらかじめ医師や薬剤師に伝えておくと、情報を入手しやすくなります。

ただし、ジェネリック医薬品があっても、先発医薬品と効能効果や用量用法が異なる場合があります。先発医薬品にしか認められていない効能効果を求めて薬剤が処方されている場合、ジェネリック医薬品への変更は認められません。これは、先発医薬品に特別な特許がある場合や、ジェネリック医薬品が販売されてから先発医薬品に新たな効能効果が追加された場合などに生じます。

さらに、先発医薬品がなく、後発医薬品のみが流通しているものもあります。また、先発医薬品と後発医薬品の薬価差がまったくないものもあります。このような場合は、他の薬剤に変更しても経済的なメリットはほとんどありません。

なお、ジェネリック医薬品は先発医薬品と同等の品質・有効性・安全性があるとされていますが、若干の誤差があることは否定できません。特に徐放剤(薬剤が徐々に放出されて効果が長時間持続する薬)や 塗り薬や貼り薬といった外用剤は、期待している効果と実際の効果がずれやすいことが指摘されています。また、先発医薬品と異なる添加物を使用している場合、添加物によるアレルギーが生じる可能性があります。

そのほか、ジェネリック医薬品と先発医薬品の見た目が大きく異なる場合、誤服用、たとえば残っていた先発医薬品と新たに処方されたジェネリック医薬品を同時に飲んでしまうなどのおそれがあります。

ジェネリック医薬品への変更で生じ得るデメリット

先発医薬品と異なる点

生じ得るデメリット例

飲み薬の添加物

添加物に対するアレルギー

製剤上の工夫(徐放剤など)

効果がピークとなる時間や効果持続時間が異なる

塗り薬のベースとなる成分

塗り心地が違う・薬の効き方が違う・劣化(色の変化や成分の分離など)が早い

貼り薬の粘着成分

かぶれる・はがれる・はがしにくい

見た目(形・大きさなど)

誤服用

目薬などの容器の違い

容器が変わるために使いにくくなることがある

実際に、ジェネリック医薬品への変更で不都合が生じた例を紹介します。

患者プロフィール:60代男性
服用薬剤:脂質異常症の薬
ジェネリック医薬品に変更して10日目くらいから鼻血がでるようになった。医師に連絡したところ、残っている先発医薬品を飲むように言われたため、ジェネリック医薬品を中止して先発医薬品の服用を再開した。その後、鼻血は出なくなった。
→添加物による副作用が疑われるため、ジェネリック医薬品への変更は中止になった。
患者プロフィール:30代男性
服用薬剤:慢性腎不全の薬(腸内で有害物質などを吸着し、便中に排泄させる薬)
ジェネリック医薬品への変更で特に体調の変化はみられなかったが、定期検査で腎機能の悪化が判明した。
→ジェネリック医薬品では十分な治療効果が得られないと判断され、以後ジェネリック医薬品への変更は禁止となった。
患者プロフィール:50代男性
服用薬剤:高血圧の薬(徐放剤)
ジェネリック医薬品に変更したところ、午前中にめまいが生じるようになった。めまい時に血圧を測ったところ、通常より低いことがわかった。
→先発医薬品とジェネリック医薬品では効き目の現れ方が違うと判断された。先発医薬品に戻したところ、めまいはおさまった。

ジェネリック医薬品への変更に迷ったら、医師や薬剤師に相談しましょう

ジェネリック医薬品は価格が安く、また飲みやすさ、使いやすさに配慮されているものも多いので、使用することで得られるメリットは少なくありません。一方で、先発医薬品とは添加物や製剤上の工夫などが異なるケースもあります。ジェネリック医薬品を選択すべきかどうか迷う場合には、医師・薬剤師に相談しましょう。相談の際には、不安な点や疑問に思っている点を具体的にあげると、明確な回答を得やすいでしょう。

最近は、有効成分だけではなく添加物や薬の形まで同じ「オーソライズドジェネリック」というジェネリック医薬品も販売されています。オーソライズドジェネリックは、先発医薬品と同じ工場・同じ生産ラインで製造されている場合が多いので、ジェネリック医薬品の使用に不安を感じている人でも受け入れやすいでしょう。一方で、薬価は先発医薬品より抑えられています。

ジェネリック医薬品の選択は、処方せんごとではなく薬剤一剤ずつでも可能です。ジェネリック医薬品の使用に抵抗がある方は、まずオーソライズドジェネリックからスタートすることをおすすめします。

執筆者

中西 真理

公立大学薬学部卒。薬学修士。

医薬品卸にて一般の方や医療従事者向けの情報作成に従事。その後、調剤薬局に勤務。現在は、フリーライターとして主に病気や薬に関する記事を執筆。