衣食住で役立つカラーコーディネート第6回目
"暮らしの達人"にインタビュー! 素敵な住まいの作り方!お部屋のカラーコーディネート方法

最終回はお部屋のカラーコーディネートについて教えていただきました。
カラープロデューサーとして、テレビ、雑誌、新聞などさまざまな媒体で活躍されている今井志保子さん。色の演出家=カラープロデューサーという仕事の話や、衣食住に色を活用するヒントを伝授していただきます。最終回はお部屋のカラーコーディネートについて。お部屋の用途によってカラーを工夫することが大切だと今井さんは教えてくれました。
家にカラーコーディネートを取り入れるメリットは?
インテリアショップや住宅展示場など、素敵にコーディネートされたお部屋を見て、ご自宅のインテリアを工夫してみたいと思うことはありませんか? プロのスタイリストに相談するのもひとつの方法ですし、○○風インテリアなどのスタイルブックを参考にするのも良いでしょう。一番お手軽に実践できるのは、カラーコーディネートの基本テクニックを活用する方法です。
「部屋が片付かない」「殺風景で温かみがない」「垢抜けない」「部屋が狭く見える」などのお悩みがあるとき、家はもちろん、家具などの大型のものを買い換えるのは大変なことですが、小物を買い足したり、クロスやカバーを活用したりすれば、簡単にお部屋の印象を変えることができます。
すっきり広々と見えるリビング、リラックスできるベッドルームなど、色の視覚効果を利用してコーディネートすることで、より快適な暮らしが実現します。
インテリアのカラーコーディネート方法は?
色にはさまざまな視覚効果があります。色の視覚効果の基本をおさえて、配色を選んでいく方法をお伝えします。
面積が広い壁と床の色
まず、面積の大部分を占める壁紙と床について。
お部屋を広く見せたい場合のテクニックがあります。色には『抜ける色』と『止める色』があり、開放感を出したい部分には『抜ける色』、安定感を出したい部分には『止める色』を配色します。
抜ける色の代表例は白。止める色は黒やダークブラウン。上の写真のように、壁紙は抜ける色の白、床は止める色のブラウンなら、開放感と安定感のどちらも叶えられます。
色の視覚効果は、お洋服を例にするとわかりやすいです。ふっくらして見えるもの、着痩せするものが色によって分かれます。これは、色の明度や色相によって膨張色と収縮色とがあるためです。壁紙を明度が低い色にすると、圧迫感が生まれ、お部屋が狭い印象になります。
壁紙に適している膨張色 |
白、ベージュ、アイボリーなどの明度が高い色 |
床面に適している収縮色 |
黒、ブラウン、グレーなどの明度が低い色 |
大きな家具の色は?
次に、大きな面積を占める大型家具の色を決めます。たとえば、壁に沿って配置する収納やカーテンは、壁の色に合わせる。床に面したテーブルなどは、床の色に合わせるなどの工夫で、お部屋全体の印象をすっきり見せることができます。
部屋ごとにテーマカラーを決める
面積の広いところの配色を知ったあとは、お部屋ごとのテーマカラーを決めます。演出したいイメージは用途によって変わりますし、個性が演出できる大切なポイントです。
各部屋のテーマカラーは、下の色相環を参考に、色彩心理を上手に利用しましょう。また、パーソナルカラーを知っておくと、豊富なカラーバリエーションに悩む必要もなくなるだけでなく、部屋で過ごす時間も若々しく生き生きとした自分を演出することができるでしょう。
色相の視覚効果
小物遣いで色を効かせる
各部屋のテーマカラーを決め、カラーコーディネートしていきましょう。ひとつの部屋の色数は3色程度までとします。組み合わせは、同系色で落ち着きを演出しても良いですし、補色(色相環の反対側の色)を組み合わせて個性を演出するのも素敵です。
<寒色系インテリアの例>
<暖色系に補色のブルーを配したインテリアの例>
<一面だけアクセントクロスを貼っても◎>
今井さん宅のカラーコーディネート
今井さん宅のリビングは、赤と補色の緑で統一されています。こだわりのポイントなどをお聞きしました。

今井さん
「リビングのテーマカラーは赤。情熱の赤は、私と主人が大好きな色で、ラグや小物に同じ系統の色を使っています。そこに、アクセントカラーとして赤の補色のグリーンを使っています。補色を使うと、見せたい色が引き立ちますよ。そのほかの大きな家具には色を使わないようにして、壁と床に極力馴染むようにしました。
お部屋によってテーマカラーを変えています。寝室は、ゴールドと紫です。神秘の色、瞑想効果もあって、とてもよく眠れます。
お部屋のテーマカラーの選び方は、その方のご家族構成によってさまざまだとは思いますが、これからご自宅の中で過ごすことが多くなるシニアの方たちにこそ、お部屋のインテリアカラーを楽しんでいただけたらと思います」
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