「実家の片付け」9

片付け順5 捨てにくい趣味の物、思い出の品は"捨てる"から"飾る""共有する"に考え方をスイッチ!

大成功!実家の片付け

実家の片付けをスムーズに進める“片付けの法則”があります

【執筆・監修】渡部亜矢(わたなべあや)

ここまできたら片付けも終盤です。片付け順1、2、3、4では①~⑨の片付け方を教えていただきました。防災を理由に片付けに着手しやすい①②、そして親の安全を確保するための③~⑤を終えたら、⑥の親の城であるキッチンを片付け。⑧、⑨の1日のうちで親の滞在時間が長い場所を片付けたら、いよいよ親が処分に躊躇してしまう趣味の物や思い出の品にとりかかります。
昔好きだったもの、子どもとの思い出が詰まっているものなどは、本人の思い入れが強い分"捨てる"判断ができなくなります。
それらは"捨てる"という選択だけでなく、"飾る""共有する"などへ思考をスイッチ! 無理に捨てようとせず、活かす方向で考えてみましょう。

・片付け順の一例

1. 外玄関・庭・内玄関
2. 廊下、階段、トイレ
3. 低いところ(各部屋の床)
4. 高いところ(食器棚やタンスの上など)
5. 健康に関するもの
6. キッチン
7. リビング
8. 寝室
9. クローゼット、押し入れ、納戸

10.書斎・趣味の部屋
11.書類・貴重品
12.思い出の品

※例えば......「1外玄関・庭・内玄関」に思い出の品が置いてある場合は、最後に改めて考えましょう。

今回は、「書斎・趣味の部屋・物」と「書類・貴重品」と「思い出の品」の片付けのポイントを紹介いたします。

書斎・趣味の部屋

【Point】
  • 無理に捨てない。
  • 不要な本や雑誌は家の外へ出す。

本や雑誌、CD、趣味で作ったアート作品などは思い入れが強いもの。雑誌が創刊号からとってある、文学全集や百科事典があるなど物を収集することが好きな人もいます。そのため、親にとってはそれらを捨てることに踏ん切りがつかないことが多くあります。

古い趣味のものは処分して、いま楽しんでいる趣味のものを残すのが理想ですが、捨てられない場合はそのままでも大丈夫。親と話をしてどれが親にとって大切かを聞き、場所や内容を把握しておきましょう。その後放置されても、例えば親が亡くなった後にも何が収納されているか、何が親にとって大切なものだったかが分かるので整理しやすくなります。

逆に処分してよいとなったときは、屋外の納戸にしまう、そのまま古本屋に持っていくなどできるだけ家の外に出すことを考えましょう。なぜなら、思い入れが強い分、目につく場所に置いておくと気が変わり、こっそり元あった場所に戻してしまうというケースがあるからです。処分するまではできるだけ親の目に付かない場所に置いておきましょう。

重要書類・貴重品

【Point】
  • リスト化する。
  • しまう場所と現物を確認し、家族で共有する

保険や年金、預貯金などの情報は、自然災害が起こった時、親が突然入院してしまった時など、もしもの時に大切です。何がどこにしまってあるかという情報は親子で共有しておくことをおすすめします。でも「何かあった時に必要だから」というような聞き方をすると、財産目当てなのかと勘違いをして親はショックを受けてしまいます。ですので「防災のために確認しよう」と伝えるようにしましょう。

まずはリビングなどを片付けた時に出てきた書類などを確認します。郵便物にはクレジットカードの明細や公共料金の通知などさまざまな情報が詰まっています。これらを親子で一緒に確認し、必要な物はしまう場所を決めましょう。詐欺のような通知はがきが来ていないか、悪徳業者に騙されていないかなどにも気を付けて確認しましょう。

そして、以下のリストにあるもののうち、親が保有しているものを確認してください。「権利証はタンスの3段目にしまってある」と親が言っても、扉を開けるとそこにはなかった、というケースはよくあります。長年しまいっぱなしにしているうちに記憶違いをしていたり、別の場所に移動させたことを忘れてしまったりするからです。何がどこにしまってあるかは、現物をきちんと確認しましょう。

貴重品リスト

  • 生命保険・損害保険
  • 公的年金・私的年金・年金手帳
  • 不動産情報・権利証
  • 現金
  • 預貯金(ネットバンク含む)
  • 有価証券
  • 借入金・保証債務
  • クレジットカードや銀行カード
  • そのほかの金融資産
  • 印鑑
  • 貴金属・骨董品・絵画など
  • 貸金庫・レンタル倉庫など

災害時に預金通帳が行方不明になった時のことを想定し、おすすめの方法があります。
預金通帳、またはそれに付随する銀行カードを並べて写真に撮り、その写真を防災リュックに入れておくのです。口座番号まではわからなくても、どこの銀行に口座を持っているか、という必要最低限の情報を、防災リュックとともに持ち出すことができます。

思い出の品

【Point】
  • 大切な思い出は飾る。
  • 写真はベストアルバムを作る。

最後に片付けるのが、写真や手紙、賞状やトロフィーなどの思い出の品です。これらは片付けの際についつい見入ったり思い出話に花が咲いたりして片付けに最も時間がかかります。なつかしさが蘇って捨てる決断がなかなかつかなくなるのもやっかいなところです。だからこそ、片付けに慣れた最後に行うことをおすすめします。片付けに慣れてくると、年賀状や手紙は大切な物だけとっておけるようになります。

思い出の品は、スペースを決めてそこに入る分だけ取っておくよう、いる・いらない・一時保管に分類しましょう。おすすめは「思い出コーナー」を作ること。大切な思い出をいつでも見られるよう、思い切って飾ってみてはいかがでしょう。
また、写真の整理をするなら、思い出のベストアルバムを作るのもお勧めです。たくさんある写真の中から写真を選りすぐって一冊のアルバムにまとめれば、いつでもすぐに大切な思い出を眺められます。残りは処分したり、データ化して保存したりてもよいでしょう。

執筆・監修

渡部亜矢(わたなべあや)

(一社)実家片づけ整理協会 代表理事  実家片づけアドバイザー® 片づけ講師

少子高齢化社会に特化した「実家片づけアドバイザー®」認定講座、人生100年ライフの片づけ整理術、親子で取り組む生前整理、出張片付けサービスなどを展開し、雑誌やテレビ、ラジオでも活躍。遺品整理士の資格も持つ。2019年には、片付けに悩む人々をつなげるサロン「自宅と実家のオンラインサロン」開設。著書に「カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門~」(SBクリエイティブ)、「「5つの鉄則」でラクラク!実家の片づけパーフェクトBOOK」(光文社)など多数。

(一社)実家片づけ整理協会