「実家の片付け」8

片付け順4 雑多なものが集まりがちな"親がよくいる場所"から片付けましょう

大成功!実家の片付け

実家の片付けをスムーズに進める“片付けの法則”があります

【執筆・監修】渡部亜矢(わたなべあや)

帰省しても、クローゼットの中や親の寝室まで目にすることは、なかなかないのではないでしょうか。子どもが自身の家の中を想像してみても、それらの場所には自分にとって大切なものがしまってあったり、逆に着ないのにしまいこんだままになっている服があったりしますよね。そういった場所はどのように片付けたらよいのでしょうか。
実家の片付けは「親の思い入れが少ない場所から手を付けると片付けやすい」と、実家片付けアドバイザーの渡部亜矢さん。片付け順1、2、3では①~⑥の片付け方を教えていただきました。防災を理由に片付けに着手しやすい①②、そして親の安全を確保するための③~⑤を終えたら、⑥の親の城であるキッチンを片付け。そしてここからは、1日のうちで親の滞在時間が長い部屋へと手を伸ばしていきます。家庭によっては物が多く集まっている場所でもあり、それを片付けるのは本当に大変です。これらの場所の上手な片付け方について渡部さんにお話を伺いました。

・片付け順の一例

1. 外玄関・庭・内玄関
2. 廊下、階段、トイレ
3. 低いところ(各部屋の床)
4. 高いところ(食器棚やタンスの上など)
5. 健康に関するもの
6. キッチン
7. リビング

8. 寝室
9. クローゼット、押し入れ、納戸

10.書斎・趣味の部屋
11.書類・貴重品
12.思い出の品

※例えば......「1外玄関・庭・内玄関」に思い出の品が置いてある場合は、最後に改めて考えましょう。

今回は、「寝室」と「クローゼット、押し入れ、納戸」の方付けのポイントを紹介いたします。

キッチンの片付けが終わったら、次はリビングや寝室など親が過ごす時間が長い場所。そして開かずの扉になっていることも多い、クローゼットなどの収納です。
リビングや寝室にはリモコン、書類、ハサミ、メガネなど雑多なものが集まってしまう場所。それらを見つけやすく片付けるのがポイントです。また押し入れなどの収納には使わなくなったものがしまい込まれたままになっていることが多くあります。それらを思い切って処分できるとスッキリします。
片付ける際は「3の法則(いる・いらない・一時保管)」や「わく枠大作戦」を活用してみてください。

リビング・ダイニング

【Point】

リビングやダイニングには雑多なものが置かれがちです。テーブルの上に書類やレシート、新聞や雑誌、ハサミや爪切り。思わぬところから写真が出てきたり...。また普段座っている場所の周りにリモコンなど物が集まっていることが多いです。まずは「3の法則」でいる、いらない、一時保管に分けましょう。
いるものは「わく枠大作戦」を活用し、ジャンルごとにまとめます。例えばテレビやエアコンなどのリモコンを入れる箱、爪切りやハサミなどを入れる箱、郵便物やレシートを入れる箱、などです。ジャンルごとに分けておけば探し物がしやすく、片付けも箱に戻すだけなので簡単です。
写真など思い出のあるものは最後に片付けるので、ここで出てきた場合はひとまとめにしておき、後回しにしましょう。ここで写真を乱してしまうと片付けが終わりません。

そして見落としがちなのが、家電のコードやカーペットの重ねについてです。延長コードなどが部屋を横断していたり、床のへこみを隠すためにカーペットを二重に敷いていたりすると、これにつまづいてしまう危険があります。家具・家電の配置やコードの導線を検討しましょう。

寝室

【Point】
  • 枕元周りを片付ける。
  • 家具の配置に危険がないか確認する。

枕元には薬やメガネ、読みかけの本などいろいろなものが散らかりがち。土地の権利書をレジ袋に入れて置いているなんて方もいらっしゃいました。大事なものが置かれていることも多いので、むやみに捨てず、袋や箱は中身を一つずつ確認して片付けましょう。
枕元に置いておいたほうが良いものは、メガネや補聴器など身体的な補助具、そして防災用の懐中電灯とスリッパです。スリッパはガラス類などが飛散したときに素足で歩かなくて済むように置いておきます。
そして家具の配置に危険がないか確認することも大切です。寝室は一日の約1/3過ごす場所。家具が倒れた時にベッドに覆いかぶさらないか、ドアがふさがれないか、など地震の際にどうなるかを想像し、問題があれば家具の配置を検討しましょう。

クローゼット・押し入れ・タンス

【Point】
  • 衣類はクローゼットやタンスに収まる数にする。
  • パイプハンガーは使わない。

服をたくさん持っている方によくあるのは、古い衣類がずっとタンスの中にしまわれていて、いま着ている服はパイプハンガーにかかっているというケース。タンスは機能していないのです。パイプハンガーを処分し、クローゼットに収まる服の量を目指すといいでしょう。

衣類やバッグなどの小物類は、一つ一つに思い出があり、なかなか捨てることが難しいアイテムです。 服には「着る服」「着られる服」「思い出の服」「よそ行きの服」の4つがあります。

  • 着る服 ⇒ 現在進行形で着ている服
  • 着られる服 ⇒ 10年前の服だけど着られる、でももう着ていない服
  • 思い出の服 ⇒ 授業参観や発表会に着たような思い入れのある服
  • よそ行きの服 ⇒ いざというときに着ていく晴れ着

高齢者に多いのが、「よそ行きの服」を大切にしまい込んでまったく着ていないというもの。 「着る服」「着ない服」「一時保管」の3つに分けるイメージで、思い出の服を捨てたくないというなら一時保管にしよう、よそ行きの服は捨てられないなら普段も着ようね、というように仕分けしていきましょう。その際、一度に衣類をすべて出してしまうと散らかって片付けづらくなるので、一着ずつ出しながら親の意思を確認しましょう。 高齢者にとって衣替えは体力的に負担になります。衣替えしない量まで減らすのが難しい場合でも、季節の変わり目にすぐ羽織れるものや春・秋の服はクローゼットなどすぐ取り出せるところにまとめて収納し、衣替えは夏と冬の服を入れ替えるだけ程度にしておくのがおすすめです。 服を整理すると、自分の服の傾向を把握できます。同じような服ばかりだと気づいて買い足すのをやめたり、逆に暗い色の服ばかりだったことに気づいて明るい色を着てみようと思ったりするきっかけにもなります。

また男性は会社に勤めていたころのスーツやワイシャツをなかなか手放せない傾向があります。捨てることでガクっと落ち込んでしまうこともあるので、そのような場合は無理に捨てようとしなくても問題ありません。"服は捨てられなかったけれど新聞類は処分で来たからOK"というように気持ちを切り替えていきましょう。

押し入れは、使わなくなった家電、余分に入っている布団、鎧兜など子どもの節句飾りなど大きなものから処分を検討しましょう。大きなものを捨てられるとスペースができ、一時保管場所にもなります。

これらの場所は1日で全部やってしまうのは大変です。ほかの場所にも言えることですが、一度に片付けるのは親の体力的にも大変な事。1日2~3時間など時間を決めたり、「きょうはクローゼットの中を片付けよう」と目標を定めたりして進めてみてください。

執筆・監修

渡部亜矢(わたなべあや)

(一社)実家片づけ整理協会 代表理事  実家片づけアドバイザー® 片づけ講師

少子高齢化社会に特化した「実家片づけアドバイザー®」認定講座、人生100年ライフの片づけ整理術、親子で取り組む生前整理、出張片付けサービスなどを展開し、雑誌やテレビ、ラジオでも活躍。遺品整理士の資格も持つ。2019年には、片付けに悩む人々をつなげるサロン「自宅と実家のオンラインサロン」開設。著書に「カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門~」(SBクリエイティブ)、「「5つの鉄則」でラクラク!実家の片づけパーフェクトBOOK」(光文社)など多数。

(一社)実家片づけ整理協会