大成功!実家の片付け 第6回

片付け順2 各部屋を片付ける前に!親の身の安全確保をしましょう

大成功!実家の片付け

実家の片付けをスムーズに進める“片付けの法則”があります

【執筆・監修】渡部亜矢(わたなべあや)

「実家の片付けは親の思い入れの少ない場所から手を付けると進めやすいです」と、実家片づけアドバイザーの渡部亜矢さん。家のどこから片付けるとよいかの一例が以下になります。片づけ順1では、防災を理由に片付けに着手しやすい①外玄関・庭・内玄関、の片づけ方についてお話を伺いました。今回は、いよいよ家の中の片付け方について渡部さんにお話を伺いました。

家の外回りや玄関の片付けが済んだら、家の中に着手しましょう

・片付け順の一例

1. 外玄関・庭・内玄関

2. 廊下、階段、トイレ
3. 低いところ(各部屋の床)
4. 高いところ(食器棚やタンスの上など)
5. 健康に関するもの

6. キッチン
7. リビング
8. 寝室
9. クローゼット、押し入れ、納戸
10.書斎・趣味の部屋
11.書類・貴重品
12.思い出の品

※例えば......「1外玄関・庭・内玄関」に思い出の品が置いてある場合は、最後に改めて考えましょう。

今回は、家の中の片付け方にのポイントを以下4つに分類してご紹介いたします。

  1. 廊下、階段、トイレ
  2. 低いところ(各部屋の床)
  3. 高いところ(食器棚やタンスの上など)
  4. 健康に関するもの

家の外回りや玄関の片付けが済んだら、家の中に着手します。ただしすぐに各部屋の片付けに入るのではなく、まずは親の健康や転倒防止などの観点から動線の確保や落下の危険がないよう家全体をチェックします。5つの鉄則の「下から上へ」の片づけで、まずは廊下や階段などから始め、その後、床置きのものや、棚の上などを片付けましょう。例えば寝室など親の滞在時間が長い部屋から始めるとよいでしょう。
どこを片づける際も「3の法則(いる・いらない・一時保管)」や「わく枠大作戦」を活用してみてください。

廊下・階段・トイレ

【Point】
  • 廊下や階段には何も置かれていない状態にする。
  • トイレのドアの周辺に物がないようにする。

高齢者のけがの原因となる転倒を防ぐため、階段や床には何も置かないのが鉄則です。階段の段が物置場になっているお宅は多く、ティッシュやトイレットペーパーなどスーパーで買った大きなものがそのまま置かれていたり、植木鉢が飾られたりしています。過去にご相談を受けた方のお家では、せっかく介護保険を使って付けた廊下の手すりが、床に置いたものが邪魔をして使えなくなっているというケースもありました。
深夜にトイレへ行くときなど足元に物があるのは転倒のリスクが上がり、もし転んでも一人暮らしだと助けも呼べないことも考えられます。廊下の上にあるものはたとえ小さなものでも片付けてください。箱が置かれているようなら、中身を確認して、「いる・いらない・一時保管」の判断をしましょう。
トイレの扉の近くに物があると、何かの拍子で物が倒れて扉があかなくなった場合、トイレに閉じ込められてしまいます。マンションのトイレは窓がないところも多く、夏なら熱中症になってしまいます。トイレの扉は外側も内側も、周辺に物を置かないようにしましょう。

低いところ(各部屋の床)

【Point】
  • 床置きのものをそれぞれの場所に片付ける。
  • 郵便物や書類、写真はまとめて後回しにする。

寝室やリビング、キッチンなどの床に置かれているものは、それぞれの場所に片付けましょう。買ってきたものを床の上にそのまま置いてしまうなど、床置きが親の生活習慣になってしまっている場合は、片づけてもリバウンドしやすくなりますが、帰省するたびに根気よく片付けましょう。ポイントは、床の上のものを徹底的になくすこと。割れ窓理論(※)のように、物が置いてあるとそこにほかのものも置いてしまいがちです。逆に床の上をきれいにしておくと心理的に物が置きづらくなります。
書類や写真などは一つ一つ確認が必要なので時間がかかります。箱や袋などにひとまとめにして、後回しにしましょう。

※窓ガラスを割れたままにしておくと、その建物は十分に管理されていないと思われ、その場所にごみが捨てられ、やがて地域の環境が悪化し、凶悪な犯罪が多発するようになる、という犯罪理論。

高いところ(食器棚やタンスの上など)

【Point】
  • 棚の上のものを撤去する。
  • 地震対策をする。

家の低いところが終わったら、次は高いところ。つまり、タンスや食器棚など家具と天井の間のスペースです。よくあるのは、タンスの上にガラスケースに入った日本人形が置かれていたり、食器棚の上にすき焼きセットなどが置かれていたりするケース。そこにあるのが当たり前になっていて、危険であるという意識がなくなってしまっているのです。地震が起きたときに危ないので、一つ一つ棚の上から降ろして別の場所へ移動しましょう。
でも実は、目線より上の場所に置いてあるものは、ほとんど使われていないものが多いんです。使わないものは処分することも提案してみましょう。
そして物をどかしたらタンスや食器棚が転倒しないよう、L字型金具やつっぱり棒などで家具を固定し、地震対策も併せてすることをおすすめします。

健康に関するもの

【Point】
  • 薬は一か所にまとめる。
  • メガネや補聴器など災害時に入手しにくいものをまとめる。

親が普段どんな薬を飲んでいるかご存じですか? 家を片付けているといろいろな場所から薬が出てくることがあります。使用期限が過ぎた薬をずっととっている場合もあります。薬はすべて一か所にまとめて、使用期限が過ぎたものを処分しましょう。診察券やお薬手帳、メガネや補聴器なども同じ場所にまとめて置くと便利です。災害時にすぐに持ち出すことができます。それらをわく枠大作戦で仕分けしたり、棚を決めて一か所に置いておきましょう。
健康に関するものを片づけることで、親の健康状態を知ることができます。

家の中をおしゃれにしたり美しく片付けることが大切なのではなく、実家はあくまで親の"安全な暮らし"が優先です。実家の片付けは1日では終えられません。動線となる廊下や床、深夜にも足を運ぶことが多いトイレなどをまず片付けることで、まずは転倒や閉じ込めなどの危険をできるだけなくしておくと安心です。

執筆・監修

渡部亜矢(わたなべあや)

(一社)実家片づけ整理協会 代表理事  実家片づけアドバイザー® 片づけ講師

少子高齢化社会に特化した「実家片づけアドバイザー®」認定講座、人生100年ライフの片づけ整理術、親子で取り組む生前整理、出張片付けサービスなどを展開し、雑誌やテレビ、ラジオでも活躍。遺品整理士の資格も持つ。2019年には、片付けに悩む人々をつなげるサロン「自宅と実家のオンラインサロン」開設。著書に「カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門~」(SBクリエイティブ)、「「5つの鉄則」でラクラク!実家の片づけパーフェクトBOOK」(光文社)など多数。

(一社)実家片づけ整理協会