暮らしに役立つテーブルコーディネート第3回目

"暮らしの達人"にインタビュー! 初心者でも"センスが良い"と思われるテーブルコーディネートのコツ

暮らしの豆知識

テーブルコーディネートのセンスの磨き方について教えていただきました。

【プロフィール】山本侑貴子

食空間プロデューサーとして、テレビ、雑誌などさまざまな媒体で活躍されている山本侑貴子さん。そのお仕事は、サロンでのテーブルコーディネートレッスンだけにとどまらず、有名メーカーのスタイリング、商品開発、店舗プロデュースなど多岐に渡ります。
今回は、山本さんにテーブルコーディネートのセンスの磨き方について教えていただきました。「センスがないから......」と諦めている方も、「やってみたい!」と勇気をもらえる山本さんのエピソードも話してくださいました。

「おもてなし力に自信がない......」という人のために

――――素敵なテーブルコーディネートが人気の山本さんですが、誰もが同じようにできるものなのでしょうか。センスに自信がない方にアドバイスはありますか?

山本さん

「その人の資質や環境も多少影響しますが、コーディネートにはコツがあるので、気楽に実践の機会を増やしましょう。インターネットで何でも調べられる時代ですから、誰にでも門は開かれています。しかしテクニックとセンスを一緒くたに考えてしまって、一歩踏み出せない方も多いのです。一番は気持ちの問題。お客様や家族に喜んで欲しい、自分が食を楽しみたいなど、おもてなししたいという気持ちを大切にして、楽しんでやっていけばテクニックは身につきます。
自分はセンスが良いのかどうかは、自分ではわからないものです。よく「センスがないから」と言う方がいますが、私は違和感を感じられることはとても重要なセンスだと思っています。ご自身のコーディネートに不協和音のようなものを感じられれば、課題は見えてくるものです。初めから完璧にできる人はいませんから、感じた違和感をもとに整えるトレーニングをしていけば良いのです。もっと良くしたい、そう思える方は、すでにセンスがあると考えて、始めてみてはいかがですか?」

初めてでも形にしやすい練習方法

――――学びと実践によってテクニックは誰にでも習得できそうですね。山本さんがテーブルコーディネートを始めたときに、どのように練習したのでしょうか。

山本さん

「テーブルコーディネートだけではなく、いろんなことに言えますが運動神経と同じようなもので、テクニックやコツもあれば、素質みたいなものもあって、飲み込みの良さには個人差があります。私の場合はすべて独学です。初めはレストランのコーディネートを真似することからスタートし、自宅で簡単にできる方法を試行錯誤してきました。今でも、日々反省しながら仕事をしています。どうしたら素敵な演出ができるか、考えながら実践し、周りの方たちの反応を見て、繰り返すことが一番だと思います。
良いものと出会うことも大切です。素敵なテーブルコーディネートのお店でたくさんの事例を見て体感することや、優れたデザインの食器に出会うことですね。このお皿は広島の知り合いの作家さんのもの。渋い色のお皿がマイブームです。今日はぶどうとキノコのサラダを作りました」

――――山本さんご自身が日々工夫されていることはありますか?

山本さん

「興味のあるものを習うのも良いですよ。私はやきもの好きが高じて最近金継ぎをやりたいと思っています。あとは、茶道と水墨画を習っています。今の仕事にすごく親和性があるのです。準備する工程がテーブルコーディネートと似ているのですよ。分野外のことであっても、テーブルコーディネートに役立つ知識はたくさんあります。いろんな物事に興味を持って、吸収していけると良いですね」

人がどう思うかよりも自分が楽しむことをまず先に考えて

――――テーブルコーディネートがもっと気楽にできるようなエピソードはありますか?

山本さん

「アメリカ人の友人が自宅に招いてくれたことがあったのですが、お料理はハンバーガーとチップスだけで、紙皿がいっぱい並んでいました。それがとても嬉しかったのです。プライベートスペースに招いていただけることって、特別なことなのですから。招待してくださった方はこちらもお招きするようにしたら良いですね。テーブルコーディネートをすること自体に、曲がった形に捉えてしまう人もいますが、おもてなしの気持ちは『どう? すごいでしょう!』と自慢することとは無縁のものです。」

山本さん

「『素敵な食器がない』『お料理が得意ではない』そういったことで諦めてしまうのも勿体無いことです。楽しい時間を共有したい、おもてなししたいという気持ちは、持っていて良いもの。高価な食器を揃えたり、レストランのフルコースのようなお料理を用意する必要はないのです。気負わず、自身を持って実践していってほしいです。」

山本さん

「プライベートスペースに友人を招いて、楽しい時間を共有する。その空間にちょっとしたコーディネートを添えて感動してもらえたら楽しいじゃないですか。テーブルクロスを敷く、お花を用意する、そのくらいの小さなことから始めてみてください。無理なく少し工夫するだけでも、おもてなしの気持ちを伝えることはできますよ」

プロフィール

山本侑貴子

食空間プロデューサー

株式会社dining&style代表。趣味で始めた料理やおもてなしが評判となり、1999年テーブルコーディネイトの楽しさを伝える「dining&style」を自宅でスタート。店舗プロデュース、商品開発、イベントディスプレイなどのスタイリングを手掛けるほか、雑誌やTVで活躍中。

株式会社dining&style