久しぶりに会った友人に、「あら大丈夫?」「何かあった?」なんて気遣われると、複雑な気持ちになるものですよね。特に元気がないわけでも、疲れているわけでもないのに、「それは見た目がやつれているって意味かしら?」と勘ぐってしまったりして―----。
そんなとき、「私は元気ですよ」と表現するツールとして便利なのが「チーク」です。積極的にチークの力を借りたいところですが、年齢とともに失敗しやすくなるのもチークの特徴。
「チークなしでは不健康に見えるけれど、上手な塗り方がわからない......」
今回はそんな声にお応えし、50代の肌をイキイキと健康的に輝かせるチークについて解説します。
50代のメイクにこそ欠かせないのがチーク
本来、50代のメイクにこそ欠かせない重要なメイクステップが「チーク」です。
まずは、どうしてチークが重要なのか、チークを取り入れるうえで何に気を付けるべきなのか、"事前に知っておきたいチークの話"をお届けします。
「チークがないと厚化粧に見える」という事実
ファンデーションの上にチークをプラスした肌と、していない肌。どちらの方が厚化粧に見えると思いますか? 答えは「チークをしていない肌」です。チークをプラスして、化粧品を多く重ねた方が薄化粧に見えるなんて、何だか不思議な感じがしますよね。
そのカラクリは、目の錯覚です。
チークによってプラスされるのは"肌の血色感"。チークがないと「肌の血色感を覆い隠すほどファンデーションを塗り重ねている」と錯覚します。結果、厚化粧の印象を与えてしまうのです。 ファンデーションを厚塗りしていなくても、"厚塗りしているかのような目の錯覚"を引き起こすのが「チークなし」のメイクです。透明感のない厚化粧は、若見えメイクの大敵です。チークなしのメイクでは実年齢より老けて見えますから、チークの重要性がお分かりいただけたことと思います。
50代の肌色は大きく変化している
若い頃は何の疑問も持たずに使いこなせていたチーク。しかし、50代に入った頃から違和感を持ち、だんだんチークを使わなくなる人もいます。その違和感の正体は「肌色の変化」。50代になると、肌の明るさは減り黄色みが増すという化粧品会社の調査結果もあるほどです。
30代〜40代の頃と比較して、肌の明るさが減っていることには気付いていても、黄色みが増えているなんて思いもしなかった、--という人も多いのではないでしょうか。
この肌色の変化を無視したまま、同じ色のチークを使い続けたとき、私たちは「チークへの違和感」を持ちます。問題はチーク自体ではなく、"チークの色の選び方"にあったのです。
チークの位置によって変わる印象
"自分にしっくり合うチーク"を見つけるために、色選びと並んで重要なのが「チークを入れる位置」です。下のイラストのとおり、チークを入れる位置によって印象は変わります。
アイブロウや口紅にくらべ「チークは難易度が高い」と思われがちです。「メイクのたびに、どこに入れるか自分の感覚で決めなければならないから苦手......」という声をよく聞きます。しかし実は、"正しいチークを入れるためのガイドライン"がきちんとあるのです。詳しくは次の章でご紹介しましょう。
ひと塗りで元気に見えるチークのメイク術
50代の肌へチークを取り入れるにあたり注意したいポイントを踏まえつつ、ここからは具体的なチークカラーの選び方や塗り方のメイク術をご紹介します。
若見えするチークの色選び
今までチークの色を選ぶとき、どんな基準で選んできたでしょうか。
「アイシャドウの色味と合わせて選ぶ」
「口紅と同系色にそろえる」
これらはもちろん間違いではないのですが、50代の肌にはおすすめできない方法です。肌に溶け込むようになじむ"若見えチーク"を実現するためには、アイシャドウや口紅の色味よりも「現在の自分の肌に合わせて選ぶ」のが正解です。
50代の肌は黄色みが増加しているので、イエローベースの人もブルーベースの人も、「イエローベースに合うチークの色」を選ぶとピッタリ肌に合いやすいでしょう。
<イエローベースに合うおすすめ6色>
補足:イエローベース・ブルーベースとは?
生まれつきの肌の色を、黄色みが多いタイプ(イエローベース)と青みが多いタイプ(ブルーベース)に分け、それぞれに合うメイクやファッションを選びやすくする方法です。
チークの種類別おすすめタイプ
次にチークの「種類」です。大きく分けて下記の3種類があり、それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
種類 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|
パウダー |
○簡単・初心者向け ○薄付きに仕上げやすい |
×乾燥しやすい ×チークブラシが必要 ×保ちが悪い |
クリーム |
○保湿感がある ○チークブラシが不要 |
×失敗したときの修正が難しい |
リキッド |
○崩れにくい ○チークブラシが不要 |
×狙った位置に塗るのが難しい ×厚塗りになりやすい |
最も気軽に使いやすいのは「パウダー」です。乾燥やチークブラシの刺激が気にならなければ、パウダーを選びましょう。
パウダーと一緒に使うブラシは、チークに付属している小さなブラシではなく、専用のチークブラシを使ってください。チーク自体がプチプラコスメでも、チークブラシはぜひ奮発することをおすすめします。
チークブラシは上質なものを選んで
質の良いチークブラシを使えば、テクニック要らずで自然なチークができるようになりますよ。
「パウダーではブラシの刺激が気になる......」「かといって、クリームやリキッドは難しそう」という人には、パフ付きの"ぽんぽんチーク"がおすすめ。薄く色づくので失敗しにくく位置の調整もしやすいアイテムです。片手でぽんぽんとのせるだけなので、誰でも簡単に使えます。
50代に最適なチークの位置と塗り方
今の自分に合うチークが準備できたら、いよいよ実際に付けてみましょう。まずは鏡で顔を見ながら「チークを入れてもOKの位置・NGの位置」の確認です。
チークは黒目の延長線よりも内側に入れると不自然になり、小鼻のラインより下まで入れると頬がこけて見えます。また、髪の生え際まで塗ると一昔前のメイクに見えてしまいます。指2本分ほど空けましょう。
上図のピンク色部分がチークを塗ってOKのエリア。このルールさえ守れば大きな失敗はしません。ぜひ安心してチークを楽しみましょう。
チークをブラシに取ったら、一度ティッシュの上で余分な粉をはらいます。このひと手間で、肌の内側から発色しているようなナチュラルな仕上がりになります。
いよいよ肌にチークをのせていきます。OKエリアの中で50代に最もおすすめのチーク位置は「頬の盛り上がる部分」。コツは、にっこり笑った状態でチークをのせることです。笑うと最も盛り上がる位置にふんわりとチークをのせれば、それだけで若見えチークの完成。基本さえ押さえれば、想像よりもずっと簡単にできるはずです。
チークでプラスする元気は相手への思いやり
「相手に心配させないことは最大の愛情」ともいいます。
たとえちょっぴりシリアスな状況にあったとしても、それを相手に悟らせまいという"優しさ"を形にしたものが、チークなのかもしれません。
人生いろいろあるけれど、「あら、何か良いことでもあったの? 楽しそうね」と言われたら私の勝ち。
頬にそっと元気をプラスして前を向いたら、いろんなことが少しでも良い方向へ向かっていきますように。
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