暮らしに役立つテーブルコーディネート第1回目

"暮らしの達人"にインタビュー! 食空間プロデューサーの仕事とは

暮らしの豆知識

現在のお仕事に就いたきっかけや、初めての方にも始めやすいテーブルコーディネート術などを教えていただきました。

【プロフィール】山本侑貴子

食空間プロデューサーとして、テレビ、雑誌などさまざまな媒体で活躍されている山本侑貴子さん。そのお仕事は、サロンでのテーブルコーディネートレッスンだけにとどまらず、有名メーカーのスタイリング、商品開発、店舗プロデュースなど多岐に渡ります。
そんな山本さんに現在のお仕事に就いたきっかけや、初めての方にも始めやすいテーブルコーディネート術などを教えていただきました。日々の暮らしを食事の場から豊かにしていきたい方、必見です。

食空間プロデューサーになったきっかけ

――――テーブルコーディネートのサロンや認定講座、店舗スタイリングなど、たくさんのお仕事をされている山本さんですが、今のご職業に就いたきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。

山本さん

「もともとホームパーティもお料理も好きでした。結婚する前は証券会社で働いていて、とても忙しくしていたのですが、結婚し、子どもができて、仕事を辞めました。再就職するつもりでしたが、子どもがいるとなかなか仕事ができないですし、お外にも出られませんから、ママ友を自宅に招いてホームパーティをしていたのです。子どもが2歳のとき、お友達を呼んで、テーブルコーディネートのサロンを主宰し始めました。そうしていると、すぐにお友達がまたお友達を呼んでくれて、月曜日から金曜日まで、毎週4、5人くらいの規模でサロンを開催していました。今の仕事はその延長線で始めました。」

――――お料理だけでなく、フラワーアレンジメントやワインの知識など、たくさんのことを教えていらっしゃるそうですが、どのように学ばれましたか?

山本さん

「教えるというスタンスが好きなわけではなかったですし、自分ではセンスがあるとも思っていなくて、お教室に通おうとも思ったこともありましたが、ピンとくるものがないまま、独学でやってきました。レストランへ行ったり、料理関係の洋書もお手本にしたり。お店に行って、食器やお料理を真似してみたり。お店でしていることを自宅で簡単にアレンジすることが趣味のひとつでした。実践が一番大切です。美味しいお料理を食べても、作らなければ何にもならないでしょう? 学ぶことも大切ですが、実践、発信していくことが一番鍛えられます」

食空間プロデューサーとは、どんな仕事?

――――テーブルコーディネーターではなく、食空間プロデューサーという肩書きでお仕事をされているそうですが、具体的にはどのような仕事なのでしょうか。

山本さん

「私はお料理の専門家ではなく、お料理はもちろん、ワイン、お花など、いろいろなものを含めて、空間としてバランスを考えていくことが仕事です。自宅のテーブルコーディネートするとき、お店やイベントのコーディネートをするとき、すべてにいえることですが、食空間をトータルでコーディネートするには、お料理を準備するだけではありません。テーブルを彩るということは、トータルコーディネートができるようにならなければいけないので。レッスンの場合は、テーブルコーディネートの中に、装花やワイン、それらの歴史についても伝えています」

食空間を楽しむことは案外難しい

山本さんがワークショップで作ったお手製のナプキンホルダー

――――山本さんはこのお仕事を始められて20年になるそうですが、ここは難しかったなど、苦労されていることはありますか?

山本さん

「テーブルコーディネートは『敷居が高い』と思っている方が多いです。でも、食というのは生活に密接に関係しているものですから、本来身近なものだと思います。
先日、ある短大で栄養士のたまごの皆さんに講義をしてきたのですが、学校で料理や栄養学は教わっても、コーディネートについては考えるきっかけが少ないようで、先生たちも課題だと考えていました。
お料理の味は器ひとつでも大きく変わります。一人暮らしであっても、すこしだけ食卓をおしゃれに彩ってみるのは誰でも簡単にできることです。難しく考えずに、食をもっと楽しむためにはどうしたら良いのかを考える人が増えてくれたらと思います」

――――お仕事のターニングポイントはありましたか?

山本さん

「今がまさにターニングポイントです。今まで、伝えたいことはすべて本にしてきましたが、違う方法で発信できることがあると思っています。これからやりたいことは、大きなホテル向けの食器のプロデュース。ホテルの食器は、定番の商品が多いですよね。それは、手入れのしにくさなどから忙しい調理の現場で使えないものが多いためなのですが、使い勝手が良く、壊れにくい素材を探して、ホテルなどの調理現場でも使いやすく、おしゃれな食器を考えたり提案したりしたいと考えています」

山本さんがコーディネートで伝えたいこと

――――テーブルコーディネートをやってみたいと思う50代以降の方達に向け、メッセージをいただけますか?

山本さん

「子どもが巣立ち、夫婦二人になった食卓を、コーディネートで彩り豊かにし、人生を食から豊かにしていきましょう。お料理ひとつを取っても、面倒がって作るものと、楽しんで作るものでは、味わいが違う気がしませんか? 食卓を少しだけ整える。そういうことを楽しんでほしいです。キッチンを汚したくないからお料理しないという方、凝った演出をすると『自慢している』と捉える方もいらっしゃいますが、世の中がもう少しおおらかになれば良いなと思うのです。一番大切なのは、ご自身が食を楽しむこと。できることから少しずつやってみてはいかがですか」

プロフィール

山本侑貴子

食空間プロデューサー

株式会社dining&style代表。趣味で始めた料理やおもてなしが評判となり、1999年テーブルコーディネイトの楽しさを伝える「dining&style」を自宅でスタート。店舗プロデュース、商品開発、イベントディスプレイなどのスタイリングを手掛けるほか、雑誌やTVで活躍中。

株式会社dining&style